(本記事は、横山光昭氏の著書『お金の損得大全』SBクリエイティブ、2018年8月27日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

格安スマホで損するのは、電話が多い人?メールが多い人?

お金の損得大全
(画像=wavebreakmedia/Shutterstock.com)

猛プッシュしたい格安スマホですが、1つだけおすすめしづらい人もいます。通話が多い人です。

基本料金にプラスして通話料がかかるため、特に仕事でスマホを使っていて、頻繁に通話をする人には向かない面もあります。

しかし最近では通話かけ放題プランのある格安スマホ会社もありますので、プランや値段を比較してみるとよいでしょう。通話して何分まで無料といったプランを提供する会社が多いようです。

「たまには通話をする」という人の場合、
(1)親しい人とはLINE電話やスカイプなどのアプリを利用する、
(2)格安SIM会社が提供する電話アプリを利用する、
(3)IP電話を利用するといった方法で対応できます。

また、格安スマホ会社は、大手のように携帯メールアドレスが提供されませんが、Gメールなど無料で使えるアドレスを活用すれば問題ないでしょう。

ビッグローブ、OCN、UQモバイル、イオンなど、格安スマホ会社の中でも大手と呼ばれるところがありますので、比較してみるとよいでしょう。

エアコンは、弱運転が得?普通運転が得?

節約の際に最初に手をつけるのは固定費ですが、変動費も節約するに越したことはありません。

ただし、流動費の節約にはあまり効果がないもの、効果があるのにあまり実行されないものなどがあり、正しい知識をつけておく必要があります。

たとえば待機電力を減らす節約方法として、電気代を節約しようと、使い終わるたびにコンセントを抜く、という方法があります。やらないより、やったほうがいいに決まっていますが、手間の割に効果は大きくは出ません。

電気代でいうと、大きな割合を占めると思われるエアコンは、オンオフを繰り返すとかえって電気代が高くなります。エアコンは設定温度になるまでが最も電気を使う時間です。

設定温度になったからとエアコンをオフすると、再びオンにしたときにもう一度最も電気代を使わなければいけなくなってしまいます。スイッチのオンオフよりも設定温度の調整で対応したほうがよいでしょう。

さらに、弱運転もエアコン代がかさむ原因です。弱にしておくと、設定温度になるのに時間がかかるため、電気代が高くついてしまいます。

「自動運転」機能があればそれを使ったほうがよいと思います。

節約上手は、電気をこまめに消す人?契約アンペアを下げる人?

節約で大切なのは、継続することです。

先の電気代であれば、待機電力を気にするよりも、自分の家の契約アンペアを調べましょう。契約アンペアを下げることで、電気の基本料金を下げることができます。

これなら手続きだけでずっと料金が安くなりますから、何の手間もかからず節約を続けることができます。

ほかにも、電球をLEDランプに変える、古い家電を買い替えて省エネタイプにするなど、初期費用はかかるものの電気代を下げる方法はあります。

水道代も同様です。シャワーヘッドを穴が小さいタイプ(いわゆる節水シャワーヘッド)に変えると、節水になります。

穴が小さいから少ない水でもけっこうな水圧があります。

水が少なくてすむということは、ガス代の節約にもなりますから、水道代・ガス代を合わせると月に2000~3000円の節約になるというデータもあります。

継続できる節約とは、やっていて自分がむなしくならない節約でもあります。ムリをする節約は続きません。

「継続」が何より大切なのです。

お金が貯まる人は無料サービスを使う?使わない?

手数料無料、送料無料、無料相談など、世の中には「無料」のサービスがあちこちにあふれています。

本当に無料ならばそれでよいのですが、無料には落とし穴があるかもしれないことに注意してください。

たとえば、ネットショッピングで「あと3000円分買ったら、送料が無料になるから」とムダなものを購入したことはないでしょうか。

送料は500~700円程度のことが多いはず。必要のないものを買うくらいなら、送料を支払ったほうがずっとお得です。

「1ヵ月無料で映画見放題」などとうたったサービスなどに加入して、気づかないうちに無料期間が終わっていた経験はないでしょうか。

気づかないうちに月額会費が引き落とされていて、あげく「たいして見ていない」なんてこともあります。

保険の無料相談ページもそうですが、無料の裏には企業が売上を上げるためのしくみがあります。そのしくみが利用者の落とし穴となることもありますので、よく調べて知識を得ることが大切です。

安易に飛びつかないようにしましょう。

お金が貯まるのは、食料をまとめ買いする人?そのつど買う人?

実は、お金が貯まる人とそうでない人の違いが大きく出るのは、食費なのです。

あなたは、週に何回ほど食材を買いに行くでしょうか?

多い人だと、1日に3~4回はあるかもしれません。朝の通勤途上にコンビニに寄っておにぎりとペットボトルのジュースを買い、お昼は同僚と近くのお店で定食ランチ。夜は帰りにラーメン屋に寄り、さらに自宅近くのコンビニで夜食のパンと晩酌用の缶ビール、ポテトチップス……。

これで一体いくら使っているかざっと計算してみましょう。

・朝食コンビニ(おにぎりとジュース)……320円
・昼食(定食ランチ)……800円
・夕食(ラーメン)……800円
・夜食・晩酌コンビニ(パン、缶ビール、ポテトチップス)……450円

1日の合計では2370円。毎日、同程度のお金を使うと1ヵ月で7万円を超えます。1人分の食費としては「高い」と言うべきでしょう。ぜいたくをしているつもりはなくても、かなりお金を使っているわけです。

1ヵ月のうちには、週末、友人と楽しみにしていたレストランに行くこともあるかもしれません。そうなるとさらに金額が上がってしまいます。

当然ですが、財布を開く回数が多ければ多いほど出ていく金額も多くなります。また、このような生活では健康にも悪影響がありますし、お金の管理もうまくいきません。「ぜいたくをしているわけではないのに、毎月かつかつ」という悪いサイクルに陥ってしまいます。

食費は発生頻度が多いからこそ、お金のマネジメント力がはっきり出るものでもあります。

しっかり管理しないと、あっという間に「使いすぎ」になってしまうので注意が必要です。

最も簡単な食費の管理方法は、食費専用財布に1週間分のお金を分けて入れておくこと。たとえば「1週間8000円」を食費の予算としたら、週に1度、決まった曜日にその財布にお金を8000円補充して、その中でやりくりします。

この食費専用財布は、ふだんは持ち歩きません。持っていくのは食料を買い出しに行くときだけです。

たとえば、週の食費予算が8000円の場合、毎日買い物に行くと使いすぎになるので買い物に行くのは週2回、「基本的に土曜日と水曜日」などと決めます。

このケースでは、1回あたり3000~3500円を目安に買い出しをしておけば、週に1000?2000円くらいのゆとりができるでしょう。

「今週は2000円あまったから、あの店に食べに行こうかな」「たまには日本酒を買ってみようか」などという楽しみもできます。

お金が貯まらない人は外食が多い?コンビニのついで買いが多い?

お金を使いすぎないためのノウハウは何でしょうか。

それは「財布の紐をかたく締める」ことです。昔から言われていることで、当たり前だと感じるかもしれません。

でも、「ぜいたくな外食もしてないし、何で貯まらないの?」という人もいるでしょう。

しかし、1回にたくさん使わなくても、財布を開く回数が多ければ多いほど、出ていく金額が増えてしまうのは事実です。

特にコンビニによく行く人は要注意です。コンビニは、「ついで買い」させるための仕掛けがあちこちに用意されています。

たとえばレジ待ちの間に、レジ前に置かれているお菓子を追加してしまった経験はないでしょうか。レジ前のお菓子も「ついで買い」を狙ったもので、よく研究されたコンビニの経営ノウハウです。

お財布を開く回数が多い人は、ATMから数日に1度くらいお金を引き出している傾向もあります。

つまり、それだけ場当たり的にお金を使っているということ。ATMからお金を引き出すのは、週の予算に補充するときだけにしておきましょう。

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横山光昭(よこやまみつあき)
家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。著書は60万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は累計280万部となる。お金の悩みが相談できる店舗を展開するmirai talk株式会社の取締役共同代表を務めるなど、個人のお金の悩みを解決したいと奔走するファイナンシャルプランナー。
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