日本経済は不安材料の山積している状況です。直近では米中貿易摩擦、中長期的には東京五輪ロスや人口減少社会などの懸念があります。しかし、価値向上が著しい「リニア中央新幹線沿線の不動産」に集中投資することで、仮に不景気になっても安定的な資産運用が可能です。今回は、大いなる可能性を秘めた名古屋や大阪の不動産マーケットの動向について解説します。
郊外から都心に出る感覚で中京・近畿に移動できる
リニア中央新幹線のプロジェクト概要をざっと確認しましょう。この新しい交通技術では、超電動磁石の力で車両を10センチメートルほど浮かし、これまでにない高速移動を実現しました。最高時速は約500キロメートル(営業時の最高時速)が見込まれています。このプロジェクトが実現すれば、東京~名古屋間を最短40分、東京~大阪間を最短67分で移動が可能です。
これにより、東京都心~郊外を移動する時間感覚で、中京、近畿への移動が実現します。日本の3大都市圏が一体化することでインパクトのある経済効果が生まれることでしょう。スケジュール的には、東京~名古屋間の開業は2027年、その後の大阪までの延伸は18年後の2045年と予定されていました。しかし、安定した長期借り入れ計画が実現しそうなため、最近になってJR東海が「最大8年前倒し」を正式発表しています。
名古屋の不動産マーケットの現況と今後の展望
開業が2027年に迫った名古屋では、不動産価格に対するリニア中央新幹線の影響がダイレクトに現れています。リニア中央新幹線の名古屋での乗降スポットは、名古屋駅です。位置関係でいうと、東海道新幹線のホームと上下で交わります。このため、リニア開業によって名古屋駅周辺の不動産の価値向上がとくに期待できます。
しかし、商業地で見ると名古屋駅前の大型再開発はすでに一段落し、投資マネーの行き先は周辺地域(栄・伏見など)に移っています。広域の不動産の価値が高まることで、名古屋市全体の2018年7月1日時点の商業地価(基準地価ベース)は前年比 6.5%上昇しているのです。ホテルや商業施設の用地獲得が激化していることから、この上昇傾向は持続・加熱する可能性が高いといえます。
住宅地でも名古屋は好調で名古屋市全体で前年比1.6%上昇、さらに愛知県で見ても0.6%の上昇です。(いずれも2018年基準地価)ちなみに愛知県の住宅地の地価は6年連続の上昇を実現しています。このような中、名古屋市内のマンションのニーズも堅調です。中心部のワンルームタイプに個人投資家の注目が集まっています。
大阪の不動産マーケットの現況と今後の展望
不動産の価値上昇という視点では、名古屋を上回る勢いの近畿です。全国の商業地における上昇率トップ10のうち(2019年公示地価)、7ヵ所が大阪市と京都市で占めています。大阪ではリニア中央新幹線の開業がまだ先のため、直接的な不動産価格への影響は限定的と考えられます。追い風のもとになっているのは、2025年に開催の万博や堅調なインバウンド・マーケットなどです。
絶好調の大阪不動産マーケットに、今後リニア中央新幹線の開業というプラス要素が加わることで、長期的な価値向上が期待できます。ここまで大阪市の地価上昇は中心部や主要沿線の人気駅で顕著でした。今後、「複数の沿線で延伸が相次ぐこと」「万博会場の夢洲の開発が本格化すること」などから、大阪市全体(郊外)の地価上昇の流れが強まることが予想されます。
その兆候として、夢洲のある此花区の2019年の公示地価がわずかながら上昇に転じています。
これからの不動産投資はエリアの絞り込みがより重要に
このようにリニア中央新幹線の中核ステーションである名古屋と大阪にフォーカスすると、日本の不動産マーケットの可能性が見えてきます。人口減少社会の影響で日本の不動産は価値が下がる……このような大雑把な悲観論に流されず、エリアを的確に絞り込んで投資していくことで効率的な資産運用が実現するでしょう。(提供:JPRIME)
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