株式市場が加熱している時では長期投資は無視されがちであるが、大きなリターンを求める上で長期投資の有効性は高い。

長期投資向けの企業は多数存在するが、最も良いのは高配当銘柄だろう。配当金を再投資し、複利効果の優位性がある。さらに、長年増配をしている銘柄であれば、インフレの影響からも守れる。

以下が、長期保有をおすすめする2銘柄である。

1. NextEra Energy

公益企業は長期投資に向いている単純な理由がある。この業界は数十億ドルの資金を設備投資し、投資家にも安定したリターンを生み出す。消費者が公益企業に利用料金を払い続ける限り、安定した収益モデルは継続する。

公益企業では、我々は電力会社のネクストエラ・エネルギー(NextEra Energy) (NYSE:NEE)をおすすめする。ネクストエラ・エネルギーは、風力発電や太陽光発電など米国の再生可能エネルギー企業で、世界最大規模を誇っている。また、天然ガスのパイプライン事業でも、エネルギー貯蔵システムを運用している。

chart
(画像=Investing.com)

ネクストエラ社と、他の公益企業の違いは膨大な負債を抱えていないことだ。代わりに、同社は政府助成金や、優遇税制措置を上手く利用し、再生可能エネルギー事業を回している。米国の再生可能エネルギーへの代替の動きの中で、電力は他公益企業に売却されている。

ネクストエラ社は、来年末までに事業開発に400億ドルを投じる予定だという。これは、大きな市場機会がある現在で、今後の成長が見込めるものである。米国エネルギー情報局(EIA)によると、2010年には現在の29%を占める設備投資を行い、2017年には風力発電や電力発電によって現在の半分に至る生産能力を構築した。

ネクストエラ社は、風力発電や太陽光発電の顧客として、Googleの親会社であるAlphabet (NASDAQ:GOOGL)などの大企業に拡大してきた。これらの企業は、環境への取組みとしての広報活動の狙いもあるのだろう。

投資家からのクリーンエネルギーや、エネルギー貯蓄事業への評価は高い。ネクストエラ株は、強い売上高と、増配と伴って、2014年から株価は約2倍となっている。

昨日の同社の終値は188.23ドルである。配当金り利回りは2.66%であり、一株あたりの年間配当金は5ドルとなっている。同社は2020年までに、12-14%の増配を計画している。

2. トロント・ドミニオン銀行

公益企業と同様に、銀行株も長期投資に向いている。今回は米国の銀行ではなく、カナダの銀行だ。カナダの銀行は、米国より大きい資産規模を誇り、長年に渡る高配当を続けている。

chart
(画像=Investing.com)

カナダの銀行の中でも、トロント・ドミニオン銀行(NYSE:TD)をおすすめしたい。米国での有機的成長後、同行は北米で6番目の資産規模を誇る銀行となった。また、米国トップクラスのオンライン証券であるTDアメリトレードの株を40%以上保有している。このカナダのマーケットでのドミナンスや、米国への多角化は、過去5年に渡って売上高や配当の成長を施してきた。

同行は、配当を1857年から続けており、2007年以来、年複利成長率は9.4%である。昨日の終値は58.29ドルであった。現在の配当金利回りは3.52%であり、一株あたり年間配当金は2.04ドルとなっている。

要点

ネクストエラとトロント・ドミニオン銀行は、日々のボラティリティーに心配することなく長期投資としてポートフォリオに追加するのに良い銘柄だろう。また、これらの配当金を複利的に再投資することによって、資産の増加は加速することだろう。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス アンワル