大学入試も終わり、4月から子どもが県外の大学に進学して一人暮らしを始めるという人も多いのではないだろうか。子どもが親元から離れることに不安を感じると同時に、仕送り額も気になるところだ。今回は大学生の仕送り額の目安について検討してみたい。

大学生の受験から入学までにかかる費用

仕送り
(画像=iyomemo)

愛媛に住む学生の場合、自宅から自転車や電車を使って通える範囲の大学等に進学する他、関東や関西、中四国など県外の大学に進学する人も多いだろう。

独立行政法人日本学生支援機構が2018年3月に発表した「平成28年度学生生活調査結果」によれば4年制大学に通う学生は家庭からの仕送りが平均年間118万700円あるそうだ。さらに奨学金が38万5,300円、アルバイトが35万6,100円、定職・その他が4万3,800円だ。

これを1ヵ月あたりに直すと、仕送りが9万8,392円(小数点以下四捨五入)、奨学金が3万2,108円、アルバイトが2万9,675円ほどで、定職・その他を含めると1ヵ月の生活費は16万175円、家庭からの仕送りが10万円ほどになることが分かるだろう。

奨学金を生活費のアテにした仕送りをしてもよいのか

家計の負担を抑えるために、奨学金を受給するケースについて考えてみよう。極端な例ではあるものの、子どもが月10万円分の奨学金を受給すれば、仕送り金額の面から、家計への負担が軽減される。しかし、それが本当に妥当な金額なのかを考える必要がある。

というのも、奨学金は給付型や貸与型、無利子・有利子で違いはあるが、給付型以外の奨学金はいずれ子どもが全額返済しなければならず、返済不能になると信用情報機関に登録され、クレジットカードの審査、携帯電話の割賦購入、住宅ローンの審査などに影響が出てしまうからだ。

学業で優秀な成績を修めると授業料が減免されたり、給付型の奨学金を受けやすくなったりする。そのため、まずは返済しなくてもよい奨学金等の利用を検討し、いくら借り入れをして毎月いくらずつ返済したら最終的に何歳で完済できるのかをしっかり考え、仕送りの目安を決めることが肝心だ。

子どもが東京の大学に進学、生活費はいくらかかる?

先程の調査結果はあくまでも全国平均での試算だ。そのため、地域によっては下記金額より安くなるケースもあるし、高くなる場合もある。例えば、物価が高い東京の大学に子どもが入学する場合について考えてみよう。

下記は筆者の大学時代、一人暮らしをしていた時の1ヵ月の支出を表したものだ。

項目  金額
家賃  7万円
光熱費 1万円
通信費 8,000円
交通費 5,000円
食費  3万円
雑費  7,000円
交際費 1万円
合計  14万円

※通信費は携帯電話代、インターネット回線代、雑費には洋服代、美容代、趣味に使うお金、交際費は友達との食事、サークル代などを想定。 実は、私は貸与型の奨学金を受給しており、毎月7万円奨学金が振り込まれたら、家賃にそのまま充当。それ以外の生活費は、月8万5千円ほど(所得103万円以内)をアルバイト代から充てていた。学費は両親に出してもらっていたが、大学に進学を希望している弟もいたので、家計を考えてアルバイト代と奨学金で生活することにした。

こういう風に言うと、「苦労したんだね」と思われるかもしれないが、初めての一人暮らしだったので工夫しながら楽しく生活を送っていた。節約のため、電化製品を購入する時には、毎月どれくらい電気代金がかかるのか計算して、省エネタイプを購入。動画サービスを見ながら安くてカンタンにできるご飯を自炊していたし、まかないがもらえるアルバイト先を選び、食費を浮かせるようにしていた。

東京は物価が高いのでどうしても生活費が高くなりがちではあるものの、地方に比べると人件費が高く、時給1,000円を超えるアルバイトもたくさんある。学生時代はいろいろな職種にチャレンジできるので、社会性を身につけつつ、学業やサークルと両立していた。

もちろん、ときには十分な仕送りをもらえる友達のことを羨ましいなぁと思ったこともあった。サークルや友達との旅行代金、帰省費用や就職活動費用など、少しまとまったお金が必要な時は宝くじがあたらないかなと祈ったりしつつ、節約とアルバイトを増やしてコツコツと積み立てたりもした。将来就きたい職業があったので、納得して大学に進学したものの、仕送りが3万円あればもう少しゆとりをもった生活ができたかも……と思うこともあった。そういった学生生活を送っていたので、お金のコントロール力が自然と身についたのはよかったと思っている。

これはあくまでも私の例で「楽しんで生活できた」のがよかったのだが、生活が苦しいと大学を退学する選択をする人もいる。各家庭でお金をどう工面するかはよく相談するほうがよいだろう。

仕送りはいくらが目安になるのか

東京に進学する子どもがいて奨学金を借りない場合、仕送りはおおよそ14〜15万円、奨学金を借りる場合は家計の状況に合わせて5〜10万円だ。仕送りや奨学金で不足する生活費の補い方を、子どもとよく話し合っておくべきだろう。子どもは物心がつけば家計の状況が分かる様になるものだ。子ども自身が大学進学を強く希望するなら、仕送りと奨学金とアルバイト代で生計を立て、卒業後に毎月しっかり奨学金を返済するという自覚も出てくるだろう。

子どもにお金のことで大変な思いをさせたくない場合は、子どもが小さい頃から学資保険に加入したり、教育資金をコツコツ積み立てたりしながら準備をしておくとよいだろう。さらに、入学資金や新生活関連の費用については、親が教育ローンを借りることでもまかなえる。奨学金はあくまでも子どもが大学に入学してから支払われるものだから、教育ローンで借り入れできる状況を作っておくと余裕を持って子どもの新生活を応援することができるのではないだろうか。(提供:iyomemo

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