注目されるリバースモーゲージ
今年総務省が発表した2013年10月時点の推計人口はによると、日本の総人口は1億2729万8千人で、3年連続の減少となっています。15~64歳の生産年齢人口は32年ぶりに8千万人を割り込み、急激な人口減少と高齢化が進んでいることを示しています。少子高齢化の進展により、社会保障に係る将来の財政負担はますます大きくなります。
このような中、日本の財政赤字は2014年5月時点で1024兆9568億円にものぼり、年金や医療、福祉の給付負担の世代間不均衡は深刻です。年金世代の高齢者もこのような状況から、日々の生活費や医療費、介護費用などの老後資金に大きな不安を抱えざる得ない状況にあります。
そこで今、自宅を担保にして老後のための資金が受け取れる「リバースモーゲージ」が注目されています。今回はゆとりある老後にリバースモーゲジが活用できそうか、詳しくみていきたいと思います。
リバースモーゲージのメリット
実は65歳以上の持ち家率は88.9%を超えています。手持ちの貯蓄・現金に余裕はなくても不動産を所有していれば、その住宅を担保に一括または年金の形で定期的に融資を受けることができます。融資は返済の必要はなく、借入者の死亡、転居、相続などによって契約が終了した時に、担保不動産を処分して返済資金にあてます。
アメリカやヨーロッパなどでは、シニア世代の資金調達法として既に広く普及しているシステムで、日本では1981年に東京都武蔵野市が初めて導入しました。続いて東京都世田谷区、神戸市などの自冶体や民間の信託銀行も導入を始めました。リバースモーゲージを高齢者が利用すると様々なメリットがあります。
【住み慣れた家に住み続けられる】
家を売却して現金を得ようとするとそれまで住んでいた家を出て引っ越す必要があります。内閣府の平成21年版『高齢社会白書』によれば、「現在の住宅にそのまま住み続けたい」「現在の住宅を改造し住みやすくする」と、そのまま現在の住居に住み続けることを希望している人は60%以上でした。リバースモーゲージを利用すれば、家を手放す必要がありません。
【生活に必要な収入を基本的に死亡するまで確保できる】
例えばリバースモーゲージの期間を30年に設定し、死亡するまで期間に年金のように生活費を受け取る契約を結ぶことが可能です。年金収入だけでは豊かな老後を過ごすことはできないと考えている高齢者も多いのですが、公的な年金にあわせ融資を受け取れれば老後のゆとりも生み出します。