金融庁が呼び名を「暗号資産」に改めたビットコインやその他の暗号資産。その取引は、一般的に暗号資産取引所を通して行われる。暗号資産取引所では、銀行での送金や証券会社での株式取引などと同様に様々な手数料が発生する。

ビットコインの価値は変動が激しく、投資の結果がプラスになるのかマイナスになるのかは取引を行ってみないとわからない。しかし、手数料は取引の結果に関わらず必ず支払うものなので、各取引所の手数料を比較することは重要だ。

今回は、各取引所におけるビットコインの売買手数料を比較する。

GMOコイン SBI VCトレード ビットポイント Liquid by QUOINE bitbank DMM Bitcoin 楽天ウォレット コインチェック BTCボックス FISCO ビットトレード
現物取引手数料 Maker:-0.01%
Taker:0.05%
無料 無料 無料 Maker:-0.02%
Taker:0.12%

※BitMatch取引手数料を除く
無料 無料(銀行振込) 0.05% 0.1〜0.3% 0.2〜0.7%
入金手数料 無料 無料 無料 無料 無料 無料 顧客負担 無料 無料 無料 利用者負担
出金手数料 無料 50~250円 顧客負担 500円 550~770円 無料 500円 400円 400~756円 350~756円 648円
送金手数料(BTC) 無料 無料 無料 無料 - 無料 無料 0.001 0.001 0.001 0.0005
受金手数料 無料 無料 無料 - - 無料 無料 無料 - - -
レバレッジ倍率 2倍 - 2、5、10、25倍 2、4、5、10、25倍 - 2倍 2、4、5、10、25倍 最大5倍 - - -

手数料について

ビットコイン, 取引所, 比較
(画像=PIXTA)

ビットコインの取引では、様々な手数料が発生する。主なものに、ビットコインと公式通貨や他の暗号資産を取引所から移動させるときに発生する入出金手数料、ビットコインの取引の際に発生する売買手数料、取引所や販売所の口座からビットコインの出し入れする際に発生する預入払出手数料、ビットコインを送金する際に発生する送金手数料、レバレッジ取引を行う際に発生する借入手数料などがある。

このように様々な手数料があり、取引の際には必ず支払わなければいけない。そのため、取引所を選ぶにあたって、手数料は重要な要素と言える。

ビットコイン取引業者の手数料を比較

それでは、各取引所の手数料を確認し、比較してみよう。

●初心者でも取引しやすい GMOコイン 

取り扱い通貨は、ビットコイン・イーサリアム・リップル・ビットコインキャッシュ・ライトコインの5種類だ。

GMOコインでは、ビットコインを0.0001BTCから購入することができる。少額で取引できるため、初心者でも取引を始めやすい販売所と言える。また、暗号資産はGMOコインが提示した金額で購入するため、不利な価格で売買が成立することがないので安心だ。

手数料に関しては、即時入金・即時出金の手数料が無料で、ビットコインの送金手数料も無料だ。

●大手の安心感 SBI VCトレード

SBI VCトレードは、SBIグループの暗号資産専門会社だ。

取扱通貨ペアは以下の3種類だ。

  • XRP/JPY
  • BTC/JPY
  • ETH/JPY

大手SBIグループの子会社というだけあって、セキュリティ面の安心感がトップクラスだ。

各種手数料が無料である他、専用の取引ツールの使いやすさもSBI VCトレードの魅力だ。

ビットコインはもちろん、リップルでもおすすめなのがSBI VCトレードだ。

●国内初Meta Trader4(MT4)採用により自動売買が可能 ビットポイント

取り扱い通貨は、ビットコイン・イーサリアム・リップル・ビットコインキャッシュ・ライトコインの5種類。

国内で初めてMT4という取引ツールを導入し、ビットポイントの取引専用のツールとなっている。MT4は、世界750社以上で採用されている取引プラットフォームで、自動売買・バックテスト・裁量取引ができるのが魅力だ。

各種取引手数料は無料だが、レバレッジ取引には建玉管理料、ビットポイントFX取引にはスワップ費用が発生する。なお、日本円での入出金手数料も無料だ。

●日本で初めて金融庁から登録認可を受けた取引所 Liquid by Quoine

取り扱い通貨は、ビットコイン・イーサリアム・リップル・ビットコインキャッシュ・キャッシュの5種類。

2017年9月29日、日本で初めて金融庁から暗号資産交換業者として登録を受けた。PC、iOS、アンドロイドすべてに対応した高性能取引ツールが無料で利用できるので、市場の情報がいつでもどこでも入手できる。さらに、海外取引所15社とも接続できるため、国内外問わず幅広い情報収集ができる。

各種取引手数料は無料だが、日本円の出金の際には500円の手数料が発生する。

●暗号資産を安く手軽にトレードしたい人に bitbank 

取り扱い通貨は、ビットコイン・イーサリアム・リップル・ビットコインキャッシュ・ライトコイン・モナコインの6種類。

bitbankでは、暗号資産の売買を「取引所」で行う。取引所を利用することで、買値と売値の差がほとんどなくなり、手数料を抑えることができる。

手数料に関しては、取引手数料がMaker:-0.02%、Taker:0.12%、日本円の出金は金額に応じて550~770円、ビットコインの出金では0.001BTCの手数料が発生する。

●「土日祝を含めて365日サポート」等 DMM Bitcoin

取り扱い暗号資産は、ビットコイン・イーサリアム・ネム・リップル・ライトコイン・イーサリアムクラシック・ビットコインキャッシュなどの全12種類。

DMM Bitcoinのスマホアプリでは、チャートを見ながらワンタッチで注文でき、レートや指標など様々なアラームが搭載されており便利だ。PCでの取引においてもレイアウトを自分好みに変更できるほか、一括決済やクイック決済もできる。移動平均線や一目均衡表に関する情報が集約されており、さらにチャートから発注を行うこともできるので取引がしやすい。また、専用フォームやLINEでの問い合わせ対応を土日祝を含めて365日体制で行っており、サポートも充実している。

手数料に関しては、暗号資産取引は基本無料だ。ただし、レバレッジ取引で建玉を翌日に持ち越した場合は、未決済金額の0.04%が1日ごとに発生する。また、日本円の入出金にかかる手数料も無料だ。

●レバレッジ取引が最大25倍 みんなのビットコイン

取り扱い通貨は、ビットコイン・イーサリアム・ビットコインキャッシュの3種類となっている。

みんなのビットコインでは、国内最大の25倍までレバレッジ取引ができる。暗号資産取引では、価値が不利な方向に変動した場合に追加証拠金(追証)を入金しなければならない取引所もあるが、みんなのビットコインではその必要がない。証拠金維持率が120%以下になるとアラートが通知され、110%以下になるとロスカットが行われる。つまり、自動的に危険回避が行われるので、最大25倍のレバレッジ取引を安心して行うことができるということだ。

各種取引手数料は無料、ただし日本円の出金は500円の手数料が発生する。

●日本最大級の暗号資産取引所 Coincheck(コインチェック)

取り扱い通貨は、ビットコイン・イーサリアム・ネム・リップル・ライトコイン・イーサリアムクラシック・ビットコインキャッシュ・リスク・ファクトムの9種類。

取り扱われているアルトコインは、いずれも世界で注目されているものばかりだ。これだけ多くの種類のアルトコインを日本円で直接購入できるのは、コインチェックの強みだろう。コインチェックでしか取引できない通貨もあるため、海外でも人気がある。

手数料に関しては、取引所方式での売買の場合は無料で、レバレッジ取引で発生するスワップ手数料は0.04~0.05%だ。日本円の出金は400円、ビットコインの出金は0.001BTCの手数料が発生する。

●暗号資産融資という独自サービスあり BTCBOX

取り扱い通貨は、ビットコイン・モナコイン・ビットコインキャッシュ・イーサリアム・ライトコインの5種類。

暗号資産融資という独自のサービスがあり、BTCBOXからビットコインを借り入れることで自身の資産以上の取引ができる。ただし融資手数料は高いので、事前に確認しておきたい。

手数料に関しては、ビットコイン取引では0.05%、アルトコイン取引では0.1%だ。日本円の入出金手数料は、入金は無料、出金は金額に応じて400~750円かかる。また、ビットコインの出金は1回あたり0.001BTCの手数料が発生する。

●万全なセキュリティ 3種類の独自トークンが存在 FISCO

取り扱い通貨は、ビットコイン・モナコイン・ビットコインキャッシュ・フィスココイン・ネクスコイン・カイカコインの6種類。

FISCOでは、ロウソク足を日足・時間足・分足で見ることができるほか、移動平均線などのテクニカル分析を利用することもできるので取引しやすい。ログインパスワードのほかに、ワンタイムパスワードを生成する認証アプリをインストールしたスマホで二段階認証を利用することができ、取引や口座管理のセキュリティをより高めることができる。預けている通貨のうち流動しないものは、システムから完全に隔離された状態でオフライン保管されており、ハッキングのリスクも低い。

手数料に関しては、取引は通貨ペアによって0.1~0.3%に設定されている。日本円の出金は、引き出す金額に応じて350~756円、ビットコインの出金は0.001BTCの手数料が発生する。

●取引に必要な機能がスマホアプリに集約 BitTrade(ビットトレード)

取り扱い通貨は、ビットコイン・イーサリアム・リップル・ライトコイン・ビットコインキャッシュ・モナコインの6種類。

ビットトレードは、2019年1月8日より資本・業務提供を行った「Huobi」で新取引サービスを開始した。Huobiでは、ビットトレード以上の流動性・利便性の高いサービスを提供するとしている。Huobiは、世界最大手の有名暗号資産取引所であり、ビットトレードは世界最大手取引所を母体とした取引所となった。

また、2019年1月28日に日本向けのAndroid・iPhone版アプリがリリースされた。日本円の入出金や暗号資産の購入・売却、暗号資産の送金・預入、チャート分析、口座資産管理等取引に必要な機能が搭載されており、手軽に利用できる。

手数料に関しては、売買手数料は0.2~0.7%。日本円の入金手数料は利用者負担、出金手数料は648円、ビットコインの出金は0.001BTCの手数料が発生する。

取引所の選定は目的を明確にすることが重要

暗号資産取引所は、手数料以外にもそれぞれ特徴がある。暗号資産を取引する目的によって選ぶ取引所は変わるだろう。

リスク回避のために、複数の取引所に登録しておくこともおすすめしたい。リスクを分散させるという目的以外にも、取引所の特徴に合わせて使い分けができたり、売買できる暗号資産の選択肢が増えたりするメリットがある。取引の目的を明確にし、自分に合った取引所を選んでほしい。

庄司里紗(しょうじ・りさ)
FPサテライト株式会社 ファイナンシャルプランナー
大学卒業後、広告代理店に営業事務として就職。妊娠を機に退職。専業主婦となり、家計管理を任される。しかし、子供2人分の教育費、住宅費、老後資金とお金の不安は増えるばかり。そこでお金について勉強するため2級FP技能士を取得。現在は、子育てをしながらFPとして活動中。