(本記事は、新井直之氏の著書『超一流、二流、三流の休み方』あさ出版、2018年9月19日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

休暇時の電話対応

超一流、二流、三流の休み方
(画像=Dasha Petrenko/Shutterstock.com)

仕事はつねに動いていて、状況は刻一刻と変わります。

完璧に段取りをつけて休暇に入っても、突発事項が起こったり、お客様から問い合わせが来ることもあります。

そんなとき、みなさんはどのような対応をするでしょうか。

おそらく、「本日お休みをいただいておりますので、休み明けの朝一番に対応いたします」という方が多いかもしれません。

一見、模範解答に思えますが、じつはこれ、三流の対応です。

なぜなら、お問い合わせくださったお客様に、何も応えていないからです。

言葉遣いは丁寧でも、「休暇中なので連絡してこないで」と宣言しているようなものです。

それに対して、二流はたとえ休暇中でもきちんと対応します。

対応をしているのに「超一流」と言えないのは、「休暇中」であることを伝えてしまうからです。

二流・三流は、休暇を「権利」ととらえています。

普段は、会社のために時間と労力を使っているのだから、与えられた権利である休暇中にまで働く義務はないと考えています。いちいち対応してしまうと、休暇がなくなってしまうという不安が「休暇中です」という言葉に表れるのです。

しかし、これは雇用されている人の発想です。

もし個人事業主のように、「自分の仕事、自分のお客様」という意識を持っていたら、お客様との接点を自ら断ち切ってしまうことはしないでしょう。

超一流は、迷うことなく「仕事中です」と答えます。

海外リゾート地でくつろいでいても、ゴルフのラウンド中であっても、休んでいることはおくびにも出さず、いつも通りに対応します。相手は自分のお客様であり、これが自分の仕事であるというプロ意識を持っているのです。

彼らは不測の事態が起こっていることを知らなかったり、他人に判断や対応を任せてしまっているのをイヤがります。何が起こっているのか把握できなければ、逆に仕事のことばかり気になってしまいます。

これは、携帯電話を忘れて外出してしまったときと似ています。

何か急な用件や、重要な連絡が入っているのではないかと、落ち着かない気持ちでソワソワするのと同じです。精神衛生上よろしくありません。

超一流にとって、休暇中の対応は、決して面倒なことではないのです。

自分の預かり知らぬところで物事が動くくらいなら、多少手間がかかっても、自分で対応したほうが状況をコントロールできますし、精神的にも安心できる。

小さな手間で、安定したパフォーマンスを維持することができるのです。

三流:「休みなので…」と断る
二流:「休みですが…」と対応する
超一流:「仕事中です!」とウソをつく

──精神衛生的に気が休まる判断をしよう

仕事の効率化

多くの会社が残業を減らそうと動いています。

就業時間を過ぎると、強制的に照明が落とされたり、上司から早く帰るようにけしかけられるという話も聞きます。

ただ、私の知る限りでは、「人員が増えたわけでも、仕事量が減ったわけでもないので、残業ができないのは困る」という方もいます。

しっかり働き、ゆっくり休むというメリハリのある生活を送るには、効率良く仕事を進める方法を考えなければいけません。

一般的には行動計画表などをつくってスケジュールを管理しようとしますが、人によっては、資料づくりが目的になって満足してしまいます。ただでさえ忙しいのに、余計な仕事を増やすのは本末転倒。これは三流の対策です。

二流になると「残業できないなら、朝早くから仕事をしよう」と考えます。

ただし、残業を減らすために働く時間を増やすというのは、あまり意味がありません。労働時間が変わらないと、トータルの休める時間は増えないからです。

では、超一流はどうするのでしょうか。

超一流は、仕事を他人に振ってしまいます。

「自分にしかできない仕事をやる」というスタンスで、どんどん他人に仕事を振っていくので、仕事の量が減り、休める余裕ができるのです。

たとえば、企画の内容は自分で考えて、プレゼンテーション資料の作成は部下に頼む。経費精算などの事務作業は秘書に任せる。秘書がいない人は、外部の秘書サービスを自腹で頼んだり、家族に任せる……。

もちろんこれは、単に自分がラクをしたいから、という理由ではありません。

自分がいなくても、仕事が回る仕組みをつくりたいというのが本音です。

私のお客様に、オーナー企業の経営者がいます。

自分で立ち上げた会社ですから、トップの責任として、自分が率先して動くべきだとあちこち奔走していたそうです。ところが、忙しさに追われて病に倒れ、死を意識した瞬間、「ここで自分が死んだら社員5000人が路頭に迷う。いまのままではいけない」と感じたそうです。

幸いにもカラダが回復し、経営の現場に戻ることができましたが、それ以来、自分がいつ死んでもいいように、どんどん社員に仕事を振るようになりました。

すると、自分が本当に重要な仕事だけに専念できるようになり、以前よりもパフォーマンスが高まっただけでなく、時間的な余裕が生まれ、健康的な生活を送れるようになったというのです。

若いうちはいろいろな経験を積むのも良いですが、いつまでも仕事を抱え込んでしまうと、自分の首を絞めることになってしまいます。

「ここで自分が死んでも仕事は回っていくか」という視点で、つねに自分の仕事を見直してください。

仕事を手放すとは、自分にしかできない仕事に力を注ぐということなのです。

三流:結果的に余計な仕事を増やす
二流:朝早く出勤して仕事を減らす
超一流:どんどん他人に仕事を振る

──つねに抱え込まない、それも休むコツ

超一流、二流、三流の休み方
新井直之(あらい・なおゆき)
日本バトラー&コンシェルジュ株式会社代表取締役社長大学卒業後、米国企業日本法人勤務を経て、日本バトラー&コンシェルジュ株式会社を設立。フォーブス誌世界大富豪ランキングトップ10に入る大富豪、日本国内外の超富裕層を顧客に持つ同社の代表を務める傍ら、企業向けに富裕層ビジネス、顧客満足度向上、ホスピタリティに関する講演、研修、コンサルティング、アドバイザリー業務を行なっている。

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