株式投資を始めるには、まず証券会社に口座を開設する必要がある。口座開設にあたっては、いろいろな書類を用意して提示する必要があるのでは?と心配する人もいるだろう。今回は実際の口座開設に必要な書類と取引開始までの日数を解説する。

証券会社で口座開設するにはマイナンバーと本人確認書類を用意

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(画像=Rawpixel.com/ Shutterstock.com)

証券会社の口座開設は実はとてもシンプルだ。手元にマイナンバーが記載されている個人番号カードがあれば、顔写真付きの本人確認書類としても機能するため、必要書類はその1点だけで済むことが多い。顔写真のある表面とマイナンバーが記載されている裏面の両方を撮影・スキャン、またはコピーすることを忘れないでほしい。

マイナンバー通知カードがある場合は、本人の氏名・生年月日・住所が確認できる本人確認書類の添付が必要になる。運転免許証のような顔写真付き本人確認書類であれば1点、または顔写真が付いていない本人確認書類なら2点そろえば手続きが完了できる。

本人確認書類としては、運転免許証のほか、健康保険証・住民票の写し・印鑑登録証明書・パスポート・在留カード・特別永住者証明書・住民基本台帳カードのいずれかの書類が使用できる。いずれの書類も、氏名・生年月日・住所がはっきり読み取れるかチェックしてから提示しなければならない。

以下に、主要なネット証券会社5社(SBI証券・カブドットコム証券・松井証券・マネックス証券・楽天証券)で口座開設する際に提示する必要がある書類を紹介する。証券会社間で若干の違いがあるので、ネット証券会社選びの参考にしてほしい。

主要ネット証券会社別 口座開設手続き時の提示必要書類一覧
SBI証券 カブドットコム証券 松井証券 マネックス証券 楽天証券
個人番号カードを提示する場合 個人番号カードのみ 個人番号カードのみ 個人番号カードのみ 運転免許証 写真付き本人確認書類1点、または写真なし本人確認書類2点
通知カードを提示する場合
運転免許証 写真付き本人確認書類1点、または写真なし本人確認書類2点 写真付き本人確認書類1点、または写真なし本人確認書類2点 運転免許証 写真付き本人確認書類1点、または写真なし本人確認書類2点

※上記一覧表は、掲載証券会社ホームページを参照ならびに口座開設サポートコールセンターなどに電話確認の上、執筆者が作成。
※マネックス証券では、運転免許証で本人確認を行うため、個人番号カードを提示する場合でも、運転免許証の提示が必要。
※楽天証券では、先に本人確認書類を提示して手続きを完了する。その後郵送で届く「ログイン情報のお知らせ」に従って初期設定してからマイナンバーを提示する。

ネット証券会社の主流はオンラインによる口座開設手続き 郵送による口座開設も可能

店舗型の証券会社であれば、店舗を直接訪問して、口座開設申込書を記入するのが一般的だ。一方のネット証券会社では、各社のホームページにアクセスし、「口座開設」ボタンを押すと、口座開設の手引きや口座開設申込フォームに飛ぶことができる。あとは指示に従って必要事項を入力し、自分に合った方法でマイナンバーや本人確認書類を提示するだけだ。署名・捺印の必要もない。

ネット証券会社のオンライン口座開設手続きは、一般的には30分程度の時間を要する。現在では、SBI証券やカブドットコム証券といった一部ネット証券で、本人確認書類などのアップロード画像から氏名・住所等の個人情報を自動取得できるため、入力の手間と時間を省くことができるようになっている。入力の手間が惜しい人は検討してみるとよいだろう。

パソコンの扱いが苦手という人には、従来通り、口座開設申込書とマイナンバー書類・本人確認書類を同封して郵送する方法もある。主要ネット証券会社では郵送による口座開設も選択できる。電話か申込フォームで口座開設キットの送付を依頼して、必要書類を返送し、開設通知を受け取ったら取り引きを開始できる。

ネット証券最多の口座数を誇るSBI証券では、オンラインで口座開設手続きをしながら、マイナンバー確認書類や本人確認書類のコピーだけを郵送する、または画像をメールに添付して送ることも可能だ。口座開設手続きの時点で個人番号カードや通知カードが手元になくても、口座開設手続きを進めておいて後日必要書類を郵送すればよいので、ロスタイムが少なくて済む。

マネックス証券のペーパーレス口座開設では、本人確認を運転免許証で行っているため、運転免許証を持っていない場合は郵送による口座開設となる。

申込手続きから取引開始までの日数は?

全般的にオンラインでの口座開設は取引開始までの期間を短縮できる。同じオンラインによる口座開設でも、証券会社によって取引開始までにかかる日数に多少の違いがあるので、下表を参考にしてほしい。

マイナンバーの提示などをアップロードで行うと、その場で口座開設手続き自体は完了する。証券会社によっては、口座開設手続きの完了で証券会社サイトにログインできるようになるため、「翌営業日から取引可能」と書かれていることもある。しかし、実際の取引開始は、証券会社から本人限定受取郵便で届く「口座開設手続き完了のお知らせ/開設通知」を受け取り、ログインIDやパスワードを入力してからになることを覚えておいてほしい。

なお、カブドットコム証券の「SMART証券口座開設」では、個人番号カードをスマートフォンで読み取るNFC機能(一部のAndroid端末対応)を使って、取引開始までの日数を短縮できる。口座開設手続き後約4営業日目に証券会社からメールで口座番号を通知されたら取引可能になる。従来のように、本人限定郵便で郵送されるログイン情報を待たなくてもよいので急いでいる人には向いているといえる。

主要ネット証券会社別 口座開設手続きから取引開始までの最短日数一覧
SBI証券 カブドットコム証券 松井証券 マネックス証券 楽天証券
最短での口座開設サービス EXPRESS口座開設 SMART証券口座開設(専用アプリ) インターネットでの口座開設 電子アップロード ペーパーレス口座開設 オンラインでの口座開設
取引開始までの最短日数 約4営業日目 約4営業日目 1週間程度 約4営業日目 1週間程度 1週間程度

※上記一覧表は、掲載証券会社ホームページを参照ならびに口座開設サポートコールセンターなどに電話確認の上、執筆者が作成。

証券総合口座とNISA口座、同時開設で手間を省ける

初めての証券総合口座開設という場合は、NISA口座の同時開設をしてみてはいかがだろうか。

NISAは、国内上場株式の売買手数料無料や低コストの株式投資信託、対象国の海外ETF買付手数料無料など、低いコストで投資ができる少額投資非課税制度だ。譲渡益や配当金が年間120万円まで非課税になる期間が5年間継続し、非課税枠が計600万円になる。

つみたてNISAは積立投資信託を対象とした売買手数料無料の少額投資非課税制度だ。年間非課税枠は40万円、最長20年間で計800万円までの積立投資信託が非課税になる。

NISAとつみたてNISAは、1年間ごとにいずれかを選択して運用する仕組みだが、どちらも扱いやすい銘柄や低コスト、少額からの投資が可能なので、投資初心者が利用しやすい手軽な制度だ。ただし、どちらも専用のNISA口座で運用する必要があり、NISA口座を開設する際には税務署の審査に2週間程度の時間がかかる。そのため、証券総合口座開設時にNISA口座で運用する予定がなくても、証券総合口座とNISA口座の開設手続きを同時に進めておくと、思い立った時にNISA・つみたてNISAを始められるので便利だ。証券会社に株式投資のための口座の開設を考えているならば、NISA口座も同時に開設して、近い将来の投資運用の選択肢を増やすのもよいのではないだろうか。

文・近藤真理(フリーライター)/MONEY TIMES

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