iDeCo(イデコ)を始める上で重要となるのが、どの金融機関で始めるかということだ。そこで今回は個人投資家に人気のネット証券会社大手であるSBI証券と楽天証券をピックアップ。それぞれのiDeCo(イデコ)の特徴を徹底比較する。
iDeCo(イデコ)を始めるには金融機関選びが重要——ネット証券なら手数料が安い
iDeCo(イデコ)は自分で掛け金をねん出し、自分で選んだ金融商品で運用しながら積立し、60歳以降に受け取れる個人型の年金だ。iDeCo(イデコ)はどんな金融商品で運用するのか自分で決めることができ、運用対象となる金融商品は、申し込みをした金融機関によっても異なるため、金融機関選びが大きなポイントとなる。
iDeCo(イデコ)ができる金融機関は証券会社をはじめ、銀行などさまざまある。中でも手数料が格安で商品が充実しているのがネット証券会社だ。魅力的な商品をそろえており手数料も安く、特にサービスと商品が豊富で人気なのがネット証券大手のSBI証券と楽天証券だ。
iDeCo(イデコ)を取り扱うSBI証券と楽天証券を比較
SBI証券と楽天証券の手数料や商品本数などを比較すると以下の表になる。
SBI証券 | 楽天証券 | |
---|---|---|
加入時・移換時手数料 | 2,777円(証券会社分無料) | 2,777円(証券会社分無料) |
口座管理手数料(掛金拠出者) | 167円(証券会社分無料) | 167円(証券会社分無料) |
口座管理手数料(掛金を拠出しない方) | 64円(証券会社分無料) | 64円(証券会社分無料) |
セミナー | あり(無料) | あり(無料) |
無料のロボアドバイザー | あり(SBI-iDeCoロボ) | なし |
商品本数 | 87本 | 32本 |
国内株式 | 19本 | 6本 |
国内債券 | 3本 | 2本 |
国内REIT | 4本 | 2本 |
海外株式 | 21本 | 5本 |
海外債券 | 10本 | 4本 |
海外REIT | 3本 | 1本 |
国内外株式 | 0本 | 2本 |
コモディティ | 2本 | 1本 |
バランス型 | 21本 | 5本 |
ターゲットイヤー型 | 4本 | 3本 |
元本確保型商品 | 4本 | 1本 |
※SBI証券と楽天証券のホームページを基に編集部にて作成
SBI証券と楽天証券のインデックスファンドのコストを比較すると以下となる。
ファンド名 (SBI証券) |
信託報酬 | ファンド名 (楽天証券) |
信託報酬 | |
---|---|---|---|---|
国内株式 | 三菱UFJ国際-eMAXISslim国内株式(TOPIX) | 0.1674%以内 | 三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド | 0.1728% |
国内債券 | 三菱UFJ国際-三菱UFJ 国内債券インデックスファンド(確定拠出年金) | 0.1296% | たわらノーロード国内債券 | 0.1512% |
国内REIT | ニッセイ-DCニッセイJ-REITインデックスファンドA | 0.27%以内 | 三井住友・DC日本リートインデックスファンド | 0.2700% |
海外株式 | ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.11772%以内 | たわらノーロード先進国株式 | 0.2160% |
海外債券 | 三菱UFJ国際-eMAXISslim先進国債券インデックス | 0.1836%以内 | たわらノーロード先進国債券 | 0.1836% |
海外REIT | 三井住友-三井住友・DC外国リートインデックスファンド | 0.2916%以内 | 三井住友・DC外国リートインデックスファンド | 0.2916% |
バランス型 | 大和-iFree年金バランス | 0.17172% | 楽天・インデックス・バランス(DC年金) | 0.2078% |
※SBI証券と楽天証券のホームページを基に編集部にて作成
SBI証券、楽天証券ともに証券会社受取分の手数料は無料
iDeCo(イデコ)に必要な手数料はSBI証券、楽天証券ともに証券会社の受取分は無料となっている。iDeCo(イデコ)を行う上で必要な手数料は、加入時・移換時手数料、運営管理手数料などがあるが、SBI証券、楽天証券ともにどちらもすべて無料なため、手数料コストという点ではどちらを選んでもいいだろう。
SBI証券のiDeCo(イデコ)の特徴――圧倒的な商品数とロボアドバイザーで自分に合った商品が選べる
SBI証券はiDeCo(イデコ)の運用を10年以上行っており、楽天証券と比較した場合に大きく異なるのが商品ラインナップの充実度があげられる。iDeCo(イデコ)向けの金融商品は楽天証券が32本なのに対し、SBI証券は87本と倍以上の数を誇る。さまざまな商品をバランスよくそろえており、投資スタイルなどに合わせて選べるというメリットがある。
商品本数が多すぎるとどれを選んでいいのかわからない、という方には無料で利用できるロボアドバイザーの「SBI-iDeCoRobo」が便利だ。簡単な質問に答えるだけで、元本確保派から積極派まで6種類の運用スタイルに分類し、それに合った商品を提案してくれる。
提案される商品はSBI証券の取扱銘柄の中でも設定から3年以上経過しており、モーニングスター社の格付けで高評価を得ているものだけなので安心だろう。「SBI-iDeCoRobo」はSBI証券で証券口座を開設していない方でも試せるため、iDeCo(イデコ)を始める前に試してみてはいかがだろうか。
楽天証券のiDeCo(イデコ)の特徴――運用コストを抑えた厳選ラインナップで選びやすい
楽天証券はSBI証券に比べると商品本数は32本と少ないものの、厳選された商品ラインナップになっており、コストの安いインデックスファンドも充実している。本数を厳選しているため、商品選びがしやすいというメリットがある。
また楽天証券だけでしか買えない「楽天・全米株式インデックス・ファンド(全米株式)」と「楽天・全世界株式インデックス・ファンド(全世界株式)」があるのも楽天証券のメリットといえる。これは楽天投信投資顧問の米国大手投信会社であるバンガード社と共同で提供している商品で、日本を含む全世界の株式または全米の株式に投資できる商品だ。低コストで世界の会社に投資ができるというのは魅力的なため注目を集めている。
また楽天証券の強みとして、資産管理のしやすさもあげられる。証券口座とiDeCo(イデコ)口座を一括で管理できるため、他の投資とiDeCo(イデコ)を行う場合は便利だろう。
iDeCo(イデコ)を始めるならSBI証券と楽天証券を候補に入れたい
SBI証券と楽天証券は共にiDeCo(イデコ)にもかなりの力を入れている。サービス、商品ラインナップともに優れており甲乙つけがたい。どちらも一考の価値がある証券会社であり、iDeCoを始めるならぜひ候補に入れておきたい。
文・MONEY TIMES編集部/MONEY TIMES
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