議論を整理できる人材は貴重な存在

日本人のもう一つの強みとしては、客観的に物事を観察する目に優れていることが挙げられるでしょう。議論に没頭し過ぎず冷静に話の流れを俯瞰して見ることができれば、論理の甘さに気づくことができます。この強みを活かしていけば、発言量は多くなくても存在感を示すことが可能です。

HBSの授業でもWhat if ~? は役立ちました。HBSのクラスルームには、多様な国籍の学生がいます。私の在籍したクラスで口数が多かったのは、あくまで一例ですが、アメリカ人、インド人、エジプト人、中国人。反対に口数が少なかったのは日本人のほか、スイス人、韓国人、チリ人、ブルガリア人等です。

HBSの授業では毎回ディスカッションが白熱します。そこで評価されるのは、白熱する議論に新たな視点をもたらす発言です。ここでも役立つのがWhat if ~? なのです。

たしかなロジックに基づいて議論を整理できる人材は、グローバルな場では貴重な存在です。

普段の会議でも「What if~?」は有効

このアプローチは日本語環境の会議においても役に立ちます。明日からの会議ではWhat if ~? を使うべき場面がないか、ぜひ意識してみてください。「もし?ならどうなる?」という問いかけを効果的に使うことで、いっそう議論が深まることでしょう。

声の大きな人の意見が通りそうになる際は、What if ~?の視点を投げかけましょう。あなたの存在価値を高めることにつながるはずです。

(写真撮影:まるやゆういち)

戸塚隆将(とつか・たかまさ)
1974年、東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。ゴールドマン・サックス勤務後、ハーバード経営大学院(HBS)でMBA取得。マッキンゼーを経て、2007年、ベリタス株式会社(旧シーネクスト・パートナーズ株式会社)を設立、代表取締役に就任。 同社にて企業のグローバル人材開発を支援するほか、HBSのケーススタディ教材を活用したプロフェッショナル英語習得プログラム「ベリタスイングリッシュ」を主宰。グローバル人材を輩出し続けている。著書に『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?』(朝日新聞出版)等がある。
ベリタス株式会社
http://www.veritas-english.jp/company/
ベリタスイングリッシュ
http://www.veritas-english.jp/
(『THE21オンライン』2019年05月07日 公開)

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