睡眠をとってもなかなか疲れが取れず、常に疲れていて仕事の効率が悪くなっている人もいるのではないでしょうか。2018年8月28日に発表された「東京西川睡眠白書2018」によれば、「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」が作成した世界共通の不眠症判定法「アテネ民尺度」に照らすと日本人の実に49.3%が不眠症の疑いがあるそうです。睡眠不足は日々の生活にも大きな影響を与えるものです。今後ビジネスをさらに飛躍させたいと考えた時、不足しているのはインプットではなく、休息なのかもしれません。ここでは、規則正しい生活がどのようにビジネスに影響を与えるのか、山田知生著「スタンフォード式 疲れない体」から考察します。

スタンフォード式 疲れない体とは

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(提供=J.ScoreStyle)

世界最高学府、世界最強のスポーツ大学といわれる、アメリカのスタンフォード大学。そのスポーツ医局に在籍する山田知生氏が手がけた同著では、疲労からの回復方法だけではなく、疲労の予防法についても詳しく書かれています。そこには、「疲れの予防と疲労解消を繰り返すことで疲れない体がつくられる」とあります。疲れない体を手に入れることで、自分が持っているパフォーマンスをいつでも100%発揮できるようになる。「だから疲労の予防と疲労回復が大切だ」というのがこの本の考えです。

著書の中で山田氏は「疲れの原因として明らかなものの一つに睡眠不足がある」と語ります。

日本では高度経済成長期から長きに渡り、ビジネスについて常に考え、行動し、寝る間も惜しんで長時間労働をすることが美徳だと言われていました。それは現代の現在でも同様で、ライフ・ワーク・バランスや働き方改革が叫ばれる一方で、依然として長時間労働が続く人もいます。1日における仕事の割合が高いので、その分どうしても睡眠時間を削らざるを得ない人もいるでしょう。

ただ、睡眠をないがしろにしてはいけません。人は寝ることによって脳と体が休息し、健康な状態を保つことができます。睡眠の質が悪ければ、生活習慣病等の病気や精神状態にも影響を及ぼすことが分かっています。もしも睡眠障害に陥ることがあれば、集中力が散漫になり仕事のミスが起きたり、体調不良によってスケジュール通りに仕事が進まないなどの事態が生じるおそれもあります。

そのため、睡眠不足をはじめとした疲れをとるための具体的な行動をする必要があるのです。

睡眠が足りていない日本のビジネスパーソン

このように、睡眠不足は疲労の原因となり、疲労はビジネスの妨げとなります。日本人の睡眠時間は短く、2015年に行われた厚生労働省の「国民健康・栄養調査」では、睡眠時間6時間未満の人は39.5%という結果が出ています。特に働き盛りの30~50代では睡眠不足と感じている人が多いようです。

・働き盛りに多い睡眠による休養不足

同じく厚生労働省が公表している「国民健康・栄養調査」の2016年版によると、回答者の約2割が「直近1カ月に睡眠で休養が十分にとれていない」と感じていることが分かりました。年代別では30~50代でそれぞれ3割近い人が「まったくとれていない」または「あまりとれていない」と回答しています。このことから、働き盛りの多くが睡眠による休養が足りていないことが分かります。

・睡眠不足と年齢によるパフォーマンスの低下

加齢によってさまざまな能力が低下していく中、睡眠不足によっても集中力、記憶力、思考力、作業能力などが低下します。睡眠不足は自律神経にも影響し、精神状態も不安定になる可能性があります。

・適切な睡眠をとるために

たとえ適切な睡眠時間であっても、睡眠の質が悪ければ良い睡眠とはいえません。「すぐ眠れる、ぐっすり眠れる、気持ちよく目覚められる」睡眠が疲労を感じない良い睡眠と言われています。良い睡眠のためには正しい生活習慣が大切です。夜に軽い運動をして寝酒はしない、毎日同じ時間に起きて朝食を摂る、といった行動から始めてみましょう。

適度な休息で仕事の効率化を図る

睡眠不足からくる疲労、疲労によって起こるパフォーマンスの低下。これらはビジネスにおいて判断力や決断力を低下させる一つの要素になりえます。いつでも最高の状態で仕事に臨み最善の選択をしたいのであれば、大切なのは「疲労を予防する」という考え方です。

疲労を感じたから休む、寝不足で昼間も眠いから昼寝をするのではなく、疲れないために休息をとり、睡眠不足にならないようきちんと睡眠をとりましょう。疲労のない体で仕事に取り組むことで、新たな発想が生まれビジネスも新展開を迎えるかもしれません。

短期的な目標をクリアするためであれば、疲労をものともせず、とにかく突き進むという場面が必要なこともあるでしょう。しかし、長期的な目標を掲げた時に、スタートダッシュで燃え尽きてしまうような状態では達成できないことが多々あります。今疲労を抱えているのなら、疲労を回復させましょう。その分、余裕が生まれて、それが伸びしろとなるかもしれません。適度な睡眠と休息で、疲労のない体づくりを目指してみてはいかがでしょうか。(提供:J.Score Style


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