中古区分投資とは、購入した中古の分譲マンションを賃貸して、借り主から家賃収入を得ることだ。特に東京都内にある中古分譲マンションは、「高嶺の花」の新築分譲マンションと比べて、購入価格をかなり抑えられるので、投資対象として注目されている。中古区分投資において、空室期間を短くして安定した家賃収入を得るためには、どのような物件を選ぶべきなのか。今回は物件選びのポイントについてお伝えする。

室内設備の確認

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(画像=PIXTA)

まずは物件選びにあたって、電気コンロ、ガスコンロ、給湯器、エアコンなどの室内設備について、くまなく確認しよう。通常、これらの設備は、10年~15年で交換しなければならないため、購入時に設備が古くなっている物件だと、購入後早々に交換が必要となる。そうすれば別途、費用負担が増えることになるだろう。見た目がきれいかどうかではなく、購入時点で設置から何年経過しているかを確認したい。

賃貸期間中に給湯器やエアコンなどの交換が必要となった場合、借り主の不注意ではなく、通常の生活において損耗したことが理由であれば、民法の賃貸借ルールに基づき、原則的に修繕義務は大家にある。中古物件を購入する場合は、物件選びの段階で十分なチェックを怠ったゆえに、後々、不要な出費がかさむことのないよう注意したい。

見えない部分が結露していないか?

もし、あなたが物件を見学した際に、部屋の壁紙の隅が黒ずんでいたら、その部屋では壁の中で、結露が発生している可能性がある。一般的に分譲マンションは、気密性が高いため、熱効率(冷暖房効率)が良いというメリットがあるが、その反面、結露が発生しやすいというデメリットもある。極端に結露が発生している物件は、カビが生じやすく、借り主に敬遠される要因となる。築年数の長い中古物件では、特に気を付けたい点だ。

リフォーム前の物件であれば、各部屋の壁紙を隅々まで見ることで、結露を見つけることができるだろう。しかし、リフォームにより壁紙が新品に交換されている場合などは、見た目だけでは、結露の有無を確認することができない。そこで、壁紙が新品に交換されている場合は、収納部分の木枠や窓の木枠に黒ずみがないかを確認しよう。新品のクロスできれいにしていても、こうした木枠の部分までは隠せないことが多い。もし、木枠に黒ずみがある場合は、やはり、結露が生じている可能性がある。こうした物件には注意しよう。

物件全体の管理状態もチェック

上記のような室内のチェックだけでなく、物件の管理状態についても確認しておきたい。いくら室内設備が最新のものになっていても、管理状態の悪い物件は借り主に嫌われるからだ。

管理状態を見るには、例えば「自転車置き場にある自転車がきちんと整列されているか」、「エレベーター内に落書きがないか」、「郵便受け周辺に広告チラシが散乱していないか」、「ゴミ収集所にゴミが散らかっていないか」、「廊下や階段に荷物が置かれていないか」などのポイントがある。こうした点から、その物件の管理が行き届いているかを必ず確認しておこう。

中古区分投資における物件選びについて、価格やエリアではなく、物件そのものの状態に関するポイントを列挙して説明した。物件を見学する際、「給湯器やエアコンなどの室内設備が古くなっていないか」、「壁内結露の発生を思わせる黒ずみが見当たらないか」、「共用部分の管理が行き届いているか」の3点について、必ず十分に確認してほしい。

そのほかにも、実際に現地に足を運んで、入居者の視点で物件を見れば、いろいろと気が付くこともある。中古の分譲マンションは、ある程度の期間、その住居が実際に使用された後の状態を見られるため、新築分譲マンションと比べると、物件の管理面でのよしあしが判断しやすいといえるだろう。