ある程度、安定した収入があり、それなりに節約をしているつもりでも、1年が終わってみると全然貯蓄ができていなかった、という経験はないでしょうか。多くの人が将来のためにお金を貯めておこうと思ってはいるものの、1年中、貯蓄への高いモチベーションを維持することは難しいでしょう。

季節によって財布のひもが緩むこともありますし、1週間というスパンでも、疲れた日にはストレス発散のためにお金を使ってしまうこともあります。このように、だれにでもお金を使いたくなる日はありますが、それでもお金をしっかりと貯めている人がいるのも事実です。今回は、お金を貯められる人のコツを紹介しましょう。

お金が貯められる人は、先取り貯蓄で確実にお金を貯めている

お金
(画像=PIXTA)

まず、お金が貯められない多くの人は、支出をギリギリまで削り、余ったお金を貯蓄しようと考えます。「収入-支出=貯蓄」という考え方です。しかし、お金を貯められる人は、まず貯蓄分を先取りし、余ったお金で生活します。つまり「収入-貯蓄=支出」と考えるのです。

貯蓄の先取りを実践するためには、会社の給与天引き制度や金融機関の自動積立などが有効です。給料日の直後に別口座にお金が振り込まれるように手続きしておくといいでしょう。

また、クレジットカードは計画を立てて使うことも大切です。せっかく貯蓄分を先取りして残りの金額で生活しても、立て替え払いのクレジットカードを無計画に使っては、先取り貯蓄の意味がなくなってしまうことがあります。

クレジットカードの支払いが5万円、10万円とあると、そのお金や足りなくなった生活費を補おうと、先取り貯蓄を使いかねません。また、クレジットカードで支出を先送りする点も要注意ポイントです。翌月の生活費を先に使ってしまうことになります。

貯蓄はダイエットと一緒!ストレス高が結局、お金を使ってしまう原因に

お金を貯められない人が「できるだけ多く貯蓄をしよう」と考えるのに対し、お金を貯められる人は「3ヵ月間、毎月5万円を貯める!」など、目標をきちんと決めていることもポイントです。できるだけ多く貯蓄しようとした場合、はじめの1〜2ヵ月は8万円、10万円と、頑張って貯蓄をすることができますが、無理は続きません。3ヵ月目になると貯蓄できる額が減っていき、半年も経つと元の生活に戻ってしまうことがあるのです。

さらに、「できるだけ貯蓄する」というスタンスは、金額が決まっていないため支出を無理に削減しがちになります。ご褒美に買っていたスイーツや、友人との交際費など、今までストレス解消に一役買っていた支出も無理に削り、結果として逆にストレスを溜め込んで衝動買いを引き起こす、という状況を作り出す可能性も大いにあります。

その点、お金が貯められる人が実践している、月々○万円という無理のない設定金額の貯蓄なら、不要な項目を削ったらあとは自由に使えるので、ゆとりを持ちながらお金を貯めていくことができます。

貯蓄上手はお金の使い方も上手

お金が貯められる人は、お金を使うのも上手といえるでしょう。貯蓄上手は、できるだけ「心の栄養になるもの・こと」×「将来のためになるもの・こと」からお金を使っているのです。2つの要素のうち1つしか含まないものについては、お金を使う前にそれが本当に有効なのかじっくりと考え、2つの要素を満たさないものについてはお金を使うのを諦めたりもします。つまり、支出に優先順位をつけて生活をしているのです。自分でルールやシステムを作っておくことは、予算内で生活をすることにもつながっていくことでしょう。

お金を貯めようと決意しても、気分や環境によって、その意思が揺らぐ日が必ずあります。まずは、その意思が揺らぐ日があるということを自覚した上で、そのとき無駄遣いしないようなシステム作りをしましょう。その後、貯蓄がある程度できるようになったら、単に貯めるだけでなく一部を投資にまわして、お金に働いてもらうのもいいでしょう。

(提供:フィデリティ投信