マンンション価格の高騰が続き、2018年には東京都23区内のマンションの平均価格は7,000万円を越えた。マイホームとして、中古マンションを検討する人が増えているだろう。しかし、中古マンションの場合は住宅ローンの借入期間が短くなり、築年数によってはローン控除を受けられないという問題がある。

中古マンションでも住宅ローンは組めるが……

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(画像=PIXTA)

住宅ローンを申し込む条件には、申込時の年齢、安定した収入の有無、団体信用生命保険に加入できるかなどがある。物件については、本人または家族が居住する物件で、建築基準法およびその他の法令に適合している物件としており、築年数については特に明記されていない。よって、ほとんどの金融機関において中古マンションのローンを組むことができる。

しかし、一般的に中古マンションは築年数が古いと価格が安くなる。金融機関は対象物件を担保としてお金を貸すので、築年数が古いと担保価値が低いと判断され、希望の金額が出ないことが多い。

また、築年数が古いと借入期間が短くなるケースがある。例えば、住信SBIネット銀行のように、借入期間が「建物築年数+住宅ローン借入期間」が60年未満に設定されている銀行もある。この場合、返済期間を35年に設定したいとすると、築25年までの物件しか買えないことになる。

他にも、敷地の減少などにより容積率を満たさなくなった「容積率オーバー」の物件などで、住宅ローンが組めないケースがある。

住宅ローン控除を受けられないケースも

住宅ローン控除を適用できれば、毎年の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除できるが、中古物件の場合は住宅ローン控除を受けられないことがある。注意が必要なのが耐震基準だ。

住宅ローン控除を受けるには、自ら居住すること、床面積が50平方メートル以上であること、中古住宅の場合は耐震性能を有していること、借入期間や年収についても条件を満たす必要がある。耐震性能を有するとは、築年数が一定年数以下であること、現行の耐震基準に適合していることが確認された住宅であることのいずれかを満たしていることだ。

築年数が一定年数以下を満たす物件とは、耐火建築物(鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリート造のマンション)の場合25年以内の物件だ。

しかし耐火建築物で築年数が25年を超えていても、現行の耐震基準に適合していることが確認された住宅であれば対象になる。現行基準に適合していることを証明する方法としては、耐震基準適合証明書又は既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)を取得する、既存住宅売買瑕疵保険に加入するといったものがある。

現行の耐震基準(新耐震基準)に該当するのは、は1981(昭和56)年6月1日以降の建築確認で建てられた建物だ。それ以前に建築された旧耐震基準の建物については、耐震診断を行って新耐震基準を満たしていることを証明しなければならない。

東京都都市整備局が行った2013年のマンション実態調査では、旧耐震基準マンションの17%程度しか耐震診断を行っておらず、条件を満たす旧耐震基準マンションが少ないことを認識しておく必要がある。さらに、新耐震基準でも築年数が25年を超えると耐震基準適合証明書等が必要になるので注意したい。

中古マンションを選ぶ際には、各金融機関の住宅ローンの条件をチェックし、住宅ローン控除を受けることができる物件かどうかを確認することが重要である。

文・MONEY TIMES編集部/MONEY TIMES

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