投資の代表格といえば「株式」だろう。現在では、国債やREIT・FXなど投資対象や投資方法が多様化している。さまざまな選択肢の中から株式投資を選ぶメリットとは何か、またその仕組みとは?初めての投資に役立つ株式投資の情報を紹介する。

「株式投資」の仕組みを簡単に解説

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(画像=violetkaipa/Shutterstock.com)

株式投資とは、大まかにいえば「株式」を東京証券取引所などに上場させている企業が発行する株を投資家が売買して売却益を得る、または保有することで配当金や株主優待などの利益を得る資産運用の方法だ。

投資家が株式を購入した資金は株式の発行体である株式会社の事業運転資金となり、それを元手に活動することで企業は成長し、利益を上げることができる。このようにして得られた利益は株主である投資家に配当金などの形で還元される。株主と企業、双方にとってプラスになるのが株式投資本来の姿であり目的だといえる。

投資家として株式投資で利益を上げること以外に注目したいのは、株式を購入した株主には株式会社の出資者としての権利が発生する点だ。株主は株主総会に出席し、発言したり重要な決議に投票したりすることで企業の経営に参加できる。この権利が「議決権」と呼ばれるものだ。議決権は株式を単位株以上保有することで得られる。もう一つの重要な権利が「剰余金配当請求権」、つまり「分配を受ける権利」であり、これが配当金の分配に相当する。その他にも、株主は、企業が解散した時に残った財産の分配を受ける権利である「残余財産分配請求権」を有する。

実際の株式購入の流れとしては、証券会社を通して、証券取引所で売買されている株式の売買注文を出し、取引が成立すれば株式を購入または売却することになる。証券会社に対しては仲介料としての取引手数料などを上乗せして購入代金を受け渡す、あるいは取引手数料などを差し引いた売却金額を証券会社から受け取る。

株式投資以外にもある多様な投資対象・手法 REITやETFなど

現在では、株式投資以外にも、さまざまな投資対象や投資手法が見られるようになった。主要証券会社では多様な金融商品を取り扱っており、あらゆるレベルの投資家のニーズに応えている。以下に現物株式以外の投資対象や投資手法を採用した金融商品を紹介するので、株式投資との違いを確認してほしい。

さまざまな金融商品

金融商品名 内容
REIT 不動産のプロが運用する不動産対象の投資信託
ETF 取引所に上場している投資信託
債券 国が発行する国債や企業が発行する円貨建社債または外貨建債券
投資信託 株式や債券などに分散投資してプロが運用する
FX 証拠金をもとにレバレッジを効かせて異なる通貨を売買する外国為替証拠金取引(外国為替保証金取引とも言う、通称FX)
先物取引 定められた将来の期日で日経225やTOPIXなどの株価指数を取引する
オプション取引 将来の決められた期日に決められた価格で対象の資産を買付または売付する権利を売買する
CFD 日経225や主要海外株価指数、原油や金といった商品に円建てで証拠金取引をする
eワラント さまざまな対象原資産のオプションを証券化した金融商品
金・銀・プラチナ 地金やコイン・積立などの形で実物資産に投資する

※上記一覧は、SBI証券ホームページの商品説明をもとに、執筆者が作成

株式投資のメリット3つ 値上がり益・配当金・株主優待

株式投資のメリットといえばやはり、値上がり益・配当金・株主優待の3つだろう。これらは上場株式に投資した株主だからこそ得られる旨味であり、数ある投資手法の中から株式投資を選ぶ最大の理由だ。

1、「値上がり益」――購入時と売却時の差額

値上がり益とは、株価が上昇して株式を売却する時の株価と購入時の株価の差額のこと。株式投資本来の目的は、企業としての成長が見込める上場会社の株式を割安に購入して、株価が上がり切ったところで株式を売却して値上がり益を確保することだ。値上がり益を得ながら、企業の成長を直接後押しができるという社会的意義もある点が、ほかの投資手法と大きく違っている。

2、「配当金」――起業から株主への利益還元

年に1回または2回受け取ることができる配当金は、利益が出ている企業の株主に対する利益還元策であり、銀行預金の利子に相当する利益だ。業績が好調な企業は株価が上昇する見込みがあるだけでなく、配当金の配分も多くなる。まずは業績が伸びている企業を洗い出すことが、株式投資で利益を上げるための最重要課題だといっても過言ではない。

3、株主優待――投資家が受け取れるおトクな特典

株主優待は株式を保有する株主へのお礼やオリジナルブランドのプロモーションの意味をもつ制度であり、企業の業績とは直接的な関係はない。株主優待制度を設けていない企業も多い。しかし、株主優待の内容によっては、株式を保有しているだけで企業のオリジナル製品や優遇サービス・お得な割引券を受け取れるのでかなりのメリットがある。値上がり益や配当金ではなく、株主優待を当て込んだ株式投資も一つの投資スタイルとして近年人気がある。

投資初心者は仕組みが分かりやすい株式投資から

FX・先物・オプション取引・CFDといった一部の金融商品はレバレッジを効かせた証拠金取引だ。少ない資金で大きな金額の取引ができるのが特徴だが、投資した金額以上の損失が出るリスクもあるので、相場観がなく知識が不十分な投資初心者には適さない。

一方、株式投資は利益が上がる仕組みが分かりやすく、現物で取引を行っておけば、株価が下落した場合の損失額も限定的だ。じっくりと企業分析する機会を持てる意味からも投資初心者に適した投資方法といえるだろう。

文・近藤真理(フリーライター)/MONEY TIMES

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