前日については、イースター休暇明け初日ということもありマーケット動向が注目されましたが、ポンドについては、イースター休暇中に伝わった「メイ首相率いる与党・保守党の幹部はメイ氏に6月末までの辞任を求める見通し」との英紙報道を手掛かりにポンド売りが強まりました。ポンドドルでは一時1.300ドルを回復する場面もありましたが、先行き不透明感が強く、まずはリスク回避の動きが主導したかたちになっています。ポンドドルは、一時1.29293ドルまで下値を拡大しています。

ドル円についても、東京時間に111.655円までドル安円買いの動きが強まりましたが、その後は特段ドルを売り材料もなかったこともあり、112円台を回復しました。ただ、17日高値である112.163円が目先のレジスタンスになっていることもあり、112.031円まで反発したものの、その後は112円台での上値の重さを確認するかたちで111.90円を挟んだ動きが中心となりました。

昨日発表された米・3月新築住宅販売件数については、64.9万件予想が69.2万件という結果となり、米国の経済指標の強さを示しました。これで3ヵ月連続の増加となり、水準も1年4ヵ月ぶりの高水準という非常に強いものになっています。今週26日に米・第1四半期GDP(速報値)が予定されてますが、強い数字が今後織り込まれてくるような展開になれば、目先レジスタンスである112.163円の水準を上抜けてくるかもしれません。

今後の見通し

FXプライム,市況解説
(画像=PIXTA)

米国政府が5月2日以降におけるイラン産原油の輸入に関する特例措置を打ち切ると表明したことで、原油価格が上昇しています。この原油価格が、ドル相場の押し上げに寄与していることから、今後の米国経済指標は引き続き強いものになると考えられます。米・第1四半期GDP(速報値)については、消費の急激なスローダウンを背景として国内最終需要が1.1%程度に鈍化するとの指摘もありますが、それ以上に貿易の成長がプラスの作用をもたらす可能性がありそうです。

ユーロについては、「条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)第3弾」が意識されていますが、詳細は6月以降ということもあり、一旦材料出尽くし感が出てます。ただ、クーレ・ECB専務理事がFAZ紙とのインタビューにて、金利の階層化について、依然、導入される可能性は極めて低いと発言し、経済成長が大幅に鈍化し、貯蓄率が高い中でユーロ圏各国の銀行貸し出しが弱くならない限り、導入は難しい、現状はそうした状況ではない、と述べています。英国のEU離脱問題同様に、先行き不透明感が強い状況を鑑みると、積極的にユーロを買い進める動きになるのは難しいかもしれません。

本日より、メイ政権の閣僚と野党・労働党とのEU離脱に関する協議が再開されます。既に報道されているように、協議が進展する見通しは立っていません。現行の保守党ルールでは、メイ首相は12月までは党首の座が安泰の形であるものの、与党・保守党の幹部の一人であるグラハム・ブレイディ議員は、6月末までに党首の座を降りるべきであり、さもなくば、保守党の規則を変更する、とメイ首相に伝える見通しであると発言しています。4月の段階では急速なポンド売りにはならないとは思われますが、5月以降も同様の状況が続くようであれば、ポンド軟調の動きが強まりそうです

日米貿易協議の詳細発表後はドル売りが強まる想定

戦略通り、ドル円ショートを112.15円にてポジションメイクしております。ドル円の112円台は何度もトライするものの、すぐさま111円台に反落するポイントになっているため、今回も滞空時間は短いものになると考えています。日米貿易協議についても、米中貿易協議同様にドル売りが強まる可能性が高いと見ているため、引き続き、利食いは111.40円、損切りは112.50円付近に設定します。

海外時間からの流れ

豪・第1四半期消費者物価指数(前期比/前年比)については、市場予想+0.2%/+1.5%に対して±0.0%/+1.3%になったことから、豪ドルが急落しました。豪ドル、そしてNZドルについては、利上げ懸念が強まっていることもあり、引き続き弱い経済指標については、強い売り材料として意識されそうです。

今日の予定

本日は、独・4月IFO景況指数、 加中銀(BOC)政策金利発表などの経済指標が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

FXプライムbyGMO情報分析チーム
為替のみならず、株式、商品相場の経験者が多角的な目線でマーケットを分析します。執筆者は営業推進部マーケッツグループ長、稲井有紀、グループ長代行、崔 敏樹。