手間やコストを最小限に、リスクもできるだけ抑えながら資産運用を始めたい、というのは皆が思うこと。そんな人は投資信託をチェックしてみて欲しい。インターネットの環境さえあれば簡単に取引できるネット証券で、運用をプロに任せることができ、リスクも分散できるからだ。投資信託のメリット・デメリットの解説と証券会社を比較した。

投資信託のメリットはリスク分散とプロが運用する安心感

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(画像=Freedomz/Shutterstock.com)

資産分散と時間分散でリスクを抑える

投資信託が投資初心者に適している理由は、運用をプロに任せて、手間とリスクを抑えながら運用益や分配金を受け取れること。投資なので当然リスクはあるものの、銀行の超低金利な定期預金よりも資産形成はしやすい。

投資信託ではプロが複数の銘柄や商品、地域に“資産分散”し、購入時期を複数回に分けて“時間分散”し、購入することでリスクを分散している。これによって、投資家は常時個別銘柄の値動きに注意を払わなくてもいいし、各銘柄のファンダメンタルズの分析や相場観もプロに任せられる。

ネット証券なら投資信託は100円から始められる

投資信託の最低買付単位は通常1万円程度であるが、ネット証券を利用すればより少額の買付金額で投資信託を始められる。例えばSBI証券や楽天証券、マネックス証券、松井証券では、100円以上1円単位で始められる。手元資金が少なくても長期間の積立投信で資産形成できるのは大きな魅力だ。

投資信託のデメリットは手数料の高さと1日1回だけの基準価額算定

株式投資に比べて手数料が高い

投資信託は株式投資などに比べて手数料が高いというデメリットがある。投資信託にかかる主な手数料としては、証券会社に支払う購入時手数料と、銘柄ごとに設定された信託報酬、解約時の解約手数料と信託財産留保額。

購入時の手数料が無料である「ノーロード」も多く、解約時の解約手数料、信託財産留保額が発生しない場合もある。ただし銘柄によって各種手数料が違うこともあるので、新規で投資信託を購入する際には目論見書などで確認する必要があるだろう。

信託報酬が必ず発生する

特に投資信託はプロに銘柄選択や運用を委託する金融商品であるため、運用会社の管理費用である信託報酬は必ず発生する。投資信託にかかるコストをできるだけ抑えたいのであれば、証券会社が設定する購入時に手数料が無料である銘柄や、解約手数料や信託財産留保額が無料または手数料が安い銘柄、信託報酬が安くすむインデックスファンドを選ぶといい。

基準価格の更新は1日1回

投資信託では購入時あるいは売却時の基準価額の更新は基本的に1日1回で、基準価額は組み込まれている株式や債券等の評価額決定後に運用会社が計算し発表する。そのためタイミングを見計らって注文を出したつもりでも、同日の締切時間までの注文は同じ基準価額で計算されてしまうため、希望通りの基準価額で取引できない可能性がある。

投資信託を購入できるネット証券比較

投資信託を始めるにあたりネット証券会社を決める判断材料としては、取扱投資信託本数、ノーロード銘柄本数、購入時手数料率、最低買付金額、購入時特典、保有によるポイント付与を見るのがいいだろう。上記の要素を5大ネット証券会社で比較した。

投資信託を取り扱っている5大証券会社の比較表

投資信託を取り扱っている5大証券会社の比較表
証券会社名 SBI証券 楽天証券 マネックス証券 松井証券 カブドットコム証券
取扱投資信託本数 2,715本 2,681本 1,177本 705本 1,085本
ノーロード銘柄本数 1,359本 1,355本 754本 35本 664本
購入時手数料 ※1 最大4.32% 最大4.32% 最大3.24% 最大4% 最大2.7%
最低買付金額 ※2 100円以上1円単位 100円以上1円単位 100円以上1円単位 100円以上1円単位 500円以上1円単位(投信積立の場合)
購入時特典 条件を満たせば、抽選で1万円を3,550名にプレゼント 投信積立購入時手数料全額ポイントバック 投信つみたて購入時手数料全額キャッシュバック 購入時手数料全額ポイント還元 2019年11月30日まで、投資信託購入者対象に、現物株式手数料の一部をキャッシュバック
投資信託購入時手数料×1.5%のポイント付与
保有によるポイント付与 月間平均保有金額×0.1%または0.2%÷12 楽天銀行との連携→残高10万円ごとに毎月4ポイント付与 月間保有金額×0.08%÷12 月間保有金額×0.1%÷12 月額100万円以上で1ポイント付与
楽天銀行と連携なし→残高50万円以上で月々の保有額に応じてポイント付与

※上記一覧表は5大ネット証券のホームページ(2019年2月19日現在)を参考に作成 ※1.購入時手数料は基準価額に対しての料率(税込) ※2.銘柄によっては最低買付金額が1,000円、1万円の場合もあり

取扱投資信託本数とノーロード銘柄本数、購入時手数料率で拮抗しているのがSBI証券と楽天証券だ。たくさんの銘柄から投資信託を選びたい人は両者のうちどちらかを選ぶといいだろう。

忙しいビジネスパーソンはネット証券の投資信託を

投資信託の良さは条件を決めて銘柄を選択すれば少額から買付可能で、以降はプロに運用を任せて、分散投資、長期間の運用でリスクを低減できる点だ。多忙なビジネスパーソンが求める資産運用の条件や取引環境を備えた金融商品として、ネット証券の投資信託は一考の価値があるだろう。

文・近藤真理(フリーライター)/MONEY TIMES

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