2018年下半期はキャッシュレス決済の話題が日本中を駆け巡り、モバイルを活用した決済サービスの活用を意識した人も多いでしょう。特にQRコードを使ったキャッシュレス決済は徐々に認知度が高まってきています。面白いことに、キャッシュレスは「東高西低」という特徴が見られるようです。
キャッシュレス決済は東高西低いという状況
日本経済新聞と日経クロストレンド、日経FinTechがマクロミルに委託して調査したキャッシュレスに関する意識調査によれば、全国平均で43%の人が日頃の買い物でキャッシュレス決済を活用しているそうです。消費者1万人に対してのアンケート調査ですが、キャッシュレスが東高西低いという傾向でした。
キャッシュレスの上位には東京、千葉、神奈川といった都心がランクイン。反対に認知度が低いのは九州の佐賀、宮崎、中国地方の島根、四国の徳島。ちなみに、QRコード決済の実証実験が進み、キャッシュレスに対して官民一体で浸透を進めようとしている福岡でも利用率は高くありません。クレジットカード決済やSuicaなどの交通系電子マネーと比較して、QRコード決済を知っている人は19%ほどで、認知度を上げる努力が必要だといえそうです。
なぜ日本は交通系ICカードの利用率が高いのか
しかし、他国とは異なり、日本でキャッシュレス決済がなかなか浸透しないのには理由があります。日本では大都市になればなるほどメインの交通手段がJRや地下鉄になり、駅ビルやコンビニ他でスムーズに支払いができる交通系ICカードは「便利」なものだと共感され、利用が当たり前になりました。今では、Apple Payとリンクしたり、みずほ銀行とリンクさせて交通系ICカードがモバイル決済で活用できるようになっているほどです。
クレジットカードを使わずに予めチャージし、その資金の範囲内ですばやく手軽に決済ができるので、日本人の気質にもあったのでしょう。そのため、ICカード決済の導入店舗が進んでいる地域ほど、利用率が高くなっている可能性が示唆されています。
関西圏の利用率が低いのは、商人の街で現金主義が浸透しているためだと考えられます。そもそもICカードの導入店舗が関東と比較して遅れており、大都市であれ、JR駅を離れると現金支払いしかできなくなる地域が増えてしまうのです。
中国やインドで進むQRコード決済、日本でも浸透なるか
しかし、今後は関西圏でもキャッシュレス導入店舗が増えていくはずです。というのも、2025年には大阪で万博が行われますし、関西以南の西日本にはインバウンドがたくさん訪れます。
特に来訪が多い中国やインドはQRコード決済が支払いのメインですから、「日本に来た時にQRコード決済ができないのでおみやげを購入できなかった」などの悩みを解決できる術になるのです。
企業と一緒にキャッシュレスの実証実験を行う福岡ですらキャッシュレスが浸透しているとはいえず、これからという状態なのです。業者はこれまでキャッシュレスに見向きもしなかった業者に対して導入促進を進めていくはずです。
中国におけるAlipayのように、そのシェアが大きな企業が日本におけるキャッシュレス決済のメインとなる可能性も十分にあります。
キャッシュレスは安全か?消費増税に備えて何ができるか
一方、日本のキャッシュレスはまだまだ始まったばかりです。業者も小売店などの企業も決済の決済の安全性を意識した取り組みや体勢構築を進めているところです。
例えば、課題が見つかった企業ではクレジットカード登録時の本人認証として「3Dセキュア」に対応するとともに、クレジットカードの不正利用で被害にあった人向けの対応を公表するなど、早急な改善報告が行われています。
キャッシュレスが推進される中、さまざまな課題が出てきていますが、お金をいかに安心して使えるものにするのかを考えることが企業サイドの目下のテーマでしょう。
加えて、2019年10月からは消費増税が始まります。キャッシュレス決済によって消費税を2%分還元する取り組みを進めるためには、小規模店舗でもキャッシュレスに対応できる機械の導入が必要です。
初期コストをかけたくない会社は初期手数料がかからないQRコード決済業者を選ぶなど、利便性の高いものを選ぶと良さそうです。
また、これまでキャッシュレスには関心がなかった人にとって、10%の消費税が2%ペイバックされるのは大きなことです。チリも積もれば山となるではありませんが、キャッシュレスを利用する・しないでは得られるものが変わります。加えて、QRコード決済を利用するだけでもキャッシュバックやポイント付与を行う業者もあります。
消費増税が始まる前に利用してみて、使い勝手のよいキャッシュレスを意識してみてはいかがでしょうか。(提供:J.Score Style)
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