12月はボーナスのシーズンです。普段は手を出すのを我慢している服や趣味のための道具などを、お金をあまり気にせずに買える機会ですが、急に懐が温かくなったからといって羽目を外していると後悔することになります。贅沢三昧の暮らしになって、余計な支出が増えてしまう人が目立つものです。
もちろんボーナスは、自分や家族、ローンの返済などに使っていいものですが、何に使ったかわからないうちにお金がなくなってしまったという事態は避けたいものです。だからこそ、まとまった資金であるボーナスは計画を立てて使う必要があります。ここからはボーナスの無駄にしない使い方について紹介しましょう。
ボーナスをムダにしないコツ それはお金をすべて貯蓄用の口座に移すこと
ボーナスを受け取ったら、給与口座にそのままおいておかず、まずは貯蓄用の別口座に移すことをオススメします。給与口座と一緒にしてしまうと、残高を見たときに「生活費に余裕がある」という間違った認識におちいりがちです。そしてこれが、ボーナスがいつの間にかなくなっていた人症候群の原因となるでしょう。間違った感覚のまま過ごして、普段より贅沢な食事やショッピングなどをしているうちに、いつの間にかお金がなくなっていたというわけです。
手取りが20万円で月々5万円の貯蓄できている人、つまり1ヵ月15万円で家計をやりくりできている人がボーナスをそのまま給与口座に置きっぱなしにして、その月だけ支出を25万円、30万円と上げてしまうと、いつの間にかお金がなくなっていた事態になる可能性のほか、もとの生活水準に戻すために苦労することもありえるのです。
ボーナスはあくまでも「ボーナス」ということを忘れずに
ボーナスはあくまで「特別手当て」です。会社の業績に左右されるもので、給料のようにある程度、決まった額が支給されるものではないということを改めて意識しておきましょう。また、「月々の貯蓄ができなくても、ボーナスで埋め合わせできるから大丈夫」という皮算用も避けたい考えです。できれば貯蓄は毎月、地道に行ったほうがいいでしょう。
ボーナスで自動車ローンや住宅ローンなど、大きな支払いをする人もいますが、もし会社の業績によってボーナスが大幅に少なくなった場合、貯蓄を切り崩すことにもなりかねません。貯蓄だけならまだしも、終身保険や個人年金保険など、早期に解約すると損をするのがわかっていながら、解約せざるを得ない可能性もあります。
ボーナスで自動車ローンや住宅ローンなどを払うこと自体は間違ってはいませんが、あくまでボーナスは不確定な収入ですから、この機会にローンを見直してみてもいいでしょう。また住宅ローンは、ある程度まとまったお金ができたら、繰り上げ返済するといった選択肢もあります。
ボーナスの使い方はそれぞれでいいが、計画性が重要
ボーナスの使い道は、家計の状況によってそれぞれですが、ボーナスを別口座に移したら、そのなかから何割を将来のためのお金にし、何割を自由に使うかを決めておきましょう。お金は計画的に貯め、、資産を増やしていくことが重要です。
現在、ローンがある人は、まずは滞りなく支払いを済ませることを優先させ、残ったお金で使うお金と貯蓄や投資する割合を考えましょう。あるいは、貯蓄が少ない人は、まずは貯蓄にお金をまわすことも大切です。病気やリストラなど「万が一」の状況もあり得ますから、月々の手取りの6ヵ月分程度は、緊急予備資金として手元においておく必要があります。「全国健康保険協会 現金給付受給者状況調査(平成28年度)」によると、会社員が業務外の病気や怪我で会社を休んだ平均日数は164日(5.5ヵ月) です。病気や怪我で仕事に行けなくなっても、多くの人が半年以内に復帰していることから、手取りの6ヵ月分程度はすぐに引き出せるお金として用意しておいたほうがいいでしょう。
緊急予備資金があるという人であれば、投資もおすすめです。投資というとまとまったお金が必要だと思っている人も多いようですが、現在は1万円前後から始められる投資信託(ファンド)もあります。投資の専門的知識を持つプロがファンドの投資方針に基づいた上で投資家に代わって運用してくれるので、誰でも気軽に投資を始めることができるといえます。
これからの資産形成は「使い道」をコントロールすることがポイント
定期的な収入は生活費に、ボーナスはご褒美に使ってしまう傾向は確かにあります。臨時収入であるボーナスを自分や家族の「楽しみ」に使うことも必要ですが、ボーナスの使い方をコントロールすることで、資産形成に大きな違いを生むこともできます。上手に使うことができれば、上手に貯蓄もできますし、これまで踏み出せずにいた投資も資産形成の一つとして考えることができるのです。もし、今までのボーナスを何に使ったのか思い出せない場合は、今回のボーナスから、使い道の予定を考えてみてはいかがでしょうか。
(提供:フィデリティ投信)