エンディングノートとは
あなたは、「エンディングノート」という言葉を聞いたことがありますか?近年、自治体や保険会社などの企業、NPOなどのさまざまな団体が、これに関する公開講座を開いたりしているので、「名前くらいは知ってるけど・・・」という方も多いかもしれません。また、2011年にはこのエンディングノートを題材にしたドキュメンタリー映画も製作され、興行収入が1億円を突破し、話題となりました。つまり、誰も知らないような単語ではない、ということがこのことからもわかるでしょう。
エンディングノートとは、高齢者が自分の人生の終りを迎えるにあたり、記録して遺族や友人、知人に伝えたい内容を記すノートのことを言います。遺言状とは違い、その記載内容に法的拘束力はありません。あくまで、遺族や友人、知人の負担を減らすことが目的となっています。
先にも書いたように、近年、このエンディングノートの必要性がクローズアップされているため、さまざまなところで入手することができます。大きな書店や文房具店では、きちんとした装丁の1冊のノートになったエンディングノートが売られています。
また、終活に関するNPOなどでは、ブックレット形式のエンディングノートを無料で配布していることもあります。はたまた、インターネット上では無料のエンディングノートに関するテンプレートを配布しているページもあるので、お金をかけたくない、という人はそういったものを使って気軽に取り組んでみるといいでしょう。
遺産相続でもめないために
エンディングノートとは、いったいどんなものか、ということを先に述べました。では、なぜエンディングノートが必要とされているのか、ということをさまざまな切り口から考えて生きましょう。あなたに財産があった場合、あなたが亡くなった後のことは真剣に考えなくてはいけません。
つまり、「財産を誰にどう分けるか=遺産相続」ということです。あなたが特に遺言状を残さなければ、財産は法定相続人となる遺族で法定相続分に従って分ける、ということになります。また、あなたが遺言状を残していたなら、それに従って分ける、ということになります。こうやって書くと、遺産相続がすんなり進むかのように思われてしまいますが、実際はそうはいかないパターンの方が多いです。
「自分はもっともらっていいはず」と自分の持分を主張する遺族が現れるのは想定の範囲内です。最悪の場合、「争族」と揶揄されるような遺産争いに発展してしまいます。そこで、遺言状ではなくても、「こういう考えを自分は持っているので、その考えをもとに遺産を分け合って欲しい」という参考になる情報があれば、争いも泥沼化しなくて済むはずです。