人気のIPO投資は投資初心者でも取り組みやすい投資方法である。IPO投資とは、IPO株(新規公開株)が証券取引所に上場する前に買い、上場後に売ることで値上がり益を狙うことだ。それ以外にも、IPO株が上場した後にIPO株を買うIPOセカンダリー投資もある。IPO投資で人気のSBI証券にて、IPO株の買い方から売り方までを紹介する。

SBI証券はIPO銘柄の取り扱い数がトップクラス

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(画像=zaozaa19/Shutterstock.com)

はじめにIPO投資とSBI証券の魅力を紹介しよう。

IPO投資の魅力は、上場前の公募価格(IPO株を販売する価格)よりも初値(上場して初めてつく価格)が上がれば、その差額を利益として得ることができる。IPO株は公募価格より初値が上がることが多く、利益を得ることが多い。

SBI証券の魅力は、IPO銘柄の取り扱い数がトップクラスで、ほとんどのIPO銘柄に申し込むことができる。またIPOチャレンジポイントという独自のポイント制度も好評だ。

IPO株の買い方は上場前に買うが上場後に買うかの2択

IPO株を買うには、大きくわけて2つの方法がある。ひとつは証券取引所の上場前に公募価格で購入することであり、もうひとつは上場後に株式市場で買うことである。

「IPO株を上場前に買う」場合と「IPO株を上場後に買う」場合の買い方を紹介しよう。

IPO株を上場前に買う

多くのIPO株は初値が上場前の公募価格より上がるため人気があり、上場前に誰でも買えるわけではない。上場前にIPO株を買うには、証券会社から配分してもらうか抽選で当選する必要がある。

抽選で当選を狙うには、ブックビルディング(需要予測)に申し込む。申込では、希望の株価と株数を申告する。

申告する株価は仮条件という金額の範囲内で決める。ブックビルディングの結果として公募価格が決定され、申告した株価が公募価格よりも低いと抽選の対象外となってしまう。申告する株価は「ストライクプライス」にすれば対象外にはならない。ストライクプライスとは、どのような価格で決定しても購入意思があることを示すものだ。

SBI証券では申告する株数は多い方が抽選で当選する確率が上がる。人気のIPO株の申込では、預け入れ資金で購入できる範囲で多めに申告すればいいだろう。抽選の際に預け入れ資金が不足していると抽選の対象外となるため気を付けたい。

抽選で当選か補欠当選したら購入申込できる。購入申込したら、補欠当選では繰上げ当選した場合に限りIPO株を購入できる。

IPO株を上場後に買う

IPO株は上場した後であれば誰でも買うことができる。

上場後のIPO投資はセカンダリー投資とも呼ばれる。初値がついた後のIPO株は証券取引所で売買できるため、買い方は通常の現物株の購入と同じである。

IPO株を売る際に大切なのは売るタイミング

IPO株を買ったら、買値より値上がりしたところで売ると利益を得ることができる。IPO株を売る際に大切なのは売るタイミングだ。売るタイミングにより、大きな利益を得ることもあれば、大きな損失を出すこともある。

IPO株を売る際の3つのタイミング「IPO株を初値がついた時点で売る」、「IPO株を短期保有してから売る」、「IPO株をすぐに売らずに長期保有する」を紹介しよう。

IPO株を初値がついた時点で売る

IPO株を上場前に買えた場合、売るタイミングで一般的なのは、初値がついた時点である。

IPO株の多くは初値が公募価格を上回る。2018年に新規上場したIPO90銘柄のうち80銘柄で初値が公募価格を上回った。初値が公募価格を上回れば、初値がついた時点で売れば利益を得ることができる。

その中でも初値が公募価格の2倍以上になったのが40銘柄と全体の半数近くになった。更に3倍以上になったのは11銘柄もあった。これらの銘柄であれば、初値で売れば大きな利益を得る。

IPO株を短期保有してから売る

初値がついた後も短期(デイトレや数日程度など)で保有してから売ることもできる。これは初値がついた後の値上がりを期待する場合にとる方法である。IPO株を上場後に買うセカンダリー投資はこの売り方が一般的である。

IPO株の上場後しばらくは値動きが大きく、株価が急騰することもあれば急落することもある。IPO株を上場前に買って初値が公募価格を上回った場合でも、その後に急落して公募価格を下回り、損失を出すリスクもある。

IPO株をすぐに売らずに長期保有する

IPO株をすぐに売らずに、数ヵ月や数年などの中期から長期にわたり保有し続けることもできる。その会社の将来性を見越しての株価上昇を見込める場合や配当狙いの場合などである。

ただしIPO株は長期では株価が下落する銘柄も少なくない。株価の上下は会社の将来性が大きく影響する。IPO株を長く保有する場合には、その会社が長期にわたって成長するなどの将来性を見極める必要があるだろう。

SBI証券でのIPO株の売り方とは

IPO株を初値で売る場合は上場日の朝9時までに、値段を明示しない「成行(なりゆき)注文」を行う。初値は売りと買いのバランスによって決まり、初値がつくのに時間がかかることがある。

人気が高いIPO銘柄は上場日に買い注文が殺到して初値がつかないことがある。成行注文は当日中のみ有効であり、もし上場初日に初値がつかない場合には翌営業日に再度注文する必要がある。

SBI証券では、上場初日の注文は上場日前営業日翌日の早朝(午前4時頃)から可能である。ただし、重複上場(東京証券取引所と地方市場など)の場合は上場日当日の午前8時頃からとなる。

IPO株を初値以外で売る場合は、通常の現物株の売りと同じである。

IPO株初値売りのメリットとデメリット

IPO株を上場前に買えたら初値で売るか迷うかもしれない。そこで初値売りのメリットとデメリットを紹介しよう。

メリットは、判断の誤りやメンタルの乱れ(焦りなど)による損失を出さないことだ。IPO株に初値がついた後は値動きが大きく、株価が急騰したり急落したりする。初心者は株価の上下に敏感になり、急落した場合に慌てて売り損失を出すことがある。初値で売ればそのようなことがない。

デメリットは、初値で売った後に株価が上昇した場合には、その上昇分の利益を得ることができないことだ。特に急騰した場合には、その利益を得られなかったことにガッカリすることもある。ただし、上場後に株価が上昇するか下落するかを見極めるのは簡単ではないことを心得ておきたい。

IPO株を上場前に購入できたら、初心者のうちは初値売りするのが無難である。上場後のセカンダリー投資は値動きが大きくリスクが高い投資方法となる。IPO株に慣れないうちは、IPOセカンダリー投資にまわす資金を少なくしてリスクを低くしたい。

文・松本雄一(ビジネス・金融アドバイザー)/MONEY TIMES

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