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豪州経済の現状

日本の投資家にはおなじみの天然資源の豊富な豪州は、2008年に起きたリーマンショック後も中国やその他のアジア諸国の旺盛な資源需要を背景に、豊富な天然資源を輸出することでの安定した経済成長を遂げてきました。

しかし、そんな豪州も1つの大きな問題を抱えております。ここへ来て中国や東南アジア諸国の景気減速に伴う需要の落ち込みや豪州での鉱山プロジェクト終了により資源産業への投資の弱まりが大きな原因となっております。こうしたことから、豪州政府は資源産業の受け皿になる他の経済分野の活性化を現在模索している最中です。

では、こうした環境下で投資の視点から見た豪州はどうなのでしょうか。以下では、日本の投資家におなじみの豪ドル円と豪州債券について見ていきたいと思います。


為替市場(豪ドル/円)

まずは、豪ドルの要素から見ていきましょう。豪州の個人消費、住宅市場は堅調な一方、輸出は資源価格の下落基調にある理由などから先行きに不透明感が残る状況です。この先もしばらくはこうした状況が続くことから、穏やかな経済成長が続くと予想されます。

消費者物価は足下インフレ目標の上限である3%に達しそうではあるものの、賃金上昇率の低下から年後半からは落ち着いた推移が予想されています。こうした景気・消費者物価動向から考えますと当面は2.5%の政策金利が維持されることが予想されます。

続いて円の要素を見てみます。年内の日銀による更なる金融緩和の陰は薄くなってきましたが、それを補う形でGPIF改革への期待が高まっています。改革内容は未だ確かではありませんが、国内債券の比率を落とし、日本株・外国株・外国債券の比率を引き上げることには違いはなさそうです。

そうなりますと、円安要因が重なりなります。今のところ9月に新たな資産割合を決めるとされています。こうした両面を総合しますと、豪ドル円は、しばらくは横ばいとなりそうですが、GPIFの資産割合の変更がなされる辺りからは豪ドル円のレンジを抜けた上昇が期待できるのではないでしょうか。

そして、地政学リスクや11月に行われる米中間選挙のアノマリーも考慮しますと、10月〜11月前半に一旦調整することも考えられますが、その後また上昇することが期待されます。