投資の目的は「収益」を得ることだ。おそらく、すべての投資に当てはまる理由だろう。その際、どのように利益を得るかという仕組みは投資手法の違いでさまざまだが、投資家としてはその仕組みについて十分に理解しておくべきだろう。それが自身の投資効率を高めることにもつながるからだ。そこで今回は、数ある投資の中から不動産投資を取り上げて、不動産投資によって得られるふたつの利益、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」について解説する。

不動産投資のインカムゲイン

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(画像=kan_chana/Shutterstock.com)

不動産投資の「ふたつの利益」のうちのひとつが、「インカムゲイン(income gain)」だ。インカムゲインとは、ある資産を保有することで、継続的に受け取れる収入のことを指している。例えば、銀行に預けたお金から受け取る利息はインカムゲインだ。

不動産投資のインカムゲインは家賃収入である。仮に、8部屋あるワンルームの賃貸マンションを所有し、全部屋を月額賃料6万円で賃貸した場合、毎月48万円(=8部屋×6万円)、年間にして576万円(=48万円×12ヵ月)を家賃収入、つまりインカムゲインとして得ることができる。

当然だが、このインカムゲインは、常に一定額を得られるというものではない。借り主が部屋を出て、空室状態になれば、その部屋からの家賃は得られなくなる。加えて、築年数の経過で建物が老朽化すれば、借り主を呼び込むために、現在よりも家賃を下げる必要に迫られるかもしれない。賃料の設定は、不動産投資における重要な検討課題だ。しかし、基本的には、長期間安定した収入が見込める性質のものであり、このインカムゲインが不動産投資の大きな魅力といえる。

不動産投資のキャピタルゲイン

次に、「キャピタルゲイン(capital gain)」を説明しよう。これは保有資産の価格が上昇することによって得られる収益のことを指す。例えば、株式などの有価証券を購入し、その価格が上昇したときに売却したとしよう。そこで得られる値上がり益がキャピタルゲインだ。

不動産投資の場合、投資物件の売却時に得られる値上がり益が、キャピタルゲインに該当する。仮にあなたが物件を3,000万円で購入し、その価格が4,000万円に上昇したときに売却すれば、差額の1,000万円がキャピタルゲインとなる。もっとも、かつてのバブル期ならいざ知らず、不動産価格は常に上昇するとは限らない。売却時の不動産価格が、購入時よりも下落していれば、キャピタルゲインは得られない(売却で損失が発生することをキャピタルロスという)。

将来における物件価格の推移を判断するのは、不動産取引のプロでも難しい。今の時代、キャピタルゲインのみを狙った不動産投資は、ハイリスクだと言わざるを得ないだろう。

インカムゲインとキャピタルゲインの両方に着目

不動産投資物件を選定するにあたっては、インカムゲインとキャピタルゲインというふたつの利益に着目して、より条件の良い物件を選んでほしい。インカムゲインに着目すれば、借り主にとって利便性の高い物件(室内設備の充実、セキュリティー面の充実、立地の利便性など)を選ぶことが、安定収入につながるだろう。また、キャピタルゲインに着目すれば、山手線の「高輪ゲートウェイ」のような「新駅が物件の最寄りにできる予定がある」など、将来的に不動産価格が高騰する可能性があるかどうかといった点も重要である。

不動産投資は、インカムゲイン(=安定した家賃収入)にスポットライトが当たることが多い。確かに、月間や年間で収益を計算できる点は、不動産投資の大きな魅力であり、インカムゲインを基軸として考えることは重要である。一方、売却のタイミングに恵まれれば、キャピタルゲインから得られる利益も非常に大きいのだ。

不動産投資は購入から売却までが一区切り。インカムゲインとキャピタルゲインの両方を踏まえて投資計画を立てておこう。エグジット(資金回収)したとき、その投資の運用成績は決まるのだ。