ZUU online上にて、『NET MONEY』2019年3月号より一部を特別公開!
個人投資家に人気の高配当&株主優待。資産家の中には、優待をゲットしながら、配当金だけで生活しているツワモノもいるという。ただ、値ごろ感やお得感だけでの銘柄選びはとても危険だ。
うまくいけば、2つの果実をゲット!
株式投資には、株の値上がり益(キャピタルゲイン)で利益を狙う方法と、配当や株主優待といった「インカムゲイン」で利益をゲットする方法がある。配当や優待は株価の動きに関係なく、基本的に株主に与えられる権利だ。もちろん、高配当や優待をゲットしても株価自体が値下がりしてしまえば元も子もない。ただ、長期で保有すれば、多少の値下がり分は配当や優待が埋めてくれる。一方で、株価が値上がりすれば、投資家はインカムゲインとキャピタルゲインという2つの果実を享受することができる。
配当を年率換算したものを「配当利回り」(1株当たり配当÷株価×100)と呼ぶが、昨今のような株価下落局面ではこの配当利回りがアップしており、東証1部の日産自動車でも6・55%(2019年1月4日現在)といった高配当銘柄となっている。
なお、配当や優待といったインケムゲインは「権利付き最終日」に株を持っていればよく、極端な話、わずか1日の保有でもOK(21ページ参照)だ。銀行の普通預金金利が年0・001%という超低金利時代にあって、わずか1日の保有で数%の利回りは魅力的だろう。
もはや高配当には株価のサポート機能はない
元証券ディーラーで、自身のブログ「インカムライフ.com」で配当や優待を紹介している谷山歩さんに話を聞いた。「高配当ということは、株価が安くなっているということ。それでも以前は、高配当銘柄や魅力的な優待を提供している企業はそれ自体が株価のサポートとなって株価が下がりづらいといわれていました。しかし、最近ではそんな常識も通用しなくなってきたのです。高配当銘柄や優待銘柄であっても、業績面や将来性をしっかりチェックしないと株価下落の底なし沼にはまってしまいます。特に小型の高配当銘柄は要注意です」
谷山 歩 インカムライフ.com代表
早稲田大学法学部卒業後、証券ディーラー、投資情報会社を経て独立。「Yahoo!ファイナンス」の「投資の達人」では2015年にベストパフォーマーを受賞。『日本の億万投資家名鑑』(日経BP)など、メディア掲載多数。「個人投資家&証券ディーラーの二刀流で相場を見る投資家」として活躍中。