前週末については、メイ英首相のEU離脱協定案を賛成286、反対344の反対多数で否決しました。この動きを受けて、英政府は4月12日までに今後の方針をEUに示す必要がありますが、打開策がなければ同日に「合意なき離脱」が決まる恐れが出てきました。ポンドについては、「合意なき離脱」の可能性が高まったことから全面安の動きとなり、ポンド円は一時143.860円、ポンドドルでは1.30821ドルまで下値を拡大しています。

本日は、英政府が欧州連合(EU)離脱を中止するよう求めるオンライン請願について、4月1日に審議すると正式に回答したこともあり、この点が注目されそうです。また、不確定な情報ではありますが、一部報道で2度目のIndicative votesがあるのではないかとも言われており、状況次第では大きくポンドが売られそうです。栄光のEU離脱案の動きとしては、「合意なき離脱」が回避されるようだとポンド買い、そうでなければポンド売りが強まるという図式は変わっておらず、現状はマーケットが「合意なき離脱」の可能性を意識しだしたことによるポンド売りだと考えられます。

非常に不安定な動きを継続しているトルコリラですが、懸念されていた週明けの統一地方選の影響は限定的となりました。エルドアン・トルコ大統領の地元イスタンブール市長選では、与党・公正発展党(AKP)候補が早々と勝利宣言したものの、その後に 最大野党・共和人民党(CHP)候補も自身の勝利を確信とのコメントを発表しており、依然として混沌としています。イスタンブールで敗北となれば、AKPは3大都市(アンカラ、イズミル、イスタンブール)で全て敗北となるため、マーケットへ影響を及ぼすかもしれません。

今後の見通し

FXプライム,市況解説
(画像=PIXTA)

週末31日に発表された中国・3月製造業PMIは市場予想49.6が結果50.5、中国・3月非製造業PMIが市場予想54.0に対して54.8と総じて強い結果となりました。週明けの豪ドルについては、豪ドル円で78.90円付近まで上窓となっています。そうなると、自ずと本日予定されている中国・3月Caixin製造業PMIが重要になってきますが、ここでも強い結果を出すのであれば、豪ドルについては底堅い動きになりそうです。

トランプ大統領が、自身のツイッターで「メキシコが米国に向かう不法移民すべてを直ちに止めなければ、4月以降に国境を閉鎖するか大掛かりな規制を発動する」と警告したことにより、リスク回避の動きが強まるかと思われましたが、大きくドル売りに傾くような動きは今のところ見られていません。また、「FRBによる利上げは「間違い」だった」などとツイートしているものの、カシュカリミネアポリス連銀総裁は「FRBは市場の圧力に屈して「時期尚早な」利下げに踏み切るようなことがあってはならない」という考えを示し、クオールズFRB副議長も、「生産性や投資に関する前向きな傾向が続けば、追加利上げが必要になるかもしれない」との見方を示していることから、ドル円については底堅いになりそうです。

また、南アランドについては、3月29日に予定されていた格付け会社ムーディーズが南アフリカの格付けを発表する予定だったものの、ムーディーズは格付け発表を延期しました。延期理由や次回の公表予定日は示さなかったものの、目先の不安要素が取り除かれたことでランド買いが強まりそうです。

明確な方向性を示さない限り、戻り売りが基本スタンスになりそうだ

ポンドドルについては、寄稿通り1.3120ドルに達したことでショート、利食いについては、一時1.300ドルを割り込んだものの、すぐさま反発したことから1.3000ドルにて利食い、手仕舞です。本日も引き続き、ポンド中心のマーケットになりそうですが、ポンドドルは1.3080ドルまで値を戻すようであれば戻り売り、利食いは今後こそ明確に1.3000ドルを下抜けると考え、1.2950ドル付近、損きりについては、1.3130ドル上抜けとします。

海外時間からの流れ

本日は、11:30を目途に新しい元号が発表されます。既にご祝儀相場になるのではないかとの見方が強まっていることから、株高によるリスクオンの動きが一時的かもしれませんが、強まる可能性があります。特に、リスク資産通貨の上値が抑えられていたので、リスク回避の巻き戻しが強まれば、想定以上にクロス円は買い戻される可能性があります。

今日の予定

本日は、中国・3月Caixin製造業PMI、英・3月製造業PMI、米・2月小売売上高、米・3月ISM製造業景況指数などの経済指標が予定されています。要人発言としては、 ポロッツ・加中銀(BOC)総裁などの講演が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

FXプライムbyGMO情報分析チーム
為替のみならず、株式、商品相場の経験者が多角的な目線でマーケットを分析します。執筆者は営業推進部マーケッツグループ長、稲井有紀、グループ長代行、崔 敏樹。