従業員満足度が高ければ高いほど、企業の収益と株主のリターンに良い影響を与えている

従業員満足度
(画像= wavebreakmedia/Shutterstock.com)

「Research Affiliates」のアドバイザーが、多くの投資家が見落としている潜在的な要因について議論している。

従業員の満足度が高いということは、企業にとって利益が増えるということなのだろうか。

「Research Affiliates」のアドバイザーでロンドン・ビジネス・スクールの教授であるAlex Edmans氏は、従業員の満足度と業績の関係を調査した研究について、ビデオ会話で話している

2011年に従業員の満足度と、それが企業業績と株式市場のリターンにとって重要かどうかについての調査結果を発表した

「従業員は重要な資産であるため、従業員と企業の株価パフォーマンスの将来性との間には、十分な関係性がある」とEdmans氏は言及している。

従業員の満足度を測るために、1984年から利用可能になっている「Best Companies to Work For America(アメリカで働きやすい会社リスト100)」を使いました。このリストには給与や手当などの定量的な要素のほか、信頼や管理、仕事に対する誇り、同僚との関係性などの定性的な要素も含まれています。

財務実績を測定するために株主リターンの将来性についても調査している。Edmans氏の分析によると「アメリカで働きやすい会社リスト100」の価値加重ポートフォリオは、1984年から2009年にかけて年率3.5%の4ファクター・アルファを獲得し、業界のベンチマークを2.1%も上回っていることが明らかになった。

またリストの優良企業は予想をはるかに上回る好業績と株主のリターンを示した。

これらの調査結果は、従業員の満足度が株主のリターンとプラスの相関関係にあるという点で、企業の人的資本を中心とした理論と一致している。

Edmans氏はさらに、この研究で最も働きやすい企業の異常なリターンの大きさを説明している。

100Best Companies to Work For in America を同じ業界の企業や似たような特徴を持つ企業と比較してみると、ベンチマークにもよるが、28年間で2.3%から3.8%、累積で89%から184%のパフォーマンスの向上が見られたという。

従業員の満足度に関しては、2つの要因によって左右された。「第一に、従業員の満足度は企業価値を高め、管理の弛みを表すものではない」「そして第二に、従業員の満足度は企業価値を高めるだけでなく、多くの投資家がその良さを認識していないため、投資の理想的な基準となっている」

したがって、Edmans氏の研究で発見されたアイデアを投資可能な戦略に変換することには価値があるかもしれない。

例えば「Parnassus Endeavor Fund」は彼の発見に沿った戦略を採用している。

Parnasus Endeavor Fund(以前はWorkplace Fundと呼ばれていた)は長期的な競争優位性と関連性、品質管理チーム、ESG基準での好業績を持つ米国の大型企業に投資しているファンドとなり、化石燃料を使用しないポジティブな職場ファンドとなっている。

「2005年から2017年の間に始まって以来、毎年12.5%の収益を上げ、市場は8.3%の収益を上げたと思う」とEdmans氏は述べている。

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Emily Zulz
2014年夏にThinkAdvisorチームにレポーターとして入社。それ以前は、イリノイ州カンキーでThe Daily Journalの記者として1年間、イリノイ州チャールストンでThe Daily Eastern Newsの記者兼編集者として2年半勤務していた。また、ThinkAdvisorに入社する前は、シカゴにあるGrouponの編集部に3年間勤務している。イースタンイリノイ大学でジャーナリズムの学士号を取得。日刊紙の報道でジャーナリズム賞を2つ受賞した。