一般的に初心者と言えば失敗しても許されるのが特権だ。しかしFXの場合はそうはいかない。投資の初心者であってもFXでの失敗は損失となって自分に返ってくる。大切な資産を増やすために始めたFXで資産を減らすという本末転倒なことにならないように気を付ける必要があるが、そもそもFXの初心者がやりがちな失敗とはどのようなものがあるのだろうか。

1 スプレッドを理解せず取引

FX,失敗,まとめ
(画像=Standret/Shutterstock.com)

FX初心者がやりがちな失敗の一つにスプレッドを理解していないという点がある。国内のFX業者の多くはFXの取引手数料を無料としている。しかし取引手数料とは別に取引コストとしてスプレッドが必要だ。スプレッドとは通貨を売買する際の売値と買値の差のことだが、この差が実質的な取引手数料となる。

FX初心者の中にはこのスプレッドを理解せず、知らない間に多くのコストを支払っている場合がある。取引の際はスプレッドが必要であるということを理解し、実質どのくらいのコストがかかるのかを確認するようにしていただきたい。

2 スワップポイントでマイナスになる

FX初心者にとってスワップポイントという言葉もあまり聞いたことがないかもしれない。しかしスワップポイントを理解していないことで損失が発生する場合もある。

スワップポイントとは二つの通貨の金利差で得られる収益を指す。低金利通貨を売り、高金利の通貨を買った場合、金利の差額がスワップポイントとして毎日受け取れる。逆に高金利通貨を売り低金利通貨を買った場合、スワップポイントはマイナスとなり毎日スワップポイントを支払う必要がある。

スワップポイントを考慮しないと、毎日マイナスのスワップポイントが発生し、いつの間にか大きな損失となっている場合もあるので注意していただきたい。

3 ロスカット注文をせず大失敗

FXで大切なのは損失を最小限に抑えるためにロスカット注文(損切注文)を発注しておくことだ。FX取引は平日24時間、世界中で売買が行われている。就寝中であっても相場が急変することもあるので多額の損失を出さないためにもあらかじめロスカット注文をしておくことが大切だ。

FX初心者の中にはロスカット注文をせず、大失敗する人もいる。ロスカット注文をしていない場合、相場の急変時などに多額の損失が発生する可能性もある。損失が拡大しすぎて強制決済とならないよう、新規の注文と同時にロスカット注文を発注するのがおすすめだ。

4 レバレッジを常に最大で取引

2019年現在、国内のFX業者では25倍までのレバレッジが認められている。レバレッジ25倍ということは100万円の投資資金で2500万円までのFX取引が可能ということだ。FX初心者の場合、レバレッジを常に最大にして取引を続け、失敗する場合も多い。

レバレッジを最大まで効かせたFX取引は少額の資金で多額の投資が可能となり、資金効率の面でメリットがある。その反面、ハイリスクなトレードとなる。高すぎるレバレッジは少しの相場の変動で証拠金維持率が大きく下がり、追加の証拠金が必要となることや、場合によっては強制決済となることもある。ハイリスクハイリターンの取引で多額の損失を出さないようレバレッジ管理にも注意していただきたい。

5 24時間為替相場が気になってしまう

FX投資で利益が出ると誰でもうれしいものだ。そんなうれしさからFX初心者の中にはFXの魅力にのめり込み、常に為替相場が気になってしまう人も多い。FXは平日24時間常に相場が動いている。相場を気にして朝から晩まで常に為替情報をチェックしすぎると、仕事や家事などがおろそかになり、実生活に影響が出る場合もある。

中には常にポジションを持っていないと落ち着かない人もいる。相場が荒れていようが閑散としていようが常に取引を繰り返すので、多くの場合は損失が増えるだけの結果となってしまう。休むも相場という格言があるように、むやみに取引をするのではなく慎重な取引で失敗を回避していただきたい。

FXでの失敗は初心者でもプロでも同様に損失となって帰ってくる。FX投資で大きな失敗をしないように、わからないことは事前にしっかりと調べ、慎重に取引をすることが大切だ。ぜひ今回紹介した5つの失敗を頭において、無理のない範囲でFX投資を楽しもう。

文・右田創一朗(元証券マンのフリーライター)/MONEY TIMES

【関連記事 MONEY TIMES】
ネット証券は情報の宝庫?日経新聞から四季報まですべて閲覧可!?(PR)
40代でやっておきたい「投資・運用」3つのステップ
国内ソーシャルレンディング4選 初心者でもできる?利回り以外の着目点
「月1,000円から」「おつりで投資」スマホで投資できるアプリ4選
これならできる!「1万円」でディズニーランドの株主になろう