みなさんこんにちは。
相続税専門の税理士法人トゥモローズです。

名義預金として否認されない生前贈与のやり方! 4つの掟にも記載したように、生前贈与は、契約を成立させることが非常に重要となります。手続き面以前の大前提として、贈与契約を成立させるためには、あげる方(贈与者)ともらう方(受贈者)の双方に意思能力が必要となります。意思能力とは、自己の行為の結果を判断することができる能力をいい、この意思能力がない者が行った贈与は無効とされます。今回は、意思能力の有無が問われる事例別に解説していきます。

1. 乳児・幼児に対する贈与

おばあちゃんは、生まれたばかりの孫が可愛くて色々と物をあげたくなります。そのような気持ちを相続税対策に活かす人も多いと思いますが、このような意思能力のない孫に対する贈与は有効でしょうか?ちなみに、一般的には10歳くらいまでは意思能力は備わっていないと言われています。
結論から申し上げると、赤ちゃんに対する贈与であっても有効に成立します。
その赤ちゃんの親である法定代理人が意思能力のない赤ちゃんの代わりに、贈与契約をすれば良いのです。
この場合にもちゃんと贈与契約書を作成し、贈与者(祖父母)と受贈者の法定代理人(父母)の自署押印を忘れないようにしましょう。

2. 認知症の人からの贈与

認知症になってしまうと一定の法律行為が制限されてしまいます。また、重度の認知症の場合には、成年後見人を立てないと法律行為ができません。
それでは、このような認知症の人からの贈与を受けることはできるのでしょうか?
結論としては、原則としてNGです。
認知症患者は法律行為が制限されていますので、贈与という法律行為も有効に成立しません。また、成年後見人を立てていたとしても認知症患者の財産を減らす行為である贈与については、家庭裁判所からその贈与を取り消される可能性が高いでしょう。
なお、認知症にも症状に個人差がありますので、「認知症=贈与無効」とはならずに、事例によって個別判断していくことになります。(提供:税理士法人トゥモローズ)