9月18~21日の東京株式市場は続伸した。この週は米中貿易摩擦の後退を背景に強気ペースの展開となった。日経平均株価は21日の終値で前週末比775円26銭高の2万3869円93銭で取引を終了、2万4000円台を視野に入れている。目先的には今年1月に付けた年初来高値(2万4124円)を更新するか注目されるところだ。

ジャスダック「週間出来高ランキング」

ブロードバンドタワー,株価
(画像=PIXTA)

それでは、今週はジャスダック市場の「週間出来高ランキング」をみていこう。

(1)ブロードバンドタワー <3776> 388円 +23.57% 4041万9700株
(2)夢みつけ隊 <2673> 173円 -10.82% 3476万3000株
(3)ビジョナリーホールディングス <9263> 92円 -7.07% 2790万株
(4)カイカ <2315> 47円 +4.44% 1674万4300株
(5)リリカラ <9827> 227円 +36.75% 1563万7100株
(6)シノケングループ <8909> 1201円 +10.28% 1548万9500株
(7)ワットマン <9927> 150円 +23.97% 1321万9000株
(8)フィスコ <3807> 255円 +8.05% 1320万7200株
(9)テリロジー <3356> 1645円 +13.06% 1147万4000株
(10)テラ <2191> 238円 +12.26% 817万3600株

※銘柄、証券コード、21日終値、騰落率、出来高の順。データはヤフーファイナンスより。

今回のランキングTOPは「5G関連」のブロードバンドタワーだった。業種別でみると情報・通信業と小売業が各3銘柄で最も多く、次いで卸売業が2銘柄、不動産業とサービス業が各1銘柄となっている。

ブロードバンドタワー、新大手町サイトの運用開始

今回は上記ランキングからブロードバンドタワー、シノケングループ、フィスコの3銘柄を取りあげる。

ブロードバンドタワーはデータセンター事業、ブロードバンド配信事業を主な事業とする企業。東京都千代田区に本社を置く。

ブロードバンドタワーは今月から「新大手町サイト」の運用を開始した。新大手町サイトは超高速(10Gbps)・超低遅延(1msec)・超多地点同時接続(100万点/k㎡)をコンセプトとし「5G時代のデータセンター」を標榜している。同社のプレスリリースによると「IoT/AI/ビッグデータ/フィンテックが活用される『第4次産業革命』に向けた情報の交換拠点と位置づけ、顧客企業間同士の柔軟な相互接続を実現する施設・基盤を整備している」と紹介。株式市場でも個人投資家を中心に注目を集め、週間出来高も4041万9700株にまで膨らみ今回のランキングでTOPとなった。

シノケングループ、TATERU株急落の余波直撃

シノケングループは投資用不動産の販売及び不動産の賃貸管理を行う企業の持ち株会社。

9月に入り、新興建設会社TATERU <1435> の株価が急落した影響を受け、同種の企業としてシノケングループ株も連想的に売られる場面が見られた。ただ、短期間で大幅に下げた反動もあり、その後は安値から戻す展開となっている。週間出来高は1548万9500株に膨らみ上記ランキングで6位となるなど取引は活発だ。21日現在、同社のPER(予想株価収益率)は連結ベースで4.39倍、同じくPBR(株価純資産倍率)は1.35倍と割安感が強いことも作用しているようだ。

フィスコ、テックビューロ買収で人気化する

フィスコは独立系金融情報配信会社。ポータルサイトなどを通じ投資情報を提供している。

今月20日、仮想通貨取引所「Zaif」を運営するテックビューロが外部からの不正アクセスで約67億円分の仮想通貨が流出したことを明らかにした。フィスコは被害を受けたテックビューロに対し、50億円の金融支援及びテックビューロ株の過半数取得等を検討することで基本合意したと発表。この発表を受けて、仮想通貨に力を入れているフィスコの業容拡大を期待した買いが活発化した。(ZUU online 編集部)