「空き家問題」がニュースなどで連日話題となっています。「高齢の親が亡くなったら空き家を相続することになるが、どう処置すればいいか不安」と思っている人も多いでしょう。そもそも、空き家があることの一体何が問題なのか、空き家を相続したらどうすればいいのか、考えてみましょう。

空き家はどれくらい増加しているのか

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(写真=Jenny Sturm/Shutterstock.com)

総務省の「住宅・土地統計調査(平成25年)」によれば、日本の総住宅数は6,063万戸。このうち820万戸が空き家です。別荘などの二次的住宅を除いた空き家率は12.8%に達します。空き家のうち、4割弱は一戸建てです。

空き家の数は、この20年間で倍増しました。高齢化社会を迎えて、空き家率は今後もさらに上昇していくでしょう。住宅が空き家になり、管理がしっかりと行われないと、次第に次のような問題が発生すると考えられます。

防災性の低下(倒壊や崩壊、外壁の落下など)、治安の悪化(不審者のたまり場、放火など)、衛生の悪化(ごみの不法投棄、害虫・害獣の発生など)、景観の悪化などです。周辺住民にとっては非常に迷惑な問題であり、地域一帯の不動産価値の低下にもつながりかねません。

そもそもなぜ空き家が出ているのか

空き家が増加している背景には高齢化・人口減少があります。単身の高齢者が死去し、誰も住まなくなった家は子供が相続することになります。しかし、その子供も持ち家に住んでいたり離れて暮らしていることが多いので、相続した空き家を使う予定はありません。

誰かに貸すにしても売るにしても、ある程度のリフォームをしなければならず、費用がかかります。そもそも家余りの時代なので、立地がいい物件でなければ貸すのも売るのも大変です。解体して更地にして売ろうとすれば解体費がかかりますし、更地になったとたん固定資産税が6倍に跳ね上がります。また、すぐに売れるとは限りません。八方ふさがりの状況となって放置しておく所有者もいます。

一方で、新築住宅はどんどん建てられています。このようにして、今後も日本全国に空き家が増えていくことが予想されます。

相続人にとってどのような影響があるのか

国もこの問題に手をこまねいているわけではありません。2015年、空き家問題を解消するための「空き家対策の推進に関する特別措置法」を成立させたのです。空き家特措法では、倒壊の危険・衛生上有害・著しく景観を損なうなどの状態にある空き家は「特定空家等」とされ、市町村が所有者に対してきちんと管理するよう指導・勧告することができます。

所有者が行政指導に従わず、勧告の対象になると、、住宅用地特例の要件から外され、固定資産税が高くなります。それでも放置していた場合には、最大50万円の罰金が命じられるばかりか、空き家を強制的に撤去するなど強硬手段が講じられることになります。もちろん、その際の解体費用は所有者に請求されます。

空き家を相続した人は、固定資産税や維持管理費用などの支出が増えることになり、もし放っておけば罰金や強制解体といったリスクも発生することになるわけです。

相続したときに困らないための空き家対策

これから空き家を相続する予定の人が、事前にできることはあるでしょうか。それは、「売る」か「貸す」か、将来自分が住む場合に備えて「維持管理する」か、ある程度のプランを立てておくことです。

売ろうと考えているなら一度、地域の不動産会社に相談してみましょう。そのまま売れるか、あるいはリフォームして売るべきか、または更地にしてから売った方がいいのか、相場状況も踏まえながらアドバイスをしてもらえるはずです。なお、空き家を売却して利益が出た場合には、譲渡所得から最高3,000万円まで控除する特例を利用できます(2019年末まで)。

賃貸に出す場合も同様に、不動産会社に相談してみましょう。賃貸需要はありそうか、貸すとしたらどれくらいの家賃が取れるのか、どれくらいのリフォーム費をかければいいのか、事前に把握しておくことが大切です。

いざという時に焦って間違った判断をしたり、維持管理できずに迷惑空き家を生じさせたりしないためにも、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。(提供:相続MEMO


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