国民年金への加入は、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人に法律で義務付けられています。そのため、会社を退職したときや、結婚して配偶者の扶養に入るなど、自分の環境に合わせて適切な年金の手続きが必要です。いつまでにどこでどのような手続きが必要になるのか、確認しておきましょう。

国民年金の手続きが必要な5つのケースと持ち物

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(画像=Monkey Business Images/Shutterstock.com)

日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の方で厚生年金保険に加入していない方は、すべて国民年金の第1号または第3号被保険者となります。第1号被保険者になるには、ご本人または世帯主がお住まいの役所にて手続きを行います。第3号被保険者は、配偶者の厚生年金の扶養に入る方です。配偶者の勤務先で手続きを行います。

手続きが必要なケースを具体的にみてみましょう。

1.20歳になったとき(初めて国民年金に加入するとき)

20歳の誕生月の前後に日本年金機構から「国民年金被保険者関係届書」が届きます。必要事項を記入して、お住まいの役所、もしくはお近くの年金事務所に提出します。

また、保険料の納付猶予制度や学生納付特例制度の申請書を同時に提出することもできます。学生納付特例制度の申請をされる場合は、学生であることの証明が必要です。

2.勤め先を退職したとき(厚生年金から国民年金に変更するとき)

勤め先を退職したときは、国民年金第1号被保険者または国民年金第3号被保険者になる手続きが必要です。

配偶者の厚生年金の扶養に入る場合は、国民年金第3号被保険者となります。配偶者が勤め先を経由して「被扶養者(異動)届」を日本年金機構へ提出します。それ以外の場合は、国民年金第1号被保険者となります。お住まいの国民年金担当窓口に年金手帳を持参して手続きを行いましょう。 

3.結婚・離婚など(国民年金の変更をするとき)

氏名、住所が変わったときは手続きが必要です。年金手帳を持参して、「被保険者氏名変更届」または「被保険者氏名変更届」をお住まいの国民年金担当窓口に提出します。

結婚により配偶者の厚生年金の扶養に入る場合は、配偶者が勤め先を経由して「被扶養者(異動)届」を日本年金機構へ提出するため、本人で行う手続きはありません。

離婚により配偶者の厚生年金の扶養から外れる場合は、国民年金の加入手続きを行い、国民年金第1号被保険者となります。

4.配偶者が勤め先を退職したとき(厚生年金から国民年金に変更するとき)

配偶者の厚生年金の扶養に入っていて、国民年金第3号被保険者だった人は、国民年金第1号被保険者に変更手続きが必要です。お住まいの国民年金担当窓口に年金手帳を持参して手続きを行います。

5.海外移住するが任意加入したいとき

海外に居住すると、国民年金は強制加入ではなくなりますが、任意加入することができます。 お住まいの国民年金担当窓口かお近くの年金事務所に、年金手帳と口座振替の場合は、預貯金通帳と金融機関お届け印を持参のうえ、手続きをしましょう。国内にいる親族等の協力者がご本人のかわりに納める方法もあるので、詳しい持ち物は役所にお問い合わせください。

国民年金保険料はいくら?

2019度の国民年金保険料は、1ヵ月当たり16,410円です。現金、口座振替、クレジットカードにて納付が可能です。ポイントの付くクレジットカードで納付すれば、実質的には保険料がお得になりますね。

また、一定期間の保険料をまとめて納めることにより保険料が割引となる「前納制度」があります。前納制度を利用するには、年金事務所に申出を行う必要があります。口座振替及びクレジットカードによる6ヵ月(4~9月分)、1年および2年前納のお申込み期限は2019年2月末まででした。現金納付については、4月中であれば手続可能です。

割引額は以下の通りです。

(1)6ヵ月前納の場合の保険料額(平成31年4月~平成31年9月分の保険料または 平成31年10月~平成32年3月分の保険料が対象)

・口座振替の場合:97,340円(毎月納める場合より1,120円の割引)
・現金納付の場合:97,660円(毎月納める場合より800円の割引)

(2)1年前納の場合の保険料額(平成31年4月~平成32年3月分の保険料額が対象)

・口座振替の場合:192,790円(毎月納める場合より4,130の割引)
・現金納付の場合:193,420円(毎月納める場合より3,500円の割引)

(3)2年前納の場合の保険料額 (平成31年4月~平成33年3月分の保険料額が対象)

・口座振替の場合:379,640円(毎月納める場合より15,760円の割引)
・現金納付の場合:380,880円(毎月納める場合より14,520円の割引) ※クレジットカード納付の前納の保険料額は現金納付と同じ金額になります。 

年金を払えないときは免除申請を

年金保険料を払っていない未納状態だと、督促状が送付され、それでも支払わなければ最終的には財産の差し押さえがされます。日本年金機構は2014年度から強制徴収の取り組みを強化しており、2017年度の財産差し押さえは、14,344件もありました。

経済的理由などで年金保険料が払えない人のためには、保険料の免除や納付猶予の制度があります。収入が減った、失業したなどで年金保険料の支払いが難しいときには、黙って保険料を払わないで未納にしてしまわず、お住まいの役所の国民年金窓口に免除申請に行きましょう。

年金保険料の免除や納付猶予が承認された期間は、年金の受給資格期間に参入されます。病気やケガで働けなくなったとき、免除や納付猶予を受けていれば障害年金を受け取れます。未納では受け取れませんのでご注意ください。

国民年金は、国民皆年金。相互扶助の制度であることを理解して、適切な手続きを忘れないようにしたいものです。

正田きよ子(ファイナンシャル・プランナー)/fuelle

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