【一粒萬倍/株の宝典】現物株撤退開始。1357に資金投入開始。
★連休明けの米国は下落でスタート。 連休明けの米国株市場は下げて始まりました。私見では連休明けは、相場が落ち着いてくるかと期待しましたが、見事に裏切られたようです。きっかけらしいものはないので、かえって不穏です。一応市況では、米中協議が思った以上に長引きそうだ(G20で決着しないかもしれないということ?)という悲観論の台頭です。 今のところ、相場はレンジ内での行ったり来たりという往来相場になるのか、このまま底知らずの下落に陥ってしまうか、上昇相場入りの前にありがちなシェイクアウト(振るい落とし)か、まだはっきりしませんが、ポジション管理はかなり防衛スタンスに傾斜したほうが良さそうです。
★相次ぐ米国指数の直近安値更新~ダウ公共株も下げる。 米主要指数の直近の安値更新が相次ぎ始めました。 総合株価指数S&P500とナスダックは、5月13日の安値更新。まだ200日線は割っていません。ダウ工業株はそれに近い水準に迫っていますがまだ割っていないものの、200日線は割り込み。 ダウ輸送株指数は、すべての移動平均線を割り込んでおり、連日の安値更新に陥りました。完全にダウントレンドです。半導体SOX指数も同じです。 リスク感応度の高いラッセル2000小型株指数もすべての移動平均線を割り込んでいますが、ぎりぎりまだ23日の安値を割っていない状態です。 なにより危険なのは、これまで相場の下落をどこ吹く風という恰好で、高値更新をしていたダウ公共株指数も大きく反落をしたということです。 ディフェンシブ売り→景気敏感株買いならいいでしょう。しかし、両方下がるということになりますと、相場は壊滅という事態になりかねません。 この公共株の下げは容易ならざる問題です。
★リスク指標や、マネー循環指標。 最大のリスク指標であるジャンクボンドも続落ですが、まだ13日の安値も、200日線も割っていません。ここが最後の頼みの綱になっています。 しかし市場変動は再び高まり始めています。VIX(変動、恐怖)指数は200日線を突破。戻り高値更新です。17.5ですからこれは警戒を要します。20を突破されると、セルプログラムが発動される22.5の突破はもう時間の問題となってくるからです。 マネーの流れも最悪です。株→国債が鮮明となり、米10年国債利回りは、2.268%と年初来最低を記録。 こうなると、それが一時的な相場のシェイクアウト(振るい落とし)なのか、それとも本格的な相場終焉なのかは問わず、なによりポジションの防衛を最優先させなければならくなっています。
★積み上がる外人の、日経平均ショートポジションの行方。 外人こそが日本の株式市場を撹乱する最大の要因になっているということになっていますが、おそらく現状、その力は無いはずです。 投機筋が主にその急先鋒なわけですが、シカゴにおける彼らの日本株のポジションは昨年5月以降はショートポジションであり、それはどんどん膨張し、直近では4月が恐らくピークです。5月はまだ週間データが一週間遅れなので、もしかすると4月と同じか、若干上回るかどうか、あるいは漸減するか微妙なところです。 まだまだショートポジションが積み上がることも考えられる一方で、いつでも、彼らのショートカバーが入ってきてもおかしくない状況です。
★その前にダメ押しの相場下ブレリスクに警戒。 ビットコインの天井から、米国株市場の天井まで、過去平均で53営業日の日柄差がありました。今回は5月15日がビットコインの天井だったとすれば、暫定的な米国株の天井は7月30日ということになります。これは投機的なマネーの買い意欲の日柄差ということです。 問題はスムーズにその高値トライの相場に突入できるか、それともいったん下ブレしてみせる、シェイクアウト(振るい落とし)が起こるかどうかです。 リスクはこの下ブレ相場ですから、ここは気をつけましょう。 冒頭で述べましたシカゴ投機筋の日経平均ポジションで、ショートがかさんできているということでした。これがすんなり縮小に向かうのであれば、だんだんと相場が戻っていくという経路をたどるはずですが、そうではなく往々にしてありがちなのは、いったん相場が大きく突っ込んでしまい、その大きな下げの中で、ショートポジションが手仕舞われ、需給が一気に好転して相場は上昇トレンドに回帰するというパターンです。つまり、大きな突っ込みがなければ、なかなかこうした大量のショートがあっというまに消化されるということはないからです。 ということで、当面、政治・材料の空白期間が6月前半まで続く可能性が高いので、ここはやはりいつでも1357によるヘッジが可能なように、キャッシュの確保は常態にしておかなければなりません。
★ポジション管理~基本、撤退。 保有株残す場合は、キャッシュをすべて1357に投入。 米国市場が不穏です。ただの一時的な下ブレ(振るい落とし)か、それとも本格的なベア相場入りかまだわかりませんが、どちらにしてもレッドゾーン(危険ゾーン)に入ってしまったと考えるべきでしょう。 したがって、戦略方針は、基本、すべて処分売りによる撤退に変更。キャッシュはすべて1357に投入。事実上、相場の下落に賭けるポジションに変更することになります。 但し、これは各位の判断で良いと思うのですが、持ち株のうち、トレンドを崩していないものについては、保有のママで良いでしょう。 具体的には、以下のように考えればよいと思います。 ルールがあればよいのです。たとえば、日足で運用判断する場合には25日線を、週足なら6週線を割ったものから逐次、即座に処分。都度キャッシュはすべて1357にヘッジ買いといった具合です。 これは、ロスカットなどの各位のルール次第です。 「一粒萬倍の株式投資宝典」で解説している【巌流島】方式の場合は、5月10日の週ですでに全額1357買い持ち状態になっているのでこのまま1357フルポジション続行という状況になります。 日経CME円建て、日経平均先物夜間取引ともに、21000円をつけているようです。昨日現物指数終値が21260円でした。 以上(提供:Investing.comより)
著者:増田経済研究所 松川行雄