(本記事は、黒坂岳央氏の著書『年収1億円超の起業家・投資家・自由業そしてサラリーマンが大切にしている習慣“億超えマインド”で人生は劇的に変わる!』=大和出版、2019年4月30日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

イールドギャップという考え方

年収1億円超の起業家
(画像=『年収1億円超の起業家・投資家・自由業そしてサラリーマンが大切 習慣“億超えマインド”で人生は劇的に変わる!』※クリックするとAmazonに飛びます)

年収1億円以上の人たちは、ほぼ間違いなく、時間に値札がついているのがハッキリと見えているでしょう。そして、彼らは時間をお金で買っています。

「時間を買う」と言っても、いったいどのような行為を指すのかイメージしづらいかもしれませんので、具体例をいくつかお話しします。

たとえば、「資格取得のためにお金を払って専門のスクールに通う」のは、時間を買う行為です。

スクールは、頻出範囲や問題、効率的な暗記方法などを教えてくれます。明確な課題や勉強の仕方を提供してくれますから、受講生は自分で出題傾向や勉強法を調査して見極める時間をまるまる節約し、そのぶん試験勉強に集中することができるわけです。

また、家事に外注やアイテムを取り入れることも同様です。

洗濯をクリーニングで済ませる。通販や食材の宅配サービスで料理の時間を短縮する。自宅の掃除はロボット掃除機で済ませる。

こうしたことで浮いた時間を、将来、自分の利益になることに費やす(投資する)ことができるからです。

投資の世界でも同じことが言えます。

不動産投資の世界には、「イールドギャップ」という考え方があります。

簡単に言えば、不動産を買い、借金をして支払わなければいけない金利が年間5%で、その不動産から得られる収益の利回りが年8%の場合は、その差である3%分がそのまま利益になる、というものです。

たとえば、2000万円の中古マンションに投資をするとしましょう。

投資経験がない人は「手元に2000万円を用意しなければ投資はできない」と考え、「借金をしてまで投資物件を買うのはとてもリスクが高い」と感じてしまうでしょう。

しかし、手元に一切資金がなかったとしても、会社員であれば「企業に所属している」という信用力を使って、お金を借りることができます。

借りたお金の利子が年利2%だとすると、「2000万円×2%=40万円/年」の利子を支払うことになります。

一方、このお金で購入したマンションを賃貸物件として貸し出し、年利5%の家賃収入を得ることができれば、「2000万円×5%=100万円/年」が入ってきます。

100万円から40万円の利子を支払えば、60万円は手元に残ることになりますね(※マンションの管理費や税金などもかかるため、実際には諸経費が差し引かれます)。

つまり、借金をして利子を払いつつ、投資からそれ以上の利益を得ることにより、何もないところから年間60万円の利益を生み出すことができるわけです。

お金を貯めてから物件を買おうと考えると、2000万円を貯めるにはかなりの時間をかけなければいけません。

投資家のNさんの年収は1億円を超えていますが、彼には数億円の借金もあります。

その気になれば無借金で収入だけを増やすこともできるのですが、Nさん曰く「借金をしないなんてもったいない」。彼は、銀行から可能な限り借り入れをして、そのお金で資産を買い続けています。

彼のようにイールドギャップという概念を理解していることで、将来得られる利益を先取りすることができるわけです。

時間の節約が大きなリターンをもたらす

お金持ちや成功者は、このように未来に得る予定の利益を先取りするのがとても上手です。

たとえば、Googleは、Android社、YouTube社を買収しました。

ゼロからモバイル用のOSを開発したり、動画配信サイトを作り上げるのは途方もない時間がかかりますし、いざ完成した後も、知名度を獲得するのにやはり時間がかかります。

Googleは、システムの開発やブランディングにかかるその時間を、まるごとM&Aという行為で購入したわけです。買収することによって、ゼロから作り上げるよりも圧倒的に早く収益化させ、Googleはモバイルや動画の分野でも世界を席巻することになりました。

この「時間をお金で買う」という考え方は、どんな人でも有効活用することができます。

たとえば、会社員として働くうえで、できる限り勤務先の近くに住むことは大きなメリットがあります。満員電車で長時間かけて通う必要がなくなれば、人混みで疲れたり、風邪をうつされたり、混雑による遅延で焦ったりするストレス、リスクから解放されます。

さらに、空いた時間でスクールに通う、家族とゆっくり過ごすなど、健全で生産的な過ごし方ができるのです。

先にも出た「コンビニでは決して飲み物を買わない」というコンサル会社のCさん。

彼は、極力電車に乗らないようにしています。

曰く、「インフルエンザをうつされたり、酔っぱらいに絡まれてしまうリスクを考えると、割高でも車で移動をするほうが結果的に安全」なのだと言います。

万が一、不慮のトラブルに巻き込まれた際に失う時間は、計り知れません。だからこそ、時間をお金で買うのです。

抑えるところは抑え、必要なものには躊躇なくお金を使う。とても合理的な行動だと言えるのではないでしょうか。

【億超え習慣】
リスクを避けること、そして利益を先取りできることにお金を費やす。

お金を落とすべきアイテムとは

〝あるある〞はどこまで信用できる?

「お金持ちはブラックカードを持っている」
「一流の人は必ず長財布を使っている」
「フェラーリやロールスロイスを所有している」

このように、〝お金持ちの共通点〞は、よく耳にすると思います。

しかし、私がこれまでに出会った「億超え」の人たちを見ていると、世間一般で言われる「これぞお金持ちの必須アイテム」と実態は、かなり異なるという印象です。

1.クレジットカード

まず、使用しているクレジットカードの「格」で相手がお金持ちかどうかを見抜くことは簡単ではありません。

世界トップクラスの「超富裕層」であるビル・ゲイツや、投資家のウォーレン・バフェットは、アメリカン・エキスプレスの一般カード(緑色)を使っていると言われています。

ネット通販の会社を経営するAさんの年収は4000万円。彼は、楽天カードを愛用しています。

「あまり飛行機にも乗らないから空港のラウンジも使用しないので、ゴールドカードは無駄。楽天カードのポイントを貯めたいんです」というAさんの言葉に驚かされたこともありました。

かつてはインビテーションカード(カード会社が選んだ人にしか発行されない特別なカード)として有名だった、とある高級カードも、今では門戸を広げており、誰でも申し込みができるようになっています。

このような理由から、持っているクレジットカードで所得を見極めるのは、あまり確実な方法ではないと言えるでしょう。

2.長財布

それから、「お金持ちは長財布を使う」という話も一頃、かなり話題になりました。

これについては、「昔はそういった傾向があったかもしれないが、今は違う」というのが私の見解です。

なぜなら、今は世界的にキャッシュレス化へ舵切りをしており、国内でもキャッシュレス決済はごく一般的になってきているからです。

これにより、長財布に紙幣を大事に保管する必要性は薄れてしまいました。

ある投資家の知人は、出かける時は基本的に手ぶらというスタイルです。ポケットにスマホと、クレジットカードとSuicaの入ったカードケースを入れて出かけます。

「クレジットカードやスマホ決済に対応しているお店しか利用しないから、現金を持ち歩くことはない」と話していました。

また、これまでに累計10億円以上の利益を稼ぎ出しているアメリカ人トレーダーの友人は、「キャッシュ・マネジメントで重要なのは、大きなお金をしっかり管理することだ。

財布に入っているような少額のお金に囚われていても意味はない」と言い切り、特定の財布は持っていません。

近年は富裕層の中国人観光客が多数日本を訪れるようになりましたが、中にはすべての決済をスマホで行う「財布すら持たない人」さえもいるのです。

3.高級車

「お金持ちと言えば高級車」というのも、あてになりません。

たとえば、今は月額料金を支払うことで、フェラーリやポルシェなどの高級外車を使用できる共同所有サービスがあります。

通常、レンタカーやカーシェアリング、代車のナンバープレートに使用されるのは「わ」がつくナンバーですが、個人間のシェアリングの形式にすることでこれを回避できるサービスも存在しています。「借りている」のではなく、〝オーナー〞としてふるまえるのです。

また、都心に暮らす富裕層は、自分で車を持つより、いつでもつかまるタクシーのほうが利便性が高いからと、あえて車を持たない人も少なくありません。

腕時計で〝値踏み〞される

ここまで読んで、「なんだ。じゃあ、お金持ちであることをチェックできるアイテムなんて存在しないんだ」と拍子抜けされた方もいるでしょうか。

実は、ひとつ、お金持ちであることがわかるアイテムがあります。

それは「時計」です。

いつの時代も、お金持ちは時計に投資をすることが多いのです。なぜなら、「相手からチェックされるから」です。

スマホが普及したことなどにより、特に高級腕時計については、「時間をチェックするアイテム」としての価値はほとんどなくなったと言っても過言ではありません。

しかし、本当に良質な時計は軽く数千万を超えることもあり、資産に余裕のある人でなければ買うことはできません。また、同じお金持ちの相手から、身につけている時計で値踏みされてしまうことも多く、「時計に興味がなくても、必要に迫られてつけざるを得ない」と言う人もいるほどです。

私も高級腕時計が好きなのですが、あるとき、商談相手がパテックフィリップのグランド・コンプリケーションモデルをつけていることに気がつきました。

パテックフィリップは、180年の歴史を持つ、スイスの高級時計ブランドです。

都内のマンションの1室を買えてしまうくらいの値がするこの時計は、一見するだけでは、ほとんどの人はそれが高級であることに気づかないような、シンプルなデザインをしています。

しかし、見る人が見ればすぐにわかります。色彩の濃い腕時計で、非常に精密に作られているため、ハードに使うと壊れてしまいます。かつては、王族など、非労働階級の人たちから愛されていた時計なのです。

【億超え習慣】
クレジットカードや財布といったアイテムにこだわらず、良質な腕時計を持つ。

『年収1億円超の起業家・投資家・自由業そしてサラリーマンが大切 習慣“億超えマインド”で人生は劇的に変わる!
黒坂岳央(くろさか たけを)
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、東京で会社員を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。ビジネス雑誌やニュースサイトでビジネス記事を書いている。他の著書に『年収1億円超の起業家・投資家・自由業そしてサラリーマンが大切にしている習慣 “億超えマインド"で人生は劇的に変わる!』など。

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