普段、女性富裕層の素顔を知る機会はあまり多くない。彼女たちは例え自身が稼いでいたとしても、それを周囲に話す機会はほとんどなく、話すメリットもあまりないためである。しかし、女性活躍が推進され、誰にとってもビジネスを興すチャンスが広がるほど、女性の富裕層は増えていく可能性がある。富裕層のライフスタイルや稼ぎ方に男女の違いはあるのだろうか。

本特集では、女性富裕層の中でも特に自分で稼いでいるケースに光を当て、そのライフスタイルや富裕層になるまでの道のり、どのようにして女性が富裕層になっていくのかを、本人や、そばで働く人の証言から堀り下げていく。

2019年5月上旬、銀座高級クラブに黒服歴20年の前田さん(仮名)を訪ねた。稼ぐホステスをたくさん見てきたであろう前田さんが語る、女性富裕層の知られざる素顔とは?(聞き手 くすいともこ ZUU online編集部、DAILY ANDS編集長)

女性富裕層の定義とは

女性富裕層の世界#01
(画像=indira's work / shutterstock.com, ZUU online編集部)

前田さんのインタビューについて紹介する前に、女性富裕層について調べた。

2015年、電通とハースト婦人画報社が行った「日本の富裕層女性」に関する調査がある。この調査によると、富裕層の定義は「世帯資産(住宅ローンなどの借金分は除く純資産)1億円以上の人たち」(日本の総世帯の6%、336万世帯)、または「世帯年収2000万円以上の人たち」(日本の総世帯の1%、56万世帯)で、いわゆる大富豪の「超富裕層」ではなく、消費意欲が旺盛な「マス富裕層」だという。

女性富裕層の自由に使えるお金は、月に20万円以上。中には、資産運用を積極的に行い、1000万円以上株式投資をしている人もいるらしい。

さらに、日本の富裕層女性は必ずしもすべての人が同じタイプだとは限らず、大きく5つのタイプに分類される。

1. しっとり大和撫子タイプ:親の代から受け継いできた資産をしっかり守っていくタイプ。

2. 全力投球・人生謳歌タイプ:親や配偶者だけでなく、自分自身もきっちり稼いでいるタイプ。

3. ふんわり・守られタイプ:富裕層の夫を持つタイプ。

4. キラキラ・ミーハータイプ:輝く自分が大好きで、そのためには仕事を頑張るタイプ。

5. 無自覚・隠れタイプ:自分では気づいていない、隠れ富裕層タイプ。富裕層の親に育てられた若い人に多く、5つのタイプの中で実家暮らしをしているパターンが多い。

女性富裕層には大きく分けて、「配偶者や家族が稼ぐ、もしくは資産家である」と「自分で稼ぐ」の2パターンがある。本特集では後者に当たる2、もしくは4の自身で稼ぐタイプの女性に光を当てる。

稼ぐホステスの定義とは

前田さんと会ったのは銀座にある一流ホテルのラウンジ。待っていると、パリッとスーツを着こなした少し恰幅(かっぷく)のいい男性が現れた。聞くと26歳の頃から六本木や銀座などで黒服として働いており、黒服歴は約20年になるという。これまでにたくさんの富裕層、そして稼ぐ女性たちを見てきたそうだ。早速、稼ぐホステスについて質問をした。

——ホステスの収入事情についてお聞きしたいです。まず、どのぐらいの金額まで稼いでいると「稼いでいるホステス」と言えますか?

月に100万円の売り上げがあれば稼いでいるほうですね。トップクラスのホステスで稼いでいるとなると200万、300万円以上じゃないかなと思います。中には500万円、1000万円ぐらいいっているホステスもいます。

——意外と知られていないのが、ホステスの給与形態です。実際はどのようになっているのでしょうか?