社会人になって働きはじめ、実際に給料を受け取るようになると給料は全額もらえるのではなく、さまざまな税金や社会保険料などが天引きされていることがわかるだろう。社会人2年目になると、6月から天引きされる項目として住民税が加わる。3年目以降の人にとっても、住民税の額が大きく変わるのは6月になる。

今回は、「なぜ1年の途中の6月から住民税がかかったり、額が増えたりするのか」という仕組みを紹介する。

住民税ってどんな税金?

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(画像=iyomemoより)

私たちが納める税金のうち、都道府県民税と市区町村民税を合わせたものを住民税と言う。住民税は、その名の通り住んでいる場所に対して払う税金だ。どんな用途に使われるのかは気になるところだが、住民税は日常生活に欠かすことのできない行政のサービスに使われている。例えば、道路の整備や公園のメンテナンス、教育や消防・救急、ゴミ処理といったサービスである。

住民税は前年度の所得を元に金額が決まる

住民税の仕組みは少し特殊で、前年度の所得に応じて支払額が決まる。ここでは、会社員が納めるもう一つの大きな税金である所得税と比べてみよう。所得税は、会社員の場合、会社が「この人はだいたいこれぐらいの所得税を払うことになるだろう」という予想の額を毎月の給料から天引きする。(源泉徴収)

しかし、毎月天引きされるのは、あくまで見込み額のため、1年間に払う本当の所得税と毎月天引きされた額の合計に差が出ることがあるのだ。この差額分を調整するのが、毎年12月に行われる年末調整である。天引きで払い過ぎていた所得税は、差額が還付され、足りなければ追加で払うことで調整するのだ。つまり、所得税の場合は基本的にその年の12月に課税が完了するのである。

一方、住民税は、前年の1~12月の所得に応じて住民税の税額が決まり、会社員の場合は給与から天引きされるのが一般的である。(住民税の特別徴収)この天引きが始まるのが6月で、翌年の5月までの12ヵ月間で住民税を支払うという仕組みだ。住民税の場合、あらかじめ前年の所得によって支払額が決まっているので、それを12ヵ月で均等に分けて払っていくことになる。

端数が出た場合は6月分の住民税に上乗せされるため、6月分だけ少し金額が異なっているかもしれない。7月から翌年5月までは同じ金額になっているはずなので、あわせて確認してみよう。

社会人2年目の住民税は6月から

これまで説明してきたように、住民税は1年以上遅れてかかってくる。社会人になりたてで前年度の所得がない人は、払う必要がなかった住民税。しかし、社会人2年目になると前年度の4~12月の所得を基に、6月の給与分からの天引きが始まるのである。また、3年目以降になると前年度の1~12月の所得を基に住民税の額が決まる。

つまり、6月は手取りの金額が変わる月なのである。給与明細書を受け取ったら住民税の額を確認してみよう。特に気をつけたいのが、退職したときである。再就職先が決まっていれば次の就職先で給与天引きが継続されるが、海外留学や出産を機に退職した場合、収入がなくても住民税を払う必要があることは覚えておこう。

税金の仕組みを知って、余裕ある資産運用をしよう

今回は、住民税が何を基準にどのように決まり、またどのように支払うのかという仕組みを紹介した。社会人2年目の6月という半端な時期から手取りが少なくなるのは、会社員の人が住民税を前年の所得を元に6月から翌年5月までの12ヵ月で払うからである。また、3年目以降の人も6月に住民税が変わることが多い。税金の仕組みを知ることで、余裕ある生活、資産運用を心がけたい。(提供:iyomemo

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