睡眠時間が短いとされている日本。2019年以降は「スリープテック」に注目が集まりそうです。大手やスタートアップが先進技術を睡眠領域で活用し始め、新商品や新たなアプリが続々誕生しています。いま熱いスリープテック市場の最前線に迫ります。

Apple Watchで睡眠状態を自動検知

睡眠不足,快眠,スリープテック市場
(写真=J.Score Style編集部)

米アップル社が販売する腕時計型端末「Apple Watch(アップルウオッチ)」に対応した睡眠アプリ「Somnus」が2019年6月にリリースされ、注目を集めています。リリースしたのは、東京で2018年1月に設立されたスタートアップ企業「Somnus合同会社」です。端末に搭載されたセンサーで心拍数などのヘルスデータが自動で取得され、自動で睡眠状態になったことを検出してくれる機能がアプリに搭載されています。

アプリでは、こうして得た情報を基にして「睡眠負債」を可視化したり、推奨される仮眠時間などをユーザーに表示したりすることが可能です。こうした睡眠管理アプリは、世界ではすでに複数登場しています。また、ウェアラブル端末の普及が進んでいくにつれて、参入企業も増え身体の状態と連動したアプリはさらなる進化を遂げていくでしょう。

「眠りの自動運転」を実現する新ブランド

寝具大手のパラマウントベッドが設立を発表した新ブランド「Active Sleep(アクティブ スリープ)」の製品では、マットレスの下にある検出装置が横になった人の睡眠状態をモニタリングします。この製品のユニークな点は、「眠りの自動運転」(同社キャッチコピー)が可能になるということです。眠ったことが検知されるとベッドの角度が自動で少しずつ下がっていきます。

一方で、あらかじめ設定した起床時間が近づくとベッドの角度が少しずつ上がる仕様になっているとのことです。同社は、自社で実施した「睡眠に関する意識調査」において、「多くの人が睡眠に関する改善策に取り組んでないことが明らかになった」と説明しており、この新ブランドでの販売促進を積極的に進めていく方針とみられています。

スリープテック業界に流入する投資マネー

スリープテック市場には、投資マネーも流入しつつあります。スリープテック事業を展開する東京のニューロスペース社は、2019年4月にVC(ベンチャーキャピタル)などから3億4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。同社は、資金調達の目的として「企業の働き方改革・健康経営向け睡眠改善プログラムの拡大展開」などを掲げています。

このプログラムは、睡眠計測デバイスや睡眠アプリを組み合わせて提供されるものです。経済産業省主催の「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2019」で優秀賞を得るなど、注目を集めています。ニューロスペース社は、ANAと「時差ボケ調整アプリ」の共同開発をスタートさせたことでも知られており、こうしたユニークかつ先進的な取り組みを続ける中で、より投資家やVCからの関心を広く得ていきそうです。

睡眠不足の日本人だからこそ考えよう

経済協力開発機構(OECD)の最新データによると、日本人の1日の平均睡眠時間は7時間22分(442分)で、先進国の中で最低水準です。平均8時間48分(528分)であるアメリカと比べると、1時間以上の差があることが分かります。睡眠不足は、心身に大きな影響を与え日常生活や職場におけるメンタル不調にもつながりかねません。

そのため、寝る時間が足りていない人は何らかの方法で睡眠に関する改善策を取ることが求められるでしょう。そんなときに、まず出発点となるのが本人の睡眠に関するデータを分析することです。その際、この記事でも紹介した睡眠管理アプリなどが役に立つでしょう。健康が気になる人は一度試してみてはいかがでしょうか。(提供:J.Score Style

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