インデックス投資を続けていく中で、投資をしているマーケットの相場が下落する局面も出てきます。その局面でも積み立てを行うことで割安に購入ができ、購入単価も下がっていくのですが、保有資産も目減りしてしまう場合もあるでしょう。また、インデックス投資は「長期保有が原則」ということを頭では分かっていても、保有資産が減っていくのを見るうちに「売却してしまおうか」という考えが頭をよぎることもあるかもしれません。

このように相場が下落している局面でも、できるだけ資産の目減りを抑えていくことが、投資を続けていくうえで精神的にも大切なことです。今回は、相場下落時にも資産を守るために、どのような考え方で運用を行っていけば良いかを解説します。

インデックス投資のおさらい

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(写真=13_Phunkod/Shutterstock.com)

長期分散投資を行う際に活用されるのがインデックスファンドです。最近では、積立NISAやiDeCoの運用商品の中にも多くのファンドがラインナップされています。このインデックスファンドへ定期的に積み立てを行っていくのがインデックス投資です。

インデックスファンドは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、S&P500(米国株式)など、国内・国外のさまざまな市場や金融商品の動きを示す指標・指数(インデックス)に連動した値動きを目指した運用を行うよう商品が構成されています。指標を上回る運用を目指す「アクティブファンド」と比較して信託報酬に違いがあるのが特徴です。

インデックスファンドはアクティブファンドに比べて頻繁に銘柄の組換えが必要ありません。その分、低コストで運用することができます。また、少額から複数の指数に分散投資を行うことが可能です。

さまざまなインデックス商品が存在する

インデックスファンドは国内の株式・債券・REITのほか、先進国の株式・債券、新興国の株式・債券、海外REITといったさまざまな指標に連動した商品があります。また、複数の指標を組み合わせて一つのファンドにした「バランス型」のファンドも押さえておきましょう。バランス型の中でも指標の割合の違いによって、積極的に運用する商品や安定的に運用する商品などに分かれているのが特徴です。ほかにも原油・金や、さまざまな商品(コモディティ)の価格に連動するファンドも存在します。

また、ファンド以外にETF(上場投資信託)にもさまざまなインデックス商品があります。ファンドとの違いは、個別株と同様に取引所で売買されているため、リアルタイムで取引が行える点と売買手数料がかかる点です。ただ、信託報酬はファンドに比べ割安になるケースが多いので、商品や証券会社ごとに違うコストを確認したうえで、ファンドとETFを組み合わせて運用を行っていく必要があります。

相場下落時にも保有資産の減少を抑える

このような複数の指標に連動したインデックスファンド・ETFで定期的に積み立てをすることでリスク分散を図ることが可能です。しかし、アセットアロケーション(資産配分)を考える際に確認しておく必要があるのが資産クラス間の「相関係数」となります。相関係数は1~-1までの数字で表され、2つの資産クラスの相関係数を見た場合、「1に近いほど似た動きをする」「-1に近いほど逆の動きをする」「0に近いほど動きに相関性がない」と考えることができます。

この相関係数が1に近い資産クラスばかり組み合わせて資産配分をしてしまうと、資産全体が同じような動きをするため、相場上昇時には大きく資産が増えるかもしれません。しかし、相場下落時の損失も大きくなってしまう可能性もあります。このようなことを回避するために、保有資産の中にほかの資産とは違う動き・逆の動きをするものを一部組み込むことが重要です。相場上昇時の資産も大きく増えないかわりに、相場下落時の損失も抑えることも期待できます。

また、ETFにはレバレッジ型・インバース型の商品もあります。レバレッジ型は指標の2倍、インバース型は指標の-1~-2倍の動きを目指す商品です。インバース型の商品を一部組み込むことによって、相場下落時の下支えの役割として活用することもできます。このようにほかの資産と別の動きをする商品を意識して組み込むことで、相場下落時にも大幅な損失・資産減少を回避することも可能です。これらを踏まえたうえで、アセットアロケーション(資産配分)を考えるのがおすすめといえます。(提供:相続MEMO


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