2020年の東京オリンピックに合わせ、「自動運転車」の公道デモが行われる見込みです。さらに、次世代カーのお披露目は空でも行われる予定です。いわゆる「空飛ぶクルマ」です。世界で開発競争が繰り広げられている先進モビリティ領域における日本企業の最新情報を紹介します。

トヨタの自動運転開発と「レベル4」での走行デモ計画

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(写真=J.Score Style編集部)

日本で初めて一定条件下において自動運転を解禁する道路交通法の改正案が、2019年5月28日の衆院本会議で可決、成立しました。自動運転車やAI(人工知能)カーの世界販売台数は、2040年に4,000万台(出典:富士キメラ総研)を超えるという予測も発表されていることから、日本政府も世界に遅れを取るまいと、走行環境の整備や開発人材の育成などに力を入れて取り組んでいます。

トヨタ自動車も、現代を自動車業界における「100年に一度の大変革の時代」(豊田章男 社長)と定義しました。トヨタは現在、アメリカや日本の研究拠点などで自動運転技術の開発を進めています。2019年2月には、自動運転開発子会社のトヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)が、自動運転に必要な高精度地図を作るための実証実験を行うことを発表し、トヨタに注がれる実用化に向けた期待感が一層高まってきています。

そんなトヨタの自動運転技術を日本全国に、そして世界へアピールする場が東京オリンピックです。同社は2018年8月、オリンピック開催に合わせて東京の臨海副都心地区などで自動運転の実証実験を実施することを発表しています。実証実験の自動運転の技術レベルは「4」と発表されています。

自動運転は、技術水準などによって0~5にレベル分けされ、トヨタが披露するのは上から2番目のレベルの「4」です。これは「高度運転自動化」の水準で、特定エリアにおいて自動運転システムが完全に運転操作を担うという段階のことを指します。人間が全く運転に関与しない無人走行車の実現が、すでに遠くない未来で起きようとしているのです。

東京オリンピック、空飛ぶクルマで聖火点灯!?

東京オリンピックで披露が期待されているのは、自動運転車という陸でのイノベーションだけではありません。自動車業界や航空業界、スタートアップ・ベンチャー界隈の若手が中心となって結成された有志団体「CARTIVATOR(カーティベーター)」は、開発中の「空飛ぶクルマ」を使い、オリンピックの開会式で聖火点灯のデモを行うことを目標に掲げています。

同団体は2018年12月、空飛ぶクルマの無人形態での野外飛行試験を日本で初めて開始し、初フライトも成功させているのです。2019年6月には有人での飛行試験を実施する予定で、2023年には空飛ぶクルマの発売開始も目指しています。

また、多くの企業が「CARTIVATOR」の空飛ぶクルマの開発を、スポンサーとして支援していることも注目すべきことでしょう。トヨタやデンソー、パナソニック、富士通などのほか、2019年4月には東京海上日動火災保険とのスポンサー契約の締結も発表されるなど、幅広い業種の企業から支援が集まっていることが伺えます。

空飛ぶクルマは、「空飛ぶタクシー」や新たな輸送手段としての活躍が期待されています。米ボーイングやドイツのアウディなども参入する領域での日本の若者たちの活躍は、今後も多くの関心が集まり続けることでしょう。

「夢のモビリティ」と巨額マネー

空飛ぶタクシーの世界市場は、2026年に利用料の売上ベースで1兆円規模(出典:AQU先端テクノロジー総研)になるという予測もあり、今後この有望市場に参入する企業は続々と増えていくはずです。自動運転分野でも同様です。

まだ売上もほとんどない同領域ですが、将来の成長性は大いに期待できます。また、世界の巨額マネーの行き先としても、こうした「夢のモビリティ」は今後も確実に注目を集め続けていくでしょう。(提供:J.Score Style

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