iDeCo(イデコ)を始める際は、証券会社や銀行、保険会社など、多くの選択肢の中から1つの金融機関を選ぶ必要がある。iDeCo(イデコ)は長期投資を前提にしているため、選んだ金融機関と数十年付き合うことになる。iDeCo(イデコ)を始める際に、金融機関を選ぶポイントを解説する。

iDeCo(イデコ)の運営管理機関は160社超 証券会社、銀行、保険会社……

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(画像=PODIS/Shutterstock.com)

iDeCo(イデコ)の開設を受け付けている金融機関は、運営管理機関と呼ばれる。厚生労働省と金融庁の承認を受け、確定拠出年金の運用や支払いに関する事務代行や、資産運用に関する基礎的な資料の提供などを行う。

2018年3月末時点で運営管理機関の数は160社を超えており、証券会社だけでなく銀行や保険会社など、業態を超えて多くの金融機関が名を連ねている。iDeCo(イデコ)を始める際は、数ある運営管理機関の中から1つを選ばなければならない。

この160社を超える金融機関には様々な特徴があり、条件が同じではないのが、iDeCo(イデコ)の難しいところである。選別のポイントは、大きく分けて3つある。

iDeCo(イデコ)金融機関選びのポイント1……運営管理手数料が無料であること

iDeCo(イデコ)では様々な手数料が発生する。このうち国民年金基金連合会へ支払う手数料は一律で定められており、どこの金融機関でも差はない。一方で運営管理機関によって異なる運営管理手数料というものもある。

この運営管理手数料は金融機関によって大きく変わるため、金融機関を選別する際の重要なポイントの一つと言えるだろう。2019年2月時点では、運営管理手数料を無料としている金融機関がある一方で、月額450円を徴収している金融機関もある。その差は年間5,400円、30年間運用すると16万2,000円にもなる。

iDeCo(イデコ)では、一定額以上の積立を行えば、これを超える節税メリットが享受できる。ただし、少しでも運用成績を良くして将来に備えたいなら、iDeCo(イデコ)の運用管理手数料は必ず確認したい。

運用管理手数料を無料としている金融機関はネット証券に多いので、頭に入れておこう。

iDeCo(イデコ)金融機関選びのポイント2……3つの観点から商品ラインアップを比較

iDeCo(イデコ)は、金融機関のよって商品ラインアップも異なる。よって各社の品揃えを確認することも、金融機関選びの重要なポイントだ。商品ラインナップを比較するには、次の3つの観点で見てほしい。

ラインアップの豊富さ

iDeCo(イデコ)では、最大35本の商品ラインアップを揃えることができる。選択の幅が増えるため、ラインアップが多いことは金融機関選びの大原則だ。ただし、投資家が商品選びに悩まないようにとあえてラインアップを厳選している金融機関もある。このような意図が汲み取れる場合は、ラインアップの本数を気にしなくてもいいだろう。

信託報酬の低さ

余裕があれば、各社の揃える投資信託について、信託報酬(運用管理費用)の比較も行ったほうがいいだろう。投資対象が同じ商品で比較を行い、信託報酬が低い投資信託を扱う金融機関を探したい。わずかな差であれば問題ないが、0.5%以上の差がある場合は安いほうを選ぶべきだ。

系列の色がないかどうか

金融機関によっては、ラインアップがすべて同じグループ内の運用会社の商品というケースもある。一概に悪いとは言えないが、多くの運用会社の商品を万遍なく取り扱う金融機関のほうが、目利きの結果のラインアップである可能性が高い。

iDeCo(イデコ)金融機関選びのポイント3……自分にとって利便性がいいところ

ポイント1、2は、運用効率を追及するための選別ポイントであった。しかし、多くの人にとってiDeCo(イデコ)は長期投資となるので、運用効率を多少犠牲にしてでも利便性を重視するという考え方もある。利便性を考える際にチェックすべき点は以下の通りだ。

WEBサイトの使い勝手はいいか

多くの人にとって、口座管理を行うのはWEB上になるだろう。ここでの使い勝手が悪ければ、60歳までの間ずっと不便を強いられることになる。ここにも金融機関ごとの特徴があり、単に記録関連運営管理機関のWEBサイトへリンクさせるだけのところから、自社の管理画面で残高を確認できるところもある。事前に管理画面を確認しておくべきだろう。

基本的には確定拠出年金の運用実績の長い大手銀行や、大手証券会社は整備されていることが多い。ネット証券も、分かりやすいようにレイアウトに工夫を凝らしている印象だ。

コールセンター、窓口の使い勝手はいいか

問い合わせをする場合の利便性も重要だ。各社ともコールセンターを設けているが、受付時間や土日対応の有無などに違いがある。こうした違いにも目を向けたい。

対面での相談を行いたい人もいるだろう。その場合はネット証券などではなく、対面窓口のある証券会社や銀行を選ぶ必要がある。対面窓口のある金融機関でも、iDeCo(イデコ)の相談は受け付けていないケースもあるため、各社のルールを確認しておこう。

すでに取引のある金融機関で開設する手も

新規で金融機関と取引を開始する手間を考えれば、すでに取引のある金融機関でiDeCo(イデコ)を始めるのも手だ。給料口座や住宅ローンを組む金融機関と同じにするだけで、管理の手間は減るだろう。

3つのポイントから総合的な判断を

iDeCo(イデコ)の運営管理機関は、主に手数料、商品ラインアップ、利便性という3つのポイントで違いが生まれる。

手数料、商品ライアナップにおいては、ネット証券が特に力を入れている。一方利便性では、大手証券や銀行にも十分にメリットがある。

iDeCo(イデコ)では金融機関の変更(移管)もできるが、それに伴う手数料がかかるだけでなく、一旦すべての資産の売却する必要があるなどデメリットも多い。長期投資のパートナーとして、3つのポイントを総合的に考えてiDeCo(イデコ)を始める金融機関を決めたい。

文・MONEY TIMES編集部/MONEY TIMES

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