2017年1月から20歳以上60歳未満なら基本的に誰でもiDeCo(個人型確定拠出年金・イデコ)に加入できるようになりました。2018年8月には加入者100万人を突破し、注目を浴びているiDeCoですが、iDeCoにはさまざまな手数料がかかることをご存知でしょうか。今一度、iDeCoの手数料について整理しておきましょう。

個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)とは?申込みから運用までの流れ

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(画像=PIXTA)

iDeCoとは、毎月一定額を積み立て、あらかじめ用意された金融商品で運用しながら、自分の年金をつくる制度です。

iDeCoの特徴はなんといっても大きな節税効果があることです。積み立てるときも積み立てたお金を引き出すときも税制が優遇されます。優遇内容は他の金融商品にはないほど大きいので、自分で年金をつくることを考えたなら、iDeCoから始めると良いのではないでしょうか。

申し込みにあたっては、まずは窓口となる金融機関(運営管理機関)に書類請求をします。書類請求はインターネットでできるケースが多く、届いた加入申出書には、住所・氏名・基礎年金番号・掛金を引き落とす口座情報や掛金の額などを記入します。また、会社員の方は、会社に記入、押印してもらう書類があります。

書類を返送してから運用が始まるまでは、1〜2ヵ月かかるので、返送は早めにしておいたほうがよさそうです。

iDeCo(イデコ)でかかる手数料について

iDeCoにはさまざまな手数料がかかります。その中でも、主要な手数料が下記の通りです。

1.初回のみかかる手数料
2.毎月かかる手数料
3.受け取り時にかかる手数料

これらの手数料は、iDeCoの積立金や資産から自動的に差し引かれます。支払先は下記の3つの機関です。

・国民年金基金連合会・・・iDeCoの加入審査などを行うところです
・事務委託先金融機関・・・積立金の管理などを行うところです
・運営管理機関・・・iDeCoの窓口です

手数料の金額は具体的にいくら?

では、1〜3それぞれの手数料の金額、支払先を詳しくみていきましょう。

1.初回のみにかかる手数料
iDeCoに加入するとき、あるいは、企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入していた方が転職などでiDeCoに資産を移換する際に発生する手数料です。 金額:2,777円  支払い先:国民年金基金連合会

2.毎月かかる手数料
・積立をしている方 167円〜約600円/月
・積立を停止している方(運用指図者)64円〜約500円/月

3.受け取り時にかかる手数料
金額:432円/回  支払い先:事務委託先金融機関

運営管理機関(金融機関)によって毎月かかる手数料が異なる

1と3の金額は固定されています。どこの運営管理機関(金融機関)で加入してもこの金額は変わりません。しかし、2のみ運営管理機関(金融機関)によって金額に幅があります。それは、手数料の支払い先が下記のような構成になっているからです。

・積立をしている方
A:国民年金基金連合会 103円
B:事務委託先金融機関 64円
C:運営管理機関    0〜約450円

・積立を停止している方(運用指図者)
B:事務委託先金融機関 64円
C:運営管理機関    0〜約450円

ここでのポイントは、C、運営管理機関(金融機関)の手数料です。毎月のコストに大きく関わるので、手数料は安いほうが良いですね。

4.番外編〜投資信託にかかる手数料〜

今までお伝えした手数料はiDeCoを利用するにあたり、制度上かかる手数料でした。それらとは、別に投資信託にかかる手数料もあります。これは、資産を投資信託で運用するにあたり発生するコストで「信託報酬」と言います。

信託報酬が安い投資信託もあれば、高い投資信託もあります。iDeCoは長期間にわたり資産を運用するので、数%の手数料でも何十年も運用していると、数十万円にも膨らみます。信託報酬率は運営管理機関のサイトなどに必ず記載されているので、運用商品を選ぶ際には、しっかりチェックしておきましょう。

iDeCo(イデコ)をはじめるのにおすすめの金融機関6選

iDeCoをはじめる際の運営管理機関の選び方ですが、毎月の手数料が安い運営管理機関を選ぶのがおすすめです。運営管理機関の手数料の最安値はゼロ円、つまり、毎月のコストは167円のみです。2018年10月現在、誰でも手数料が167円の運営管理機関は下記の6社です。

SBI証券(取扱商品数34〜35本)

2018年11月より取扱商品に新プランが設定され、2つのプランから選ぶことになりました。コストや運用実績など総合的に判断し決定されたオリジナルプラン(取扱商品数35本)、低コストと多様性にこだわったセレクトプラン(取扱商品数34本)、いずれかのプランを選択することになります。運用商品の品揃えは、6社の中で最多です。

楽天証券(取扱商品数32本)

LINEでiDeCoの質問に回答してくれるサポートサービスがあります。24時間365日、いつでも質問ができ、AIチャットが回答してくれます。運用商品の品揃えも十分です。

マネックス証券(取扱商品数23本)

iDeCo専用のロボアドバイザーによるサポートがあります。ロボアドバイザーがおすすめする運用プランの信託報酬率は0.15%とかなりの低コストです。

松井証券(取扱商品数12本)

iDeCoの運用方法や運用商品選びにあたって、専門家による解説ページがあり参考になります。取扱商品の信託報酬は最安クラスです。

イオン銀行(取扱商品数24本)

イオン銀行の店舗とインターネットで申し込みが可能で、コールセンターの対応も土日祝日対応しています。運用商品の提案から運用後のメンテナンスまでサポートしてくれるツールがあります。

大和証券(取扱商品数22本)

「iDeCo投資スタイルナビ」というツールが自分にあった投資スタイルを診断してくれます。また、iDeCoを学べる動画コンテンツがあり、理解を深めることができます。申し込みはインターネットのほか大和証券の店舗でも可能です。

※取扱商品数は2018年11月時点の情報です。

iDeCo(イデコ)を始めるときには手数料をしっかりチェック

iDeCoの手数料は、運営管理機関によって大きく異なります。コストは重要なポイントなので、見落とすことがないよう最初にしっかり調べて申し込む運営管理機関を決めましょう。

文・前田菜緒(CFP・1級ファイナンシャルプランナー)/ fuelle

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