外貨預金とは、米ドル、ユーロ、豪ドルなど外国の通貨で預金することをいう。外貨普通預金、外貨定期預金などの種類がある。外貨預金を始めるにあたり、通貨や預入れ先の金融機関をどのように選べばよいのかを考えてみよう。
外貨預金の仕組みと始める前に気をつけること
外貨預金の仕組みはシンプルで、円預金と同様に利息がつくのが特徴だ。円預金との主な違いは、為替リスクと売買の時に為替手数料がかかる点だろう。手数料率は米ドルのように取引量が多い通貨ほど低く、新興国通貨など取引量が少ない通貨ほど高くなる傾向にある。
また、外貨預金を始めるには、投資先の国や地域の特徴、政治・経済情勢をよく調べておく必要がある。金利が高いという理由で地政学リスクの高い国に投資をすれば、価格が激しく動き、想定以上の評価損になることもあるためだ。そのため、テレビ、新聞、インターネットを通じて情報収集をしておくのがよいだろう。
また、外貨投資初心者は米ドルやユーロ、豪ドルなど馴染みのある通貨を中心に保有するのがよいだろう。特に米ドルは基軸通貨として最も取引量が多く、日経平均株価と同様に日々のニュースでも目にする機会が多いため、多忙で為替の動きを調べる時間がなくても、最新情報が手に入りやすいのがポイントだ。
ユーロは米ドルに次いで取引量が多く長期的には安定感もあるが、ギリシャショックの時のように一時的に不安定になることもあるし、近年は低金利の状況が続いていることに注意をしておきたい。また、豪ドルは米ドルやユーロよりも金利が高い上、価格の動きが比較的安定しているといわれている。ただし、資源国通貨のため、資源価格の変動の影響を受けやすい。
ほかに南アフリカランドやトルコリラなどの新興国通貨も金利の高さが魅力だが、通貨の価値そのものが大幅に変動するリスクが高く、先進国通貨に比べ取扱い金融機関も少ない。
外貨預金の預け先に金融機関を選ぶ3つのポイント
外貨預金は、金融機関ごとに異なる金利、為替手数料、取引のしやすさの3つがポイントとなる。
外貨預金の金利は金融機関ごとの差もあるが、預入期間と為替手数料を踏まえた損益分岐点の為替レートで比較するのがよいだろう。金利キャンペーンが行われている場合でも、実際に受け取れる利息を具体的な数字で確認し、どの程度の差が生まれるのかを見ておく必要がある。金利は年表示なので、12%と表示されていても1ヵ月定期の場合は税引き前で1%の利率になる。惑わされないように注意しよう。
為替手数料は、通貨によって手数料率が異なるが、金融機関の窓口よりも人件費がかからないインターネットの方が割安であることが一般的だ。為替取引は世界中で行われており、為替相場は夜間も動くが、窓口で取引できるのは平日の日中に限られる。外貨預金の取引レートを1日に1回 (午前10時頃が多い) しか決めない金融機関では、急激な為替変動への対応が難しい場合もある。インターネット取引であれば、ほぼ24時間リアルタイム取引が可能なので、日中に取引できない人にとっても利便性が高いのではないだろうか。
外貨はリスクを理解し、利便性の高さで預入れ先を選ぶこと
外貨に限らず資産運用をするには経済的な余裕だけでなくメンタルも重要である。変動商品である以上、損失を被ることもあれば、評価損を抱えることもある。長く保有しようと思っても、価格が下がれば落ち着かない気持ちになる人は、長い目で見て値上がりするのかをよく見極めて投資をする必要があるだろう。
外貨預金は通貨分散によってリスクを低減することもできるし、外貨のままプリペイドカードなどにチャージして外旅行先などで利用することも可能だ。このように、外貨預金を始める時は投資先の通貨に対してよく分析を行うとともに、付加サービスなども合わせて検討し、自分にとって利便性の高い安心できる銀行に預入れをするのがよいと言えるだろう。(提供:大和ネクスト銀行)
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