現在販売されている投資信託は6,000本以上。つみたてNISAでは、その中でも長期・積立・分散投資に適した162本の投資信託から選択できる。しかし、初心者にとってはそれでも選択肢が多く、どう組み合わせればいいか迷うだろう。ここでは初心者のリスク管理に向いているバランスファンドでポートフォリオを組み、リスク管理をする方法について解説する。(※すべて2019年2月時点)

つみたてNISAの対象商品は長期投資に適した投資信託のみ

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(画像=shutter_o/Shutterstock.com)

つみたてNISAの対象商品は、安定的な資産形成を図れるよう金融庁が定めた要件を満たす投資信託だ。主に以下の要件がある。

・販売手数料がかからない(ノーロード)
・信託報酬が低い(国内株のインデックス型同値信託の場合、0.5%以下)
・頻繁に分配金が支払われない

信託報酬とは、投資信託を保有している間毎年かかるコストである。長期投資を目的とするつみたてNISAでは、なるべく安いほうがいい。

つみたてNISAで取り扱っている投資信託は3種類

つみたてNISAで取り扱っている投資信託には、大きく分けて次の3種類がある。

・インデックス型(142本)
日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)など特定の指数の値動きに連動するように運用する投資信託。

・アクティブ型(17本)
ファンドマネージャーやアナリストなど投資の専門家が対象企業の調査・研究を行い、株価指数などのベンチマーク(運用成績の基準となる指標)を上回る運用成果を目指す投資信託。調査・研究を行うので、インデックス型より運用コストが高くなる。

・ETF(3本)
証券取引所に上場しているインデックス型の投資信託。「上場投資信託」とも呼ばれている。株式と同じように市場で取引できるのが特徴だ。

つみたてNISAの投資対象は7種類

つみたてNISAの投資対象は以下の7種類だ。

・国内株
・先進国株
・新興国株
・国内債券
・先進国債券
・新興国債券
・REIT(不動産)

債券や不動産は単独では投資できず、それらは複数の商品が組み込まれた「バランス型ファンド」に投資することによって保有できる。

各資産のリスク・リターンは次のようになる。リスクが小さければリターンが小さく、リスクが大きければリターンも大きくなる。

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(画像=著者作成)

つみたてNISA初心者はまずはバランスファンドを検討

ポートフォリオ(資産配分)を決めるためには、債券や株式の比率を考える必要がある。しかし、投資初心者にとってリスクとリターンを考えながら資産配分を決めるのは難しい。そこでバランスファンドを購入するという手がある。バランスファンドなら資産を均等に配分して国際分散投資ができる。

バランスファンドで人気が高い商品をみてみよう。たとえば「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」の詳細は以下の通りだ。

・eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) 運用会社……三菱UFJ国際投信 基準価額……1万638円 純資産総額……218.83億円 信託報酬……0.17172%(税込)

国内外の株式・債券・リート(不動産)に12.5%ずつ均等に投資を行うファンドで、基本投資割合は以下の図のようになっている。

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(画像=著者作成)

バランス型の便利なところは、リバランスを自動で行ってくれることだ。リバランスとは、価格変動などによって、株式と債券の比率のバランスが崩れた時に、自動的に元の資産配分(12.5%)に戻してくれることだ。バランス型以外は、自分でリバランスを行わなければならない。

バランス型のポートフォリオはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を参考に選ぶのも手

つみたてNISAは、「長期・積立・分散」投資を基本としている金融商品である。同じように年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も「長期的な観点から安全かつ効率的な運用」を行うように基本ポートフォリオを定めている。

つみたてNISAの運用方針と似ているので、GRIPの基本ポートフォリオを参考に資産配分を決めるのもいいだろう。GPIFの基本ポートフォリオは次のようになっている。

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(画像=著者作成)

つみたてNISAでは、4資産均等型のバランスファンドの中から選ぶことができる。ただし、それぞれの資産はまったく同じ比率ではない。4資産均等型に近いファンドは以下の銘柄だ。

DCニッセイワールドセレクトファンド(標準型)

運用会社……ニッセイアセットマネジメント
基準価額……2万453円
純資産総額……239.14億円
信託報酬……0.2160%(税込)

各資産配分は以下のようになっている。

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(画像=著者作成)

国内外の株式および債券市場を投資対象とし、バランス運用を行うファンドだ。GPIFと多少比率は変わるものの、株式比率50%、債券比率(短期金融資産含む)50%という構成は同じである。

DCニッセイワールドセレクトファンドでは、この標準型を基本として、リスクを取りたいなら「株式重視型」、リスクを抑えたいなら「債券重視型」を選択することができる。

DCニッセイワールドセレクトファンド株式重視型

ポートフォリオは以下の図のようになっている。

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(画像=著者作成)

株式の比率は70%(国内株式40%+外国株式30%)。積極的にリスクをとってリターンを目指したい人向けだ。

DCニッセイワールドセレクトファンド債券重視型

リスクを抑えたい人は、債券重視型を選べばよい。比率は以下の通りだ。

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(画像=著者作成)

株式比率は30%に抑えられているので、安全性が高い運用を行うことができるファンドである。

つみたてNISAの対象商品には、債券のみを運用する投資信託はない。初心者の人は、株式と債券が組み込まれたバランス型ファンドを購入し、リスク管理しながら資産運用を行うようにするのがいいだろう。

文・山下 耕太郎(金融ライター)/MONEY TIMES

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