昨日の海外時間には、ECB理事会でサプライズがなかったこともあって、全般的にドルの買い戻しが優勢となってドル円も111円台を回復しました。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

昨晩のECB理事会では、新たな材料はありませんでしたが、来夏まで現行の金利水準が維持さえれる見通しが確認されたことや、ドラギECB総裁の会見で貿易戦争のリスクに対する警戒が示されたことなどからユーロ売りが優勢となりました。一方NYダウが堅調に推移したことから日経平均先物も上昇し、ドル円は111円台を回復しました。しかし東京時間には来週の日銀金融政策決定会合で長期金利の上昇を容認するような決定が行われるのでは、との思惑もあって、10年物国債金利が堅調に推移する中円買いがやや強まっています。

来週月曜・火曜に開かれる日銀金融政策決定会合に関しては、各報道機関が10年物国債利回りが0.11%を超えて上昇することを容認する場合の具体的な決定を予想する記事が出ています。実際に決定が行われるのか、また容認するとして何らかの政策変更が必要なのか、という根本的な疑問がありますが、少なくとも日銀金融政策決定会合の結果が出る火曜日昼過ぎ(時間は未定)まではドル円は上値が重い展開が続くと考えています。

一旦買い戻しも、再びドル売り

昨日の夕方、前日からの下落トレンド・ラインを上抜いたことから111.30円の売りポジションを110.85円で一旦買い戻しました。その後の上昇のトレンド・ラインを今朝方割り込んだことから111.15円で再びドル売り、円買いのポジションを作っています。

海外時間からの流れ

欧州時間、特段の新規材料はありませんでしたが全般的にドル買いが優勢となって、ドル円は110.80円台まで上昇し、ユーロドルは1.1700台まで下落しました。ECB理事会は、予想通り金融政策の据え置きを決定しましたが、相場への影響はほとんどありませんでした。その後ドラギECB総裁の会見が始まると一旦ユーロ買いが強まりましたが「大規模な金融緩和、引き続き必要」などとし、来年の夏ごろまで政策金利が現行の水準に維持されることが確認されると、ユーロ売りが優勢となりました。

NY時間にはいってもユーロ売りは続き、ユーロドルは1.1640台まで、ユーロ円は129.40円台まで下落しました。この間各国株価が堅調に推移したことからドル円は111.20円付近まで上昇しています。

東京時間にはいってから、10年物国債利回りが堅調に推移していることから円買いが優勢になっています。

今日の予定

今日の海外時間には、独・6月小売売上高指数、米・第2四半期GDP/個人消費/コアPCE/GDP価格指数(速報値)、米・6月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)の発表が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp