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閑散期といわれる2月も終わり、いよいよ春の到来だ。春といえば進学・就職・転勤の季節。歓迎会をはじめとした宴会の需要が高まるので、飲食店にとっては新規客を集客する大きなチャンスだといえる。そこで今回は「春」をテーマに、他店との差別化を図れる集客術を10個紹介しよう。

■SNSも賑わう「晴れ着」割

春は卒業・入学といったお祝いごとが多いシーズンでもある。そこで、和服を着た人を対象とした「晴れ着割」を行えば、学生のグループ客を集客しやすくなる。ハッシュタグをつけてSNSに投稿すると割引という形にすれば、SNSのタイムラインも華やかになり、話題性もアップするだろう。女性グループ、家族での来店など、シーンに合わせた特典を用意するのも面白い。

■“春らしい名前”の客を割引

歓迎会、送迎会は団体客が中心となるため、宴会プランを準備すれば売上を立てやすい。しかし、どの店も同じように考えるので、客の取り合いとなることも。そこでおすすめなのが、名前に「春をイメージする文字」がついている客に対して割引する「春割」だ。たとえば「春」「桜」「咲」「花」など春らしい漢字を指定しておき、その漢字が名前に使われている客には、身分証の提示を条件とし、20%割引やボトルワインプレゼントなど、思い切ったサービスをするといい。宴会の主役に喜んでもらえるので、きっとその場も盛り上がるだろう。

■さよなら平成リバイバルメニュー

「平成」は今年の4月30日で終わり、5月1日からは新元号となる。4月1日に新元号が発表される予定であることから、「平成」や新元号にちなんだサービスも限定感があって注目を集めやすい。例えば、平成に流行った懐かしいリバイバルメニューを提案するのもいいだろう。ティラミスやエッグタルトといったスイーツ系から、パクチーや熟成肉といった食材、さらにはエスニック料理や韓国料理などの海外グルメまでテーマはたくさんある。また、同時に平成に流行った曲を楽しむ企画を打ち出せば、幅広い世代の集客に繋がりそうだ。

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■店内の集客にこだわらない「お花見セット」

日本人が大好きなお花見。桜が見られる場所は多くの人で賑わうが、かといって飲食店も賑わうとは限らない。特に、花見スポットから離れた立地にある飲食店だと、なかなか集客が難しいのが実情だ。そのような場合には、予約制のお花見ピクニックセットの販売をしてみよう。花見会場からは離れていても、花見へ向かう道中で食べ物を買う客は多い。外で本格的な料理が食べられることをしっかりアピールして、容器やバッグもおしゃれなものを選んでみよう。保冷材をつけるのも忘れずに。

■春野菜やフルーツを使った彩りメニュー

春キャベツ、アスパラガス、イチゴ、ビワなど、春が旬の野菜や果物を使った期間限定メニューも外せない。春野菜料理の場合は、大きくカットした素材感や食感を楽しむものが好まれそう。フルーツジュースやスイーツは透明のカップに入れてテイクアウト可にしてもいい。インスタ映えメニューとして店頭に掲示するとさらに効果が上がりそうだ。

■花粉症に効くオリジナルメニュー

毎年増加傾向にある花粉症患者をターゲットにした、「花粉症対策メニュー」もニーズがありそうだ。例えば、ごぼうときな粉のヨーグルトシェイクなど、花粉症対策に良いとされる食材ばかりを使ったメニューを提供するといい。ポップやメニューなどでどういう成分が効くかも解説しよう。また、無料サービスとして持ち帰れるマスクを用意しておくと、優しい心遣いが評価されるだろう。

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■春のアイデアメニュー公募

春や夏の新メニューやネーミングをSNSで公募する企画も面白い。例えば採用者には当選メニューの「1か月間食べ放題チケット」を贈呈するなど、思い切ったプレゼントを用意しておけば、より多くのアイデアを集めることができそうだ。また、当選発表をSNS上で行うことで、新メニューの提供をスタートする際に集客が見込めるはず。広告費も不要で、新メニューのアイデアも募集できる一石二鳥の企画と言える。

■近隣店同士で提携も可能な「転入割」

春と言えば、引っ越しのシーズンでもある。当然、エリア内に転入してくる人も多いはず。そのような客には、アナログな近隣マップを作って配ると大変喜ばれる。近隣の店同士で提携してマップを作成し割引券を付ければ、互いに送客しあうこともできる。スタンプラリーにしても面白い。集客効果だけでなく、地域活性化にもつながりそうだ。

■友達同士でも楽しめる「ホワイトデー」のスイーツセット

バレンタインデーは女性から男性へチョコを贈り、ホワイトデーは男性から女性へお返しをする……というのも古い考えになりつつある。そこで、ホワイトデーには、友達同士やグループをターゲットとした「友パフェ」などを打ち出してみよう。男女関係なく、ペアやグループで楽しめる大皿のスイーツセットがあると、幅広い客層を取り込めるだろう。

■そんなはずない?「エイプリルフールメニュー」

4月1日のエイプリルフールには、常連客にアッと驚かれるようなジャンルのメニューを提供するのもいい。例えば、「寿司屋でパンケーキ」、「たこ焼き屋でハンバーガー」など、常識外のメニューを提供すれば話題になりやすい。もちろん、味は大切なので、密かに人気の裏メニューやまかないメニューをアレンジして考案するといい。この日はいつもと違った雰囲気を楽しんでもらおう。

春は集客しやすい時期ではあるが、工夫をしなければ客は集まらない。お店に行くかどうかは、直感や楽しさで決められる傾向があるので、メニューやキャンペーンのネーミングや、POPのデザインなどに力を入れる必要がある。ぜひじっくりと、「行ってみたい!」と思える企画を考えてみて欲しい。

執筆者:大槻洋次郎

(提供:Foodist Media