国と企業が一緒になってよりよい社会を築くために中国でも導入が進んだ信用スコア。借り入れの信用力を客観的に見るためのスコアではあるものの、単純な借り入れ力では表せない基準です。欧米における客観的な信用力とは異なり、中国では行動基準のひとつとしても認知されています。しかし、信用スコアにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

信用スコアが表す基準

信用スコア,評価基準
(写真=J.Score Style編集部)

欧米の信用スコアは、年齢、職業、年収、勤続年数など、客観的なその人の地位をベースに借り入れ力を見るものです。日本でもクレジットカードを利用する時には上記の内容を申請して審査を受けることになりますが、借り入れ力をはかるベースにあるのは返済ができるかということですから、収入面や勤続年数を見られるのはある程度は受け入れなければならないことでしょう。

中国では上記に加えて、交友関係や学歴など、その人のキャリアや人との関わり方なども信用スコアに反映されます。犯罪を犯してしまえば一気にスコアが下がり、その後浮上しづらくなるなど、人のお手本にならない人に対しては厳しく取り締まっているのが状況として挙げられます。

そういった状況の中、スコアアップを目的としたグレーなビジネスが生まれたりと、不正なスコアアップの方法が口コミで広がるなどの課題が生まれていますが、それだけ人々が信用スコアに対して強く意識を持っている証左であるがゆえの課題だと考えられます。

信用スコアのメリットとは

中国では人の評価基準にまで成長した信用スコアですが、これは非公開情報ではありません。自分の信用スコアをパソコンやモバイルアプリを通していつでも手軽にチェックできます。信用スコアはあらゆるデータをもとに常に最新のスコアが反映されるので、自分の現在の位置を確認するのにも役立ちます。

信用スコアが高ければ進学や就職でも優遇されますし、将来の伴侶を決める婚活の場面でも信用スコアが高い人は相手を見つけやすい傾向があります。ホテルやショップ、空港、病院などでも優遇が受けられるなどの客観的なメリットが多いのです。

もっとも信用スコアを基準に社会的に優遇されるのは、その人個人がこれまで頑張ってきた証左です。頑張れば頑張るほど高スコアを維持出来るので、個人としても社会に役に立つ人になるにはどうすればよいのかを意識した行動ができるようになるでしょう。

信用スコアを上げるうえで重要なこととは?

上述したのは中国の信用スコアの例ですが、日本でも続々と信用スコアの分野に参入する企業が増えています。自分の信用スコアを知れるのかどうかはサービスによって異なりますが、こういった価値基準がこれからの日本でも浸透していくのは間違いありません。そんな中、信用スコアを上げていくためには何をしなければいけないのでしょうか。

金銭面に関していえば、ローンや割賦代金については毎月必ず返済ができる状態であることが求められます。何かを分割払いで購入するとしても、払い続けられるのかを意識したうえで購入するなど、お金のコントロール力があることが重要です。

それに加えて、キャリアも重要です。どのようなスキルや能力を持ち、自己成長をしていける人なのかを購買データや行動記録などから人工知能によって導き出されます。それがスコアにダイレクトに反映するサービスもあれば、参考として捉えるサービスもありますが、いずれにせよ、自分の生き方をどのように考えて日々行動しているのかが1つの判断基準になることは間違いありません。

目的を持った行動をすることが重要です。自分のすべての行動が、どのような価値基準によってもたらされているものなのか、自分を見つめて考えてみるとよいでしょう。

信用スコアは自己を知るツールとして活用を

中国の例を見ると、自分のことを数値で判断されることに対して懸念を持つ人も、今の自分の客観的な位置を知るためのひとつのツールとして信用スコアを取り入れることを考えてみてもよいかもしれません。スコアを抽出するだけなら、個人情報の提供を行わないサービスもあります。自分を高めるために現状を数値で見られるのはメリットだと考えると、今の時代に求められるのはどんな人物で、それに見合うためにはどのような行動をしていけばよいのか意識できるようになるかもしれません。(提供:J.Score Style

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