雨の日が続く梅雨は、客足が鈍りやすい。特に6月は、祝日もなくイベントや行事も少ない……と、悪い材料が多い時期ではあるが、飲食店としては売上が下がる時期を可能な限り減らすことが最も大切だ。そこで今回は、梅雨どきの集客対策を5つ紹介しよう。
梅雨限定の「サブスクリプションサービス」
サブスクリプションサービスと言えば、スポーツジムやエステ、音楽や映画などのサービスが定番だが、近年は飲食業界でも珍しいものではなくなってきた。1か月食べ放題のラーメン店、加盟店でワンドリンクがもらえる課金制アプリなど、今後ますます多様な形で普及していくだろう。外出が億劫になる梅雨だからこそ、このサブスクリプションサービスをうまく活用し、店に来てもらうきっかけを増やしたいところだ。
例えば、梅雨入り前から店内で告知を行い、サブスクリプション用のチケットを販売してみよう。梅雨限定の「食べ放題」や「特別メニュー」などの付加価値があると、より魅力的なチケットになるだろう。
姉妹店がある場合は、共通チケットにすることでより通いやすくなる。また、これからサブスクリプションを導入しようか検討している場合は、本格導入前の試験導入として位置付ければ、価格設定や集客効果を測定する機会にもできるはずだ。
「デリバリー」で、自宅でゴロゴロ派からの注文をGET
梅雨時期はどうしても外出する気分になれず、食事も家で簡単に食べられる物ですませてしまう人が増える。そんな「自宅でゴロゴロ派」からも利用してもらえるのがデリバリーサービスだ。
とは言っても、短期間で新規集客をするのは難しいため、基本的にはリピーターをターゲットにするのがいい。配達時にクーポンを配るなどして、梅雨明けの集客にも繋げられるように工夫しよう。
「インスタ映え」する梅雨限定メニュー
「インスタ映え」「動画映え」するメニューは、もはや飲食店で必須の取り組みと言えるほど定番化した。そこで、梅雨の時期には「梅雨」×「インスタ」を意識したメニュー開発に挑戦してみよう。雨や紫陽花をイメージした青系、紫系の色合いのメニューなどが目を引くだろう。これらの色は飲食向きとは言い難いが、スイーツやドリンクであれば青系でも比較的抵抗なく受け入れてもらえそうだ。
動画映えを考えるなら、ドレッシングをかけると色が変化するメニューがおすすめ。紫キャベツとレモン汁の組み合わせが有名だが、ドレッシングの配分や盛り付けを工夫することでオリジナリティのあるメニューを提供できる。また、ひと足早く初夏をイメージさせるような爽やかなメニューを先行販売するのも効果が期待できそう。青い空や海、山を思わせるような鮮やかな色合いに仕上げて、梅雨の憂鬱な気分を晴らしてもらおう。
梅雨限定の「イベント」を開催
毎日の客足を伸ばすのは難しいが、インパクトのある梅雨限定イベントを企画して売上を確保する方法もある。例えば、特別な銘柄のお酒を集めた試飲会、夏に向けての試作メニューを食べる品評会など、特別なイベントを企画してみるといい。定休日に常連客だけを集めて開店したり、看板メニューの秘伝レシピを伝授する料理教室を行ったりするのも魅力的だ。
梅雨にちなんで、オリジナルてるてる坊主を作るワークショップや、気分が明るくなるアロマを作る教室などを開けば家族連れの来店も期待できるだろう。イベント以外では、店内で雨にちなんだBGMを流したり、地元の企業や店舗と提携して雨の日グッズをプレゼントするのも喜ばれるはずだ。
ジメジメを吹っ飛ばすさっぱり系「つゆメニュー」
“梅雨=つゆ”とかけて、さっぱりした「つゆメニュー」の提供も面白いのではないだろうか。ジメジメと暑い梅雨の時期は、やっぱり冷たい麺類が人気。冷やし中華、冷製つけ麺、冷製パスタなど、つるりと食べやすい麺類を提供しよう。麺類のほかにもスープご飯、冷製茶漬け、冷製スープなど、さまざまなつゆメニューが思い浮かぶ。和食から洋食、居酒屋の〆メニューまで、幅広く対応できるだろう。
つゆには、ミョウガや生姜、ネギやわさびなどを使用するとよりさっぱりと仕上がる。最近人気が高まっている花椒や山椒といった痺れ系香辛料でピリ辛系にしたり、柑橘類を使用してさっぱり感を演出すれば、オリジナリティのあるメニューになるだろう。
以上、梅雨の時期にぴったりの集客アイデアを5つ紹介した。閑散期に通常の集客方法では効果が出ないことも多いので、思い切ったアイデアをぜひ試してみてほしい。(提供:Foodist Media)
(執筆者:大槻洋次郎)