2018年も残すところあと1週間あまりとなりました。米中貿易摩擦等を背景に、株式市場の世界的な不振が続いています。日経平均株価は12/21(金)まで4営業日続落となり、2万円大台のキープが「風前のともしび」となっています。

まさに激動の中で新年を迎えることになりそうですが、2019年はどのような年になるのでしょうか。一般的に新年の相場では、その年に話題となる「相場テーマ」の銘柄が注目されやすいと考えられます。そこで「日本株投資戦略」では今回、2019年相場で注目されるとみられる「相場テーマ」の中から「人生100年」をチョイスし、それに関連した銘柄をご紹介したいと思います。

日経平均株価は下落していますが、テクニカル指標では下げ過ぎを示唆する材料が増えており、予想PERが「アベノミクス相場」で最低水準まで低下するなど割安感も強まっています。日経平均株価が2万円前後の水準まで下落したことで、短期的にはボトム圏に接近している可能性もありそうです。現在の株価下落局面は、「人生100年」関連銘柄にとっても買い好機になるかもしれません。

2019年相場で活躍期待の「人生100年」関連銘柄はコチラ!?

日本株投資戦略,投資チャンス到来銘柄
(画像=PIXTA)

「人生100年」という言葉を急に数多く聞くようになったと思います。本年2/16(金)、政府が推進すべき基本的かつ総合的な高齢社会対策の指針として「高齢社会対策大綱」が閣議決定され、「人生100年」への対応が「国策」になったことが大きく影響していると考えられます。

「人生100年」については、『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』を執筆したリンダ・グラットン氏の考え方が大きく影響していると考えられます。「長寿化により、引退後に余生を楽しむという人生は終わる、そしてそれはポジティブな変化だ」ということでもあります。過去200年、世界では人間の寿命が10年ごとに2年ずつ伸びているのだそうです。「高齢化」というと、年金制度への影響等からネガティブな見方もありますが、多くの人が健やかで生産的に生きていくことに変えることで、前向きなものにすることができそうです。老化はもうすぐ「治療できる病気」になるのだそうです。

「日本株投資戦略」では、当社の銘柄検索ツールを使い、「高齢化」、「資格取得」、「終活」、「フィットネス」、「介護」、「生活習慣病」、「アンチエイジング」等のキーワードを入力し、「人生100年」銘柄の母集団を作成しました。そうした銘柄の中から、

(1)東証1部・2部に上場する銘柄であること
(2)今期の予想営業利益が増益予想(会社予想)であること
(3)今期の予想営業利益(会社予想)が10億円以上であること

といった条件をすべて満たす銘柄を、今期予想増益率の高い順に10銘柄ご紹介したものが表1となります。これらの「人生100年」銘柄が2019年相場の主役の一つになる可能性は十分あると考えられます。

2019年相場で活躍期待の「人生100年」関連銘柄(例)
(画像=SBI証券)

表1:2019年相場で活躍期待の「人生100年」関連銘柄(例)
取引 / チャート / ポートフォリオ / コード / 銘柄名 / 株価(12/21) / 騰落率(10/2~) / 今期予想増益率 / ポイント
<6788> / 日本トリム / 5,790 / -1.2% / 51.9% / 胃腸に効能の電解水素水
<4921> / ファンケル / 2,735 / 1.5% / 44.4% / 化粧品・栄養補助食品
<2749> / JPホールディングス / 244 / -22.0% / 41.7% / 子育て支援が中心
<6099> / エラン / 2,603 / -20.5% / 36.9% / 介護施設等で身の回り品貸出
<4911> / 資生堂 / 6,684 / -23.0% / 36.8% / アンチエイジング
<8798> / アドバンスクリエイト / 1,794 / -28.3% / 30.9% / 生損保販売代理店
<6539> / MS-Japan / 1,351 / -39.4% / 29.1% / 士業等を専門に人材紹介
<6062> / チャーム・ケア・コーポレーション / 1,192 / -32.8% / 28.1% / 介護付き有料老人ホーム
<3284> / フージャースホールディングス / 599 / -10.6% / 25.7% / スポーツクラブにも展開
<2170> / リンクアンドモチベーション / 819 / -40.3% / 22.4% / コンサル、資格取得教室

※当社WEBサイト、各種報道等をもとにSBI証券が作成。「会社予想増益率」は会社予想営業利益の前年度比増加率。「人生100年」のテーマに関連するすべての銘柄をご紹介したものではありません。なお、業績データは12/20(木)現在です。

「国策」としての高齢社会対応

本年2/16(金)に閣議決定された「高齢社会対策大綱」は1995年に制定された「高齢社会対策基本法」を根拠とし、それを改訂するという形で取りまとめられました。高齢化に伴う社会的課題に対応し、全ての世代が満ち足りた人生を送ることのできる環境をつくることが目的です。

基本的な施策としては、

(1)就業・所得・・・・エイジレスに働ける社会の実現に向けた環境整備、公的年金制度の安定的運用他
(2)健康・福祉・・・・・健康づくりの推進、持続的介護保険制度の運営、介護サービスの充実、認知症支援他
(3)学習・社会参加・・・・・学習活動の促進、社会参加活動の促進他
(4)生活環境・・・・豊かで安定した住生活確保、高齢化社会に適したまちづくり、成年後見制度の利用促進他
(5)研究開発・国際社会への貢献等・・・・介護ロボット等先進技術の活用、無人自動運転移動サービス他 (6)全ての世代の活躍推進

等があげられています。これらのために、高齢者の就労率を高めたり、テレワーカーの割合を高めたり、介護制度の充実を図ったり、高齢者の保護を図ったりすることになります。

株式市場では2018年、鎌倉新書(6184)が大きく上昇しましたが、「人生100年関連」銘柄の先駆的な存在であったのかもしれません。ただ、同銘柄の予想PERは134倍(会社予想ベース)まで上昇しており、織り込みはだいぶ進んだと考えられます。表1に掲げた「人生100年」関連銘柄はあくまでも「例」としてお考えください。新興市場の関連銘柄については「新興株ウィークリー」等でもご紹介する予定です

図1:鎌倉新書(6184)・週足

鎌倉新書(6184)・週足

図2:資生堂(4911)・週足

資生堂(4911)・週足
※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。図1・図2ともに銘柄の推奨を意図したものではありません。(画像=SBI証券)

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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鈴木英之
SBI証券 投資調査部

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