数十万~数百万円が利用できるクレジットカードの紛失ほどヒヤリとすることはない。だが、そんな時でも事前に対処法を知っていれば、冷静に対応して不正利用など最悪の事態が避けられる。ここでは、カード紛失時の対処法と事前の準備について紹介しよう。

クレジットカードの紛失に気づいたらすぐにカード会社へ電話

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(画像=tuthelens/Shutterstock.com)

不正利用などの悪用を防ぐには、カード紛失に気づいた時にすぐ対処することが重要だ。まずは、紛失が明らかになった時にやるべきことを順番に説明する。

①カード会社へ連絡する

最初に行うべきことはカード発行会社への連絡だ。、紛失・盗難時の緊急連絡先に電話して紛失した旨を伝え、ただちにカードの無効化手続きを行うことで不正利用のリスクを回避する。紛失・盗難時の緊急連絡先は通常のカスタマーサポートとは異なり24時間対応となり、多くは「0570」で始まるナビダイヤルか「0120」で始まるフリーダイヤルだ。

ここでいう「カード会社」とはカードを発行した会社のことで、VisaやMasterCardといった国際ブランドのことではない。たとえば、Visaブランドのついた楽天カードなら、楽天カードの緊急連絡先に電話することになる。JCBは国際ブランドだが、JCB自体が発行しているカードもあるので、その場合はJCBに連絡する。

なお、銀行系カード会社が発行したキャッシュカード一体型クレジットカードを紛失した場合は、銀行にも連絡してキャッシュカードの利用を停止する必要がある。

②警察へ紛失届を提出

カード会社への連絡がすんだら、なるべく早く最寄りの警察署の落とし物窓口などに紛失届(盗難の場合は盗難届)を提出する。この提出がないと、紛失したカードが不正利用された場合に補償が受けられない。

紛失届(盗難届)は各都道府県の「電子申請サービス」にも提出可能だが、直接警察署や交番へ行って手続きしたほうが早い。手続きをすると届出の受付番号が通知される。海外での紛失や盗難の場合も同様で、現地の警察署で紛失・盗難届を提出して、届出の証明書を受け取っておく必要がある。

③紛失届の受付番号をカード会社に伝える

紛失届(盗難届)を警察に受理してもらう時に届出の受付番号が通知されるので、それをカード会社にも伝えておく。そのほか、カード会社の指示に従い、書類などを提出する必要があれば早めに対応する。

カードの再発行後にやるべきこと

カード会社に紛失の連絡をした時点でそれまで使っていたカードは使えなくなり、カード番号も無効となるので、新しい番号のカードを再発行してもらう必要がある。カードの再発行手続きについては、最初にカード会社に紛失の連絡をしたときに案内されることが多い。なお、カードの再発行には手数料が発生することがほとんどだ。

再発行には一般的に1~2週間かかる。カードによっては、海外旅行中に紛失した場合に、海外でのみ利用可能なカードが緊急発行されることもある。逆に言えば、海外での紛失が心配なら、最初からそのようなカードを選ぶといい。

カードの再発行が済んだら、クレジット支払いしている契約先(公共料金・電話料金・ショッピングサイト・スポーツクラブ・電子マネーチャージなど)の登録情報を新しいカード番号に変更しておこう。なお、紛失前のカードで貯めていたカード会社のポイントは新しいカードへ自動的に引き継がれる。

不正利用に気づいたら早めにカード会社に連絡を

紛失に関連する手続きが一通り終わったら、カードを無効化するまでの間に不正利用されていないかカード利用明細をチェックしよう。利用先によって決済が翌月よりも先になることがあるので、翌月にチェックして終わりではなく、しばらく注意して明細をチェックするようにしたい。

具体的には身に覚えのない利用がないかチェックし、不審な利用があればカード会社に問い合わせる。数ヵ月前の利用分が請求されたり、購入した店舗名とは別の名前(店舗を運営する法人名など)で請求されたりすることもあるので、それを不正利用と勘違いしないよう、しっかり確認してからのほうがいいだろう。身内がカードを使っていたというケースも多いのでそこにも注意したい。

逆に、少額だからといって明細を読み飛ばすことも避けたい。不正利用に気づかせないないために、あえて少額の支払いをいくつも行うケースもあるからだ。

不正利用が疑われる場合はできるだけ早くカード会社に連絡を入れ、盗難補償の申請へ移る。カードは紛失していないけれど、不正利用が疑われるような場合も同様の対処となる。基本的には盗難補償により不正利用分は支払う必要はない。

万が一の紛失に備えてやっておくべきこと

最善の紛失対策は「カードをなくさないこと」に尽きるが、それでもなお失くしてしまった時に即座の対処ができるよう、事前にカード会社の連絡先(紛失・盗難時の緊急連絡先)をメモしておいたり携帯電話に登録したりしておこう。

また、カード裏面の署名欄には必ず署名しておくこと。それがないと不正利用されたときに盗難補償を受けられないことがある。推測可能な暗証番号(誕生日など)を設定していたり、カードに暗証番号をメモしていたり、第三者に暗証番号を伝えたりしていた場合も、カード会員本人に重大な過失があったと見なされて補償されないことがある。

これらに心当たりがあるなら、暗証番号を変更するか、念のためカードの再発行を申請したほうがいいだろう。

それから、何枚ものカードを財布に入れていてそれを丸ごと紛失した場合、どのカード会社のものをなくしたのかはっきりせず対処が遅れることもある。それに、何枚もカードがあると普段から利用明細のチェックがおろそかになりやすく、紛失や盗難を伴わない不正利用に気づきにくい。

不正利用の申し出が遅れると補償が適用されないことがあるので、管理が手に余る場合は不要なカードの退会も検討しよう。

文・モリソウイチロウ(ライター)/MONEY TIMES

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