激務なコンサルタントでありながら、不動産投資家として本業の年収の何倍もの金額を稼ぎ、〝億超え〟の資産を築く。連載『資産〝億超え〟の兼業投資家が教える「時間レバレッジ」のかけ方』では、石川貴康さんがいかにして時間を生み出し、資産を増やし続けているのかを実例を交えて紹介してもらう。
第6回のテーマは「お金で解決する」である。石川さんが過去、実際に購入した「時間」について詳しく紹介する。ただし、「買ってはいけない時間」もあるという。
安いものが好きな知人「安物買いの時失い」
私の知人で安いものが好きな人がいる。つい最近も、安いパソコンを買ってきて、あれこれ設定に困っている。うまく動かない、ソフトが立ち上がらない、設定を変えないといけないが調べないと分からない。
長い時間をかけて設定したものの、いざ使い始めたらとたんに動作が不安定になる。あれこれ調べ始め、結局直すことができず、より高価で、最初からある程度の設定が済んでいるパソコンに買い替えている始末。しかも、この人は同じことを繰り返す。安いスマホを買う、安い調理器具を買う、安い家電を買う……。
この人は反面教師。まさに「安物買いの銭失い」ならぬ「時失い」だ。最初からお金を出してある程度の品質の製品を購入していれば二重にお金がかかることもなかったし、迷走する時間も一切かからなかったはずだ。
もちろん、安いものを購入して自分でスペックを上げていくのが好きな人はそうすればよい。そこまでは否定しないし、常に高いものが良いわけではない。しかし少なくとも、自分の時間を奪っていくようなものに「安いから」と飛びつくのはやめるべきだ。
本当は彼が具体的に費やした額や時間を書きたいところだが、誰のことか特定されるので、この辺にしておこう。
時間不足をお金で解決する話の前に、安物買いはしないほうが良いという話をした。理由は、我々にとっての価値が「時間>お金」だということを伝えたかったからだ。
時は命、金は金
「時は金なり」ではない。「時は命」であり、「金」は所詮「金」でしかない。金は取り返せるが時は過ぎれば取り返しがつかない。時を失わないように、意味のあることに使うために、手段として金を使うことは、正しいことだと思う。
若い頃は時間がたくさんあるように錯覚する。しかし一生の時間を考えると、若いとか、年だとか関係がないのだ。若い時から、時を惜しみ、時間を大切にし、金よりも時間を上位に置く訓練をしなければならないと私は思う。
今回はやや精神論的になるが、金を使って時間をセーブすることの大切さを共有するため、3つの実例を紹介する。ただ、私もそれなりの収入になるまで、「時間」と「金」をてんびんにかけて「金」を優先したこともあった。終盤では、時間よりも別のことを優先すべき時のことにも触れる。
1.富裕層ならば当たり前「移動時間」
ここからは私が実践している具体例を紹介していこう。この記事を読んでいる人が富裕層であれば当たり前の話だが、最初は分かりやすい事例なので移動にかかる時間を買う話をする。