ネット証券の中でも人気上位を誇るのがSBI証券と楽天証券。ネット証券で口座開設をしようとしている人は、この2社のどちらにしようか迷う場合も多いのではないだろうか。そこで今回は、SBI証券と楽天証券を比較。メリット・デメリットを解説するので参考にしてほしい。

SBI証券と楽天証券の売買手数料は同じ

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(画像=mojo cp/Shutterstock.com)

現在ネット証券の中で売買代金がトップなのはSBI証券で、第2位が楽天証券だ。ネット証券の手数料競争を繰り広げてきたこともあり、両社とも株式の売買手数料は業界最低水準で、売買手数料は同じだ。

両社の1取引あたりの株式売買手数料
5万円まで 50円 (税込54円)
10万円まで 90円 (税込97円)
20万円まで 105円 (税込113円)
50万円まで 250円 (税込270円)
100万円まで 487円 (税込525円)
150万円まで 582円 (税込628円)
3,000万円まで 921円 (税込994円)
3,000万円超 973円 (税込1,050円)

SBI証券の特徴――ネット証券口座数トップ、IPO銘柄の取扱が多い

ここでまずはSBI証券の特徴を見てみよう。

ネット証券の口座数が業界最多

まず上げておきたいのが、口座数がネット証券各社の中で最多の426万1,410口座(2018年3月末時点)ということ。国内株式の委託個人売買代金シェアも35.1%と、こちらも業界トップとなる。取り扱っている投資信託の種類も豊富で、2,715本の内ノーロード投信の取り扱いが1,359本(2019年2月1日現在)。外国株の取り扱い国数としては、米国、中国、韓国、ロシア、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシアの9ヵ国。

9割以上のIPO銘柄を取り扱っている

2018年のIPOの取り扱い銘柄数は全90社の内86社と、全体の約95.6%ものIPO銘柄を取り扱っていて、11社の主幹事証券を務めた。

住信SBIネット銀行とも連携しており、銀行口座と証券口座間で無料の資金移動や追証の自動支払いなどに対応している。

ネット投資家にうれしいIPOチャレンジポイント制度

その他のメリットも見てみよう。無料の投資情報として投資のバイブルとも言われる四季報の閲覧が可能で、閲覧制限などは特になく何度でも自由。また、証券取引所を通さないPTS取引ができる点やIPOの当選確率を上げるIPOチャレンジポイント制度、投資信託の保有や株式売買で貯まるSBIポイント制度などがある。

楽天証券の特徴――楽天スーパーポイントが利用可能

それでは楽天証券の特徴はどのようなところだろうか?

ネット証券の口座数が業界2位

楽天証券の口座数は237万1,502口座で、国内株式の委託個人売買シェアは16.4%といずれもネット証券第2位。取り扱っている投資信託の種類は2,684本の内、ノーロード投信が1,354本と数多く取り揃えられている。外国株の取り扱い国数としては、米国、中国、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシアの合計6ヵ国。

2018年は主幹事証券を務めた実績なし

2018年のIPO取り扱い銘柄数は全90社の内11社と全体の約12.2%。2018年は主幹事証券を務めた実績はなかった。

銀行口座と証券口座の資金移動無料

楽天証券は楽天銀行との連携を行なっており、銀行口座と証券口座の無料での資金移動や追証の自動支払い、年0.1%(税抜き)の優遇金利も行っている。

楽天スーパーポイントを使ったポイント投資も

その他を見てみると、四季報だけでなく楽天証券が提供している日経テレコンを利用した日経新聞も無料で閲覧可能。さらに株式の売買や投信の保有で貯まるポイント制度や、楽天スーパーポイントを利用してのポイント投資ができる。

簡単にまとめると以下のような表となる。

SBI証券と楽天証券の比較
項目 SBI証券 楽天証券
口座数 426万1,410口座 237万1,502口座
投資信託
取り扱い本数
2,715本
(内ノーロード投信1,359本)
2,634本
(内ノーロード投信1,354本)
外国株取り扱い国数 9ヵ国 6ヵ国
IPO取り扱い銘柄数 86社(2018年実績) 11社(2018年実績)
銀行との連携 住信SBIネット銀行 楽天銀行
無料投資情報 四季報 四季報、日経テレコン
その他 PTS取引
IPOチャレンジポイント制度
SBIポイント制度
ポイント投資(楽天スーパーポイント利用可能)

SBI証券と楽天証券のメリット・デメリット

両社を比較した時のメリットとデメリットを見てみよう。

SBI証券のメリット・デメリット

SBI証券のメリットは業界No.1の口座数や投資信託のラインナップ、外国株の取り扱い国数、その他PTS取引が可能点など多々ある。一方デメリットは日経テレコンが無料で利用できず、楽天証券よりも情報収集に手間がかかる点、ポイント投資に対応していないなど、投資知識のまったくない人にとっては楽天証券の方がサポートが手厚い面もある。

楽天証券のメリット・デメリット

楽天証券のメリットは豊富な投資信託のラインナップや、年0.1%(税抜き)の優遇金利などの楽天銀行との連携による手厚いサポート。また日経テレコンが無料で利用できるところや、楽天スーパーポイントでの投資が可能なところ。一方でデメリットは外国株の取り扱い国数が少ない、IPOの取り扱い銘柄数が少ない、PTS取引がないなど。投資にある程度慣れてくると、SBI証券よりも自由度がないと感じる人もいるかもしれない。

SBI証券、楽天証券の口座を両方持つという選択肢も

SBI証券、楽天証券ともに一取引あたりの株式売買手数料は同じだが、その他の点でさまざまな違いがある。証券口座はいくつでも開設できるため、SBI証券と楽天証券の両方の口座を開設して、目的に応じて使い分けるのもいいだろう。

文・右田創一朗(元証券マンのフリーライター)/MONEY TIMES

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